「これでいいんだっけ?」。内定式で感じた違和感が、キャリアの転換点に
NewsPicksです。ちょうどインターンを探している時期に見て、「これいいじゃん」と思って。そこからネットで検索して、コーポレートサイトの採用ページから問い合わせたのが最初の接点でした。NewsPicksのアプリはスマホに入っていたので、このアプリをつくっている会社がインターンをやっているなら行ってみようかな、と。
いえ、実はもう就職先は決まっていたんです。大学4年生だったので。残りの学生生活で、給料ももらえるしインターンでもやってみようかな、というくらいの気持ちでした。内定先は人材系の会社です。10月の内定式にも参加しました。
ユーザベースのインターンは大学4年生の9月頃から始めたんですが、10月に就職するつもりだった会社の内定式に行ってみて、なんだかピンとこなかったというか……。「これでいいんだっけ?」って思い始めたのは、その内定式がきっかけでした。
それで、当時インターンとしてお世話になっていた渡部佳織さんに「正社員入社の枠ってありますかね?」と10月の2週目くらいに相談した記憶があります。もともとはユーザベースで正社員になる予定はまったくなかったんですよ。
自分が何に違和感を持っているのかを自分の中で言語化できていたので、それを伝えたら「そこまでわかっているなら、もう一度検討する余地はあるかもね」と言ってくれて。人事の方につないでもらいました。
はい。ただ、長期インターンをやっているとはいえ、ちゃんと採用ルートには乗らないといけないからということで、まず2daysのインターンに参加してほしいと言われました。そこから面談をしつつ、どう進めるか話していった感じです。

インターン先はNewsPicksだったんですが、当時はNewsPicksに新卒の採用枠がなかったですし、インターンとしてはすごく良かったんですけど、自分が正社員として働くイメージとは少し違うかも、と感じていました。イベントチームにいたんですが、周りがすごい異能を持っている人たちだらけで、自分はクリエイティビティを求められる職種に合っていないのではと。もっとSaaSのレベニュー組織の方が向いているなと自分でも思っていました。
他はあまり見なかったですね。就職活動で一通りいろんな会社を見て、その上で決めた会社だったので、今もう一度見直してもそんなに変わらないだろうな、という感覚がありました。
はい。もともと教育とか人材系の企業を見ていて。「学校で学ぶことと、社会に出てから必要なことが違いすぎるな」と感じていて、そのギャップを埋めるようなことができないか、という軸で探していました。
最初は人材業界を選んだんですが、NewsPicksのようなメディアや、ユーザベースのようにデータや情報を持っている会社が情報を提供することで、その差分を解消できるかもしれない、と思うようになって。同時期に学生のキャリアを支援するNPOにも参加していて、そこで「人材系企業だとできることに限界があるかも」と感じ始めていたのも、内定を辞退した理由のひとつかもしれません。内定先の人事の方にはすごく申し訳ないことをしました。
新卒も即、最前線へ。「○○さんの案件、引き継ごうか」
ありました(笑)。私が配属されたINITIAL(現 Speeda スタートアップ情報リサーチ)に新卒が入るのが久しぶりだったらしく、新卒としてのオンボーディングがほぼなかったんです。中途入社の人が入ってきたのと同じように、そのまま仕事をやるんだっていうのに、まず「えっ」とびっくりしました。インターンの時はどうしても社員のサポートという側面が強かったので。
入社していきなり「じゃあロープレから始めようか」と言われて、気づいたら「○○さんが異動するタイミングだから、彼の案件を引き継ごうか」って。そのまま案件を持って、他のメンバーと同じように業務を進めていくことに衝撃を受けました。
CSには、遼平さん(大沢 遼平/執行役員 スピーダ事業 プロフェッショナルファームアカウント統括)にロープレで合格をもらうまで頑張る、というオンボーディングがあって。合格が出るまでの期間は人それぞれで、1ヵ月の人もいれば3ヵ月の人もいる。OKが出るまでは、商談の動画を見たり先輩に練習に付き合ってもらったりしてブラッシュアップし、GOサインが出たらもうお客さんを持つ、という流れでした。
私は1ヵ月で終わらせようとメンターの先輩に言われて、ギリギリ1ヵ月で合格できました。でも、結構大変で「うわっ」て思いましたね(笑)。

やっぱり、お客さんが何をやっているかも知らない、知識が全然ない状態でヒアリングをして、適切な提案を判断して話す、というのを全部やりきらないといけないところです。自分が知らなすぎてうまく質問できていないんじゃないかとか、これを聞いたら素人だと思われちゃうかな、とか。そういう遠慮が出てしまうのが大変でした。
遼平さんに言われた一言が大きかったです。「自分の友だちがお客さんだったら、どういうことを聞くか、もう一回考えてみて」って。「『それってどういう意味なの?』とか『こういうことやんないの?』とか聞くでしょ?」と言われて、確かにな、と。その一言でブレイクスルーできた感覚はあります。今でも、どこまで聞こうか迷った時に、自分のバイアスを外すためにその言葉を思い出しますね。
はい。大学の友人とかだと、大手の会社で1年くらいまだ研修中、みたいな話も聞くので、2〜3ヵ月で現場に出るのは驚きでした。でも、それが良くてユーザベースを選んだ気もします。インターン経験もあったので、知っていることをもう一度研修で3ヵ月とか半年とかやるのはちょっと嫌だな、と思っていたので。新卒が少ないからこそ、個人に合わせていろいろ教えてもらえる環境はすごくいいなと思います。
自分で仕事のリズムをつくるということ
今年の7月に異動があって、今は兼務をしています。業務の7割は、新しくできたロータッチのリレーションチーム。残りの3割で、Speeda事業のCSとして案件を引き継いで勉強中です。
CSは通常、お客様と面談を重ねてハイタッチで支援していくのですが、それだと1人が持てる案件数に限界がある。そこで、メールでのナーチャリングやマーケティング施策など、ロータッチな手法を取り入れることで、より多くのお客様をサポートできるようにしよう、というチームです。2025年1月に新設されて、その立ち上げをずっとやっていました。
ヘルプページを充実させたり、これまで面談で聞いていた更新意向の確認をメールや電話に切り替えるための仕組みをつくったり。メールを自動化してテンプレートに落とし込んだり、イベントを企画して集客したりもします。ツールの整備もあれば、自分で何かをつくることもあるし、イベント運営もする。いろいろな方向性の仕事がめっちゃありますね。
基本的にはNotionを使うか、カレンダーに直接タスクを入れて、終わったらチェックする、という感じです。あとは、四半期の最初にやるべきことを全部細分化して、チェックボックスをひとつずつ潰していくとか。
上長への進捗共有は、毎週月曜日にSlackで「今週はこれをここまでやります」と宣言して、それをやり切る、というルーティンをつくっています。上長のしゅんさん(酒井駿)もDivisionリーダー(※)として忙しいので、自分から進捗を報告することで、安心して任せてもらえるかな、と。
ユーザベースは、Speeda・NewsPicks・Corporateというカンパニーの下に、Domain>Division(2ndライン)>Team(1stライン)という組織構造になっています

出社は週に1回あるかないかくらいです。イベントがある時は出社するようにしていますが、家の方がモニター環境も整っていて集中できるし、企画系の作業はオフィスだと話しかけられて集中が切れちゃうこともあるので。2〜3時間集中したい、みたいな時は家の方がやりやすいですね。
そうですね。日中、どうしても調子が出ない時ってあると思うんですけど、そういう時に無理やり働くのはきつい。夜の方が集中できるなら、夜にガッとやる、みたいな働き方ができるのは、自分にすごく合っているなと思います。
ただ、その自由さの反面、自律が求められるなと感じています。私の場合、朝、「今日何をやりきるか」が明確になっていないと、効率が下がったりダレてしまったりするので、前日には「明日はこれをやる」と決めるようにしています。そういう工夫ができないと、確かにパフォーマンスは落ちる気がしますね。
悪意がないと信じられるから、安心して働ける
最近、Speedaスタートアップ情報リサーチからSpeedaへと担当プロダクトが変わって、もう一度ヒアリングの仕方などを学び直しているのですが、最初の頃より明らかにキャッチアップのスピードが上がっているなと感じます。何を押さえればいいか、どうコミュニケーションを取ればいいか、という勘所がわかるようになったというか。吸収が自分でも早くなったなと思うので、そこは今後、環境が変わっても使えそうな成長ポイントかなと思います。
確かにそうですね! あとは、CSとして1年半くらいやっていると、プロダクトでカバーできる範囲の少し外に、お客様が困っていることがありそうだな、というのがだんだんわかってくるんです。そこで、プロダクトの枠を超えて、他の経験がある人を呼んでくるとか、そういう提案ができる瞬間に、自分がいる意味や成長を実感します。
大きな失敗はまだないんですが、「こうすればよかったな」と思うことはあります。1年目の頃は、お客さんの温度感がわからなくて。この方は解約しそうなのか、続けそうなのか、という見極めができないまま進めてしまって、結果的に解約になってしまったことがありました。
その「温度感」を掴めるようになったのは、やっぱり、実際に解約されたという経験があって初めてわかる、という感じでした。「そういえばあのお客様、あのタイミングでこういうことを言っていたな。解約の兆候ってここに出るんだ」みたいに、ケーススタディとして習得していったというか。もっと早く他の人に聞いたりすればよかったな、と今では思います。

うーん、あんまり感じたことはないかもしれないです。もともとオープンな性格というのもありますし、チームに恵まれていたのか、わざわざ「本人同士で対話しないといけない」というようなコンフリクトがなかったんですよね。
同期が「ユーザベースの人はいい人たちでびっくりした」と言っているのを聞いたことがあって、それはすごくわかるなと。「悪意が絶対ない」という前提で何かを考えられるのは、本当にいい環境だなと思います。
皆さん、誠実だからですかね。これはユーザベースに入りたいと思ったきっかけでもあるんですが、NewsPicksの人たちも、Speedaの人たちも、向いている方向が一緒というか。The 7 Valuesにも「ユーザーの理想から始める」というバリューがありますが、それぞれが哲学のようなものを持って働いているのが、日々のコミュニケーションから伝わってくるんです。だから、信頼できるなと感じます。
会社は変わる。だから「自分」を主語に見つめ直す
さっきの話にもつながりますが、「異能は才能」はすごくいいなと思います。NewsPicksにいた時も「この人、すごい変だな」って思う人がたくさんいたんですけど(笑)、その部分がちゃんと活きていて、面白さにつながっている。欠点というよりは、いいところにみんなが目を向けて、それを活かそうとしているチームのあり方がすごくいいなと。私もそういう人間でありたいなと思います。

最近すごく思うのは、時代が変わるスピードが本当に速いな、ということです。私が就活をしていた2022年頃のSaaSと今のSaaSでは立ち位置が違うし、AIが入ってきてゲームチェンジが起きている。一生安泰なんてないんだな、とひしひしと感じています。
だからこそ、「自分」を主語にして考えることが大事だと思います。どういうスキルをつけたいか、どういう人間でいたいか、どういう人と一緒にいたいか──そういう自分軸で考えないと、環境の変化にどんどん流されてしまう。ちゃんと自分で考えて決めた、という事実をつくることが、キャリアの納得感につながる気がします。
先ほどの自律の話にも通じますが、責任が前提だな、というのは常に感じます。自分が任されている業務範囲をしっかりやりきって、初めて自由が獲得できる、という感覚です。だから、自由が先にあるというよりは、責任が先に来る。
それに、その自由も、自分で律しないとコンフォートゾーンから出られない、という側面もあると思います。会社がキャリアパスを引いてくれるわけではないので、自分がどうなりたいかを考え、伸びしろを自分で設定していかないと、誰かが何かを用意してくれるわけじゃない。その厳しさはあると思いますね。
自分はこれができるとか、ここだったら誰かに貢献できる、というものが欲しいなと思っていて。そこの自信を持てるような専門性──ユーザベースでいう「異能」がある人でいたいな、と思います。

編集後記
2024入社の新卒インタビュー、3本目はSpeeda事業のおかきょん(岡田のあだ名)! インターン時代、NewsPicksの何人ものメンバーから「うち(NewsPicks)に新卒枠があったら、絶対に採用したかった……!」と言われており、Speedaでもさっそく活躍している様子が伺えました。「会社がキャリアパスを引いてくれるわけではない」というキャリアの自律性の意識、私が新卒の頃には考えていなかったなぁと感じます。新卒メンバーにはユーザベースで自分らしいキャリアを進んでいってほしいし、そんな彼・彼女たちから選ばれ続ける会社でありたいなと改めて思いました。