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「誰でもできる仕事」へのショックが原動力。ユーザベースで「究極の平等」を体現するリーダーが大切にする3つの「楽」とは?

「誰でもできる仕事」へのショックが原動力。ユーザベースで「究極の平等」を体現するリーダーが大切にする3つの「楽」とは?

ユーザベースの多様なリーダーに光を当てる企画、「Diversity Empowermentシリーズ」、今回インタビューに応じてくれたのは、オペレーション本部でShared Operations Division Leaderを務める香月恵理子。派遣社員からユーザベースに入社し、コーポレート、NewsPicksの広告事業、広告オペレーションとさまざまな部署を経験。現在は、事業を横断したオペレーション組織のリーダーとして活躍しています。

「チームで、最強になりたい」。その情熱の源泉は、キャリア初期に受けた、あるショックな一言でした。悔しさをバネに、彼女はどのようにして独自のリーダー論を築き上げ、チームを家族のように愛し、メンバー1人ひとりの才能を輝かせるに至ったのか。仕事も人生も「楽しむ」ことを信条とする彼女の、パワフルな言葉の数々をお届けします。

香月 恵理子

香月 恵理子ERIKO KATSUKI オペレーション本部 Shared Operations Division Leader

東京生まれ。4人きょうだいの3番目として比較的自由に育つ。大学卒業後、デザイン事務所にて、エディトリアルデザインやポスター制作、パッケージなどのグラフィックデザイン、Webデ...

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目次

「誰でもできる仕事」って言われたのが、めちゃめちゃショックで

まずは香月さんのユーザベースでのキャリアについて教えてください。

今年で入社して丸10年になります。はじめは派遣社員として入社しました。たまたま検索して見つけたのがユーザベースだったんです。最初はコーポレートのバックオフィスで、代表電話を受ける仕事をしていました。

まだSlackもなかった時代ですよね。

そうなんです。全社の電話を全部受けていました。みんな自由に出社しているので、オフィスにいないこともしょっちゅうで(笑)。電話を受けたら「〇〇さんからお電話がありました」とメールを送る、みたいな。今思うと大変な仕事でしたね。

その後、上場準備を手伝ったりしているうちに、NewsPicksの広告事業部門で人が足りないという話があって、契約まわりのサポートを始めました。そこから契約社員にならないかというお話をいただいたタイミングで、妊娠がわかって。一度、産休・育休に入りました。

オペレーション本部 香月恵理子
復帰後から、オペレーションのキャリアが本格的に始まっていくんですね。

そうです。1年ぐらいして戻ってきたら、広告部門にオペレーションチームをつくることになって、立ち上げから加わることになりました。そこからNewsPicksの広告オペレーションが、私のキャリアのメインになっていきます。広告の入稿やレポーティングをする、いわゆるADオペレーションですね。これがだんだん楽しくなってきて、ずっとやっていました。

そして2020年に、初めてリーダーになった。打診された時はどう思いましたか?

「やりたいことがようやくできる!」と思いました。もう、私の中にあった悲願とも言える話で。チームでオペレーションの価値を上げたかったんです。それができる場所ができたなって。

「悲願」ですか。そこまで強い思いがあったのは、なぜだったんでしょう?

キッカケは、ある日、当時の役員に言われた一言なんです。3月の繁忙期で、広告の入稿作業でもう必死になってたんですよ。案件をどんどんさばいて、「売上をつくってるんだ」、「私にしかできない仕事だ」ぐらいの気持ちでやっていました。
そんな中、突然呼び止められて、「香月さんの仕事って、誰でもできる仕事?」って聞かれたんですよ。

もう、めちゃくちゃショックで。「私、こんなに工夫して一生懸命やってるのに、そう見えたんだ……」って。後から聞いたら、私が忙しそうだから人を増やそうか? という意味だったらしいんですけど、その時は本当にショックでした。もし私が弁護士とかお医者さんみたいな、“先生”と呼ばれる職業だったら、絶対にそんなこと聞かれないじゃないですか。これはどうしたらいいんだろうって、本当に悩みました。

ふと「チームじゃね?」って思ったんですよ

その悔しさが、大きな原動力になったんですね。

はい。悔しすぎて、本気で勉強して“先生”って言われる職業になろうかと思ったくらいです(笑)。でも、先生になりたいわけじゃない。今の仕事が、本当に好きなんですよ。じゃあ、どうすればいいんだろうって。

もうひとつ感じていたのは、経歴に対するコンプレックスでした。ユーザベースにはすごい経歴を持つ人がたくさんいる。でも私にはそれがない。どうしたらいいんだろうって。

その悩みに、どうやって答えを見つけたんですか?

すっごく考えていたら、ある時ふと「チームじゃね?」って思ったんですよ。

そうだ、チームであれば、そんなこと全部覆せる! って。頭の中に浮かんだのは、バレーボールのスポ根アニメみたいなイメージ。みんなでボールを拾いまくって、トスを上げて、誰かがアタックする。これなら私ひとりが必死でやるよりずっと強いし、拡大もできる。これだ! って。

オペレーションには私みたいな人がいっぱいいるんですよ。みんな一生懸命やっているし、真面目でいい人たちばっかりだけど、個人ではなかなか認められない。だからこの人たちでチームをつくって最強になりたい、そう思ったんです。

オペレーション本部 香月恵理子

当時、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」をいろんな会社が踊る動画が流行ってたじゃないですか。ITスタートアップのキラキラ女子たちが踊ってるのを見て、「かわいいな、これを目指そう!」って。当時のNewsPicksは「男子校」と言われていたし、社内は「動物園」と言われるほど、才能ある個人が大活躍する場所だった。その中に、AKB48みたいなチームが出てきたら、イケてるんじゃない? って。そう決めたんです。

その熱い思いがあったからこそ、リーダーへの打診は「待ってました!」という感じだったんですね。不安はなかったですか?

不安はないです! むしろ、ようやく肩書きができて「よかった!」って感じでした。やっとやりたいことができる、みたいな。

その後、Divisionリーダーへとステップアップされていきますが、その時の心境も同じでしたか?

いえ、次の山は全然違って……とにかく大変でした。NewsPicksのオペレーションから、全社のShared Operationsを立ち上げる時ですね。Speeda事業のことなんて全然知らないのに、当時の上司に「2週間以内に成果を出してくれ」って言われたんです。

「Speeda事業が本当に大変だから、急いで成果を出せ」と。「1ヵ月じゃダメですか?」って言ったんですけど、「いや、2週間」って言われて(笑)。どうしよう……って。これは本当に第2の山でしたね。ハードすぎました。

そんな山も乗り越えて、リーダーという仕事は率直に言ってどうですか?

とても楽しいです! みんなが助けてくれるし、みんなとやるのが楽しい。いろいろな才能を持つメンバーの力を集めて、いろいろな方向に広がっていける。思ってもみないところに連れて行ってくれるんです。私はそれに乗じて楽しい経験をさせてもらっている感じで。もう、ありがたいし、特別な立場だと思います。

最初の「AKB48みたいなチームをつくりたい」という理想像と繋がっていますね。

そうですね、繋がってます。私の理想は、私がリーダーとして導くというより、1人ひとりが個性を発揮していて、その人たちが組み合わさって力を発揮しているチームをつくること。だから、全然変わってないんですよ。

大事にしているのは3つの「楽」

香月さんが、仕事や人生で大事にしていることは何ですか?

3つの「楽」ですね。「楽しい(Interesting)」と「気楽(Relax)」と「便利な楽(Useful)」です。

まず「楽しい」こと。楽しくないと力も発揮できないし、「面白い」って可能性の塊じゃないですか。だからすごく大事です。

次に「気楽」。私自身、緊張していると全然ダメなんですよ。だから、メンバーにもリラックスしてもらうことを心がけてるし、自分もなるべく肩の力を抜いて生きていこうって思っています。これは昔、頑張りすぎてガチガチになって失敗した経験があって。夫と結婚して変わりました。「もっと楽になったら?」みたいな感じの人なので、その方がうまくいくかもって気づいたんです。

最後の「楽」は、オペレーションの仕事そのものですね。私はものすごく面倒くさがり屋で、細かいことを全部拾って既存のルール通りに実行していくのが苦手なんです。「こうした方が楽なんじゃない?」とか「これ、まとめちゃえば?」って考えてしまう。だから便利な仕組みや道をつくってみんなが楽になっていく、そういう世界をつくりたいです。

オペレーション本部 香月恵理子
ワークライフバランスも、パートナーの存在が大きいですか?

そうですね。夫が勝手に旅行の予定を入れてくれるんです。私は放っておくと仕事に没頭しちゃうタイプなので、「キャンプなんて行きたくない」とか思っていても、連れて行かれたらリフレッシュするし、仕事に戻った時にパフォーマンスが上がっていることに気づく。他者の力でバランスを取らせてもらっています(笑)。

チームメンバーは、自分なんですよね

リーダーとして、メンバーと話す時に意識していることはありますか?

チームで話す時は、とにかく全員が喋るように意識しています。喋ってないなと思ったら「どう思う?」と指名しますね。やっぱり、何を考えてるかわからない人がいると不安だし、声を出した方がその人も会議に集中するので。

もうひとつは、正直なことを話してもらえるか。本当の気持ちを聞かないと、判断を誤ってしまいかねません。間違った判断で誰かを傷つけたり、プロジェクトがうまくいかなかったりするのは嫌なので、私は情報をたくさん知りたいんです。

どうすれば正直に話してもらえるんでしょう?

難しいですね……うまくいってないことも多いと思います。でも、なるべく私自身が素直に「これ、困ってるんだよね」とか、自分から開示することは心がけています。

メンバーと意見が対立した時はどうしていますか?

ああでもない、こうでもないと話します。まずはお互いの意見をテーブルに並べて、フラットに話し合う。私自身、自分の意見にこだわっているわけではないので。チームメンバーは家族というか……自分なんですよね。

自分、ですか。

はい。自分の中にも、いろいろな自分がいるじゃないですか。そんな感覚です。メンバーの意見も全部含めた上で「自分」であり「チーム」なんです。だから意見を合わせたいし、聞き入れたい。AKB48なので(笑)。

オペレーション本部 香月恵理子

究極の平等。差別することって何の意味もない

ユーザベースのDEIBについて、どう思いますか?

ユーザベースの社員って、みんなキラキラしてるなって思うんですよ。眩しいくらい。あと、すごく優しい。それは、やっぱり会社がDEIBをちゃんと打ち出しているからかなって。「異能は才能」というバリューが、絶対的な安心感になっている。だからみんな肩の力を抜いて、自分らしく生き生きと仕事ができているんじゃないかなと思います。

香月さん自身にとってのDEIBとは?

「究極の平等」です。私の中では、絶対に区別しない、みんな同じ、という強い思いがあります。

派遣社員や契約社員だった頃、立場を気にして、勝手に遠慮していた部分がありました。でも自分がリーダーになってみたら、そういう肩書きなんて関係なくて、自由にやってもらった方がよっぽどパフォーマンスが出るからいいなと。

差別することって、何の意味もない。マイナスしかないと思っています。みんな同じ。自分の思うことをやって、それを受け止める。それが一番いい。

DEIBに取り組むメリットは何だと思いますか?

「アサーション」ですね。自分も他人も大切にする、ということです。みんながそうあるべきだし、それが成り立っている会社は絶対に応用力がある。そうやって出てきたプロダクトは絶対に強いはずです。自分も他人も大事にする社会をつくっていきたいし、それができているユーザベースは強いと思っています。

最後に、香月さんにとってDEIBを体現するようなモノやコトがあれば教えてください。

自宅のトイレに貼っている、週めくりの格言カレンダーです。ダイソーで買ったんですけど(笑)。毎週、いろいろな人の格言が載っていて、「へえ、こんな考え方があるんだ」って思うんですよ。じゃあ、自分もちょっとやってみようかな、とか。自分じゃないところの価値観を見に行く。それがなんか、DEIBなんじゃないかなって思っています。

オペレーション本部 香月恵理子

編集後記

このシリーズのインタビューはいつも楽しいんですが、今回は特に笑いの耐えないインタビューになりました。AKBの「恋するフォーチュンクッキー」のダンス、年齢が若い方は知らないかも? と思いつつ、香月さんが「チーム」を語る上で無くてはならないエピソードなので、そのまま残しています(笑)。記事に出てくる3つの「楽」(「楽しい(Interesting)」と「気楽(Relax)」と「便利な楽(Useful)」)、私も意識したいなぁと思いました!

聞き手:山元 陽作 / 撮影:渡邊 大智 / 編集:筒井 智子
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