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「サボってました」と正直に答えた就活面接が、私の人生を変えた理由

「サボってました」と正直に答えた就活面接が、私の人生を変えた理由

就活の軸は「若いうちから活躍できる」こと。そう語るのは、2024年に新卒入社した小林正弥です。大学時代に長期インターンでスキルを磨き、数々のスタートアップ企業を見てきた彼が、ファーストキャリアにユーザベースを選んだ決め手は、採用面接でのある「正直な一言」にありました。入社後に感じたカルチャーへの驚き、セールスとして経験した手痛い失敗、そして自らの価値観とバリューが重なった瞬間。「本心に素直でいること」を大切にする彼の、リアルな経験と想いを聞きました。

小林 正弥

小林 正弥MASAYA KOBAYASHIスピーダ事業 インサイドセールス本部 Event Activation Team

金沢大学フロンティア工学類卒。大学時代に新規事業の立ち上げを含む計3年間のインターンを経験後、2024年新卒でユーザベースに入社。入社以来スピーダ事業のインサイドセールスとし...

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目次

「今使っているこのニュースメディア、どんな会社が運営しているんだろう?」

本日はよろしくお願いします。まず、小林さんがユーザベースと出会ったキッカケを教えてください。

よろしくお願いします! 僕がユーザベースに応募した入口は、たぶん珍しいんですけどオーガニック検索なんです。

学生の時からNewsPicksを購読して読んでいたんですが、就活中は特に運営会社のことを意識していませんでした。就活も終盤に差しかかった大学3年の3月頃、ふと「あれ、そういえば今使ってるこのニュースメディア、どんな会社が運営しているんだろう?」と思って。それで「ユーザベース」と検索してみたら、たまたま新卒採用をやっていて、そこから応募した、という流れです。ユーザベースでの長期インターンなどは全く経験していません。

就職活動では、他にどのような企業を見ていたんですか?

いわゆるミドルベンチャーからメガベンチャーあたりを広く見ていました。同じ領域だとSansanとか、メガベンチャーだとリクルートやサイバーエージェントなどですね。

軸としていたことはありましたか?

ベンチャー企業を中心に見ていたこともあり、年功序列ではなく、実力でちゃんと評価される環境を求めていました。若いうちからでも活躍できる可能性が高いところがいいな、と。当時は「ベンチャー就活」という風潮に少し踊らされていた部分もあったかもしれませんが(笑)、「若手からやってやるぞ!」という気持ちで進めていましたね。今思えば視野が狭かった面もあるかもしれませんが、いわゆる「大手企業」は基本的に受けませんでした。

Speeda 小林正弥
大学時代には、金沢の会社で2年半も長期インターンをされていたそうですね。

はい。合計で2年半くらいやっていました。Webマーケティングの領域を中心に、北陸の企業や関東圏の企業に対してコンサルティングを提供している会社でした。そこでWeb広告の運用サポートから、新規事業の立ち上げまで裁量もいただきながら働いていました。

前半はInstagram広告やGoogle広告などの運用サポートを、後半は自分から「何かやってみたい」と手を挙げて、採用支援事業の立ち上げに関わりました。北陸の企業と学生をつなぐイベントを企画したり、新卒の人材紹介をしてみたりなど、自身が学生であることを活かしながら北陸の企業の役に立てることを考えながら実施していました。

イベント開催の際には、なかなか参加企業や学生が集まらなかったこともあり、企業に電話や飛び込み営業を仕掛けながら、大学をとにかく歩き回って学生にビラ配りをした経験は、粘り強い提案ができる今の自分に繋がっているなと本当に感じます。

2年半も続けたインターン先の会社には、なぜ入社しなかったのですか?

もちろん、お誘いはいただきました。自分で考えたことをそのまま実行させてもらえる環境をいただいていましたし、自身の選択や意思に寄り添いつつも厳しく接してくれる先輩方がいたこともあり、正直本当に迷ったのを今でも覚えています。

それでも結局入社を決意しなかったのは、就職活動をする中で、インターン先以上に「自分に合う・成長できる」と感じられる会社に出会えたからだと思います。インターン先に何か不満や不足があったというよりは、それ以上に今の自分に合うと確信できる会社が見つかったというのが近いです。

高齢の親がいることもあって、地元である東京に戻ってきておきたいというのもありましたけどね。

「それって要は、サボってたってこと?」面接官の核心を突く一言が、入社の決め手に

NewsPicksの運営会社としてユーザベースを認知した時の、第一印象はいかがでしたか?

すごく雰囲気が良さそうだな、と思いました。NewsPicks自体のUI(ユーザーインターフェース)がすごくいいですし、オリジナルコンテンツのバナーを見てもデザイン性が高くてワクワクする。その印象は、会社のホームページを見た時にも感じました。単純ですが、きれいな会社だな、というのが率直な第一印象です。

逆に、しっくりこなかった部分はありますか?

パーパスである「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」という言葉には、正直まったくピンと来ていませんでした。僕は理系で経済のことを深く知っているわけでもなかったので、「経済情報って、なんだろう?」と。就活の中でミッション・ビジョン・バリューは重視している方だったんですが、そこはあまりよく分からなかった、というのが本音です。

パーパスにピンとこない中でも、最終的にユーザベースへの入社を決めたのはなぜですか?

圧倒的に「人」が良かったからです。採用プロセスでいろいろな方とお会いする中で、「この会社なら、自分が自分らしい状態でいられそうだな」と強く感じました。

「自分らしい状態でいる」というのは?

振り返ってみると、本当に素の自分を表現して選考を受けたのは、ユーザベースくらいじゃなかったかな、と思います。もちろん他の会社でも素直に受けてはいましたが、ユーザベースの選考では特に、ありのままの自分で話すことができました。その状態でいる自分自身が、一番心地よく活躍できそうだと感じたのが大きなポイントです。

Speeda 小林正弥
他社の選考と比べて、ユーザベースで特に「素を出せた」と感じたキッカケがあったんですか?

はい、すごく印象に残っている面接があります。2次選考にあたる2日間のインターンの後、最初の個人面接が海野さん(海野 悠樹/執行役員 スピーダ事業 セールス統括)だったんですが、その時のやりとりが大きかったです。

面接では過去のインターンの経験について話しました。僕、インターン時代に家庭の事情で半年間ほど東京に戻って、ひとりでリモートワークをしていた時期があったんです。その時の話の流れで、弱みを聞かれたんだったかな……。「ユーザベースは働き方が自由だけど、自分は強制的に出社させてほしいタイプ。なぜなら、過去にひとりで仕事をした時に、少しやりきれない部分があったから」というような話をしたんです。

すると海野さんが、そこをすごく深掘りしてくださって。「それって要は、その……サボってたっていうこと?」と聞かれたんです。

面接の場で、かなり踏み込んだ質問ですね。

はい。面接で「サボってました」とは、なかなか言いづらいじゃないですか。一瞬、言えないな……と思いつつも、でも、悶々としていて自分が納得するところまでやりきれなかった部分があったのは事実で、その表現は間違いではないな、と。少し考えてから、「そうだったと思います」と正直に答えました。

その正直さが、評価につながった。

そうなんです。言った後、「あ、これは落ちたかな」と思っていたので、通過したこと自体がまず意外でした。そして、内定が決まった後のオファー面談で、海野さんから「あの時、『サボってたの?』と聞いた時に、素直に『そうです』と、迷いながらも答えてくれたのが、すごくバリューに合っていると思った」と言っていただいたんです。

迷いながらも、正直に、素直に話したことが評価された。この経験が、自分の中で本当に大きかった。「この会社なら、素の自分のままで成長できそうだ」と確信できた瞬間でした。

入社後に感じたカルチャーショック

入社してみて、想像とのギャップはありましたか?

これは他の人もよく言うかもしれませんが、「みんな、ポジティブすぎないか?」と思いました(笑)。裏があるんじゃないかと勘ぐってしまうくらい。もちろん新卒だからというのもあるでしょうけど、それにしても、なんでこんなにポジティブで、よくしてくれる人たちばかりなんだろう、と。

具体的に、どのような場面でそう感じましたか?

すべてにおいて受容的なんです。聞きたいことは何でも聞いていいよ、って言ってくれるし、同じことを何回聞いても丁寧に答えてくれる。そして、誰も他人のことを悪く言っていない。「なんだこれ!?」って、最初は本当に驚きました。

現在はスピーダのインサイドセールス(IS)チームに所属されていますが、仕事内容について教えてください。

僕が所属しているのは「イベントアクティベーションチーム」で、主にセミナーや展示会をキッカケにスピーダに興味を持ってくださったお客様にアプローチする役割です。電話でご連絡をして、お客様の課題をヒアリングし、フィールドセールス(FS)につなぐのが主なミッションです。

ISとして成果を出す上で、入社後の研修はどのように役立ちましたか?

ユーザベースのIS部隊は、オンボーディングのプログラムがかなりしっかりしていると思います。2〜3ヵ月かけて、プロダクトや会社について座学で学ぶんですが、一番大きいのはやはりロープレ(ロールプレイング)ですね。

プロダクトの概要説明から、お客様の課題をきちんとヒアリングして適切な提案ができるか、というところまで、徹底的に練習します。これ、なかなか合格できないんですよ。でも、あの厳しいロープレがあったからこそ、今、自分の中に立ち返るべき「型」ができている。それは本当によかったなと思います。

「君、何年目なの?」お客様からの厳しい一言で学んだ、本当の顧客視点

この1年で、ご自身が最も成長したと感じる点はどこですか?

一番大きいのは、「考えながら行動し続ける」ができるようになったことですね。インターンをしていた頃は、キレイな企画や納得のいく形を求めるあまり、考えることに時間を使いすぎて行動力が鈍っていたことが多々ありました。

ユーザベースでISとして働く中で、求められているのはあくまでも数字の成果であり、その成果をつくるのは自分自身の行動であることを、身に染みて感じるようになりました。もちろん振り返りや計画は大事なんですが、それは目的ではなく、成果をつくるための手段なんだと。

それに気づけて力強く動き続けられるようになったのは、一番大きな成長なんじゃないかなと思いますね。

あとは繰り返しになっちゃいますが、やはりロープレで培った「型」が一番大きいですね。相手の課題を粘り強く聞き出し、それに対し的確な提案をする、という基本動作が身についたことも大きな成長だと思います。

以前は、お客様から課題らしき言葉が少しでも出てくると、「来た!」と思ってすぐにプロダクトの話をしてしまっていたんです。

でも今は、そこから「なぜその課題が発生しているのか」「今どんな対策をしていて、なぜそれが機能していないのか」「そもそも、その課題を解消したい背景にはどんなミッションがあるのか」といった背景情報までしっかり深掘りした上で、スピーダがどうお役に立てるかを伝える。このプロセスを踏むことで、提案の質が格段に上がったと感じています。

Speeda 小林正弥
逆に、手痛い失敗の経験はありますか?

あります。一度、お客様にものすごく怒られたことがあって……。商談の日程は決まったものの、FSがより良い提案をするために、事前に追加で情報をヒアリングする電話をすることがあるんです。そのお客様になかなかつながらなくて、当時の僕は「商談までにFSに情報を渡さなきゃ」という社内都合しか見えていませんでした。

それで、3日間くらいの間に、あるお客様に対して6回も7回も電話をかけてしまったんです。

それは、かなり多いね(苦笑)。

はい。やっとつながった時に、「こっちも忙しいんだよ。出てないんだから、忙しいって分かるでしょ」と。かなり厳しく詰められて、「君、何年目なの?」と聞かれました。「1年目です」と答えたら、「ああ、そういうことね」と……。

その時、改めて「相手の目線に立つ」ということを絶対に忘れちゃいけないな、と痛感しました。電話をかけている側は意識しづらいですが、受ける側からすれば、何度も電話が鳴るのは迷惑でしかない。この経験を機に、電話だけでなくメールを組み合わせるなど、一方的な押し付けにならないコミュニケーションを心がけるようになりました。ちゃんと叱ってくださるお客様で、本当に良かったなと思います。

価値観がバリューと重なった瞬間。「ユーザーの理想から始める」が指針になった

その失敗経験が、「顧客視点」をより強く意識するきっかけになったんですね。

そうですね。もともと「顧客(相手)視点で考え続けたい、そういうセールスパーソンでありたい」という思いは、入社前から持っていました。ただ、ユーザベースに入って「ユーザーの理想から始める」というバリューに触れたことで、その意識がさらに加速した感覚です。

特に当時の上長である、たもちさん(田本 圭史朗/スピーダ事業 インサイドセールス本部 ゼネラルマネージャー)の影響は大きいですね。プロダクトの提案方法などで議論になった時、たもちさんはいつも「でも、顧客がこう言ってるんだから、こう提案するべきだよね」というスタンスでした。顧客から見たらどうなのか、という視点を常に持っている。その姿を見て、自分の中にその考え方がしっかりと染み込んでいった気がします。

バリューの中で、一番意識しているのは「ユーザーの理想から始める」ですか?

はい。入社前や入社当時は「異能は才能」というバリューが一番好きでした。大学時代にシェアハウスに住んでいた経験が大きいんですが、そこには本当にいろいろな人がいました。

英語未経験から海外就職を目指す社会人、医者を目指して大学に通い直している人、独立を目指す人、地元の会社で地域に貢献する仕事をしている人、チャレンジングな環境を求める学生や、ごく普通の落ち着いた生活を夢見る若者……。多様な価値観に触れる中で、学歴のようなひとつの軸で人を測ることの浅はかさを痛感したんです。その経験から、「異能は才能」という言葉に強く共感していました。

でも、仕事でお客様と向き合う時間が増えるにつれて、今は「ユーザーの理想から始める」というバリューを一番意識するようになりました。社内の都合に偏った会話が聞こえてくると、「いや、でも顧客から見たらこうだよね」と、常に立ち返るための指針になっています。

The 7 Values「ユーザーの理想から始める」

「本心に素直にいること」が、未来の自分を支える

今、就活をしていた頃の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを伝えるか教えてください。

僕が伝えたいのは、「本心に素直にいる」ということです。就職活動をしていると、どうしても外からの見栄えや、周りからどう見られるか、といった「外の声」が聞こえてきます。もちろん、それもひとつの情報ですが、最終的に決めるのは自分自身ですよね。

「あの人は、こういうものをカッコいいと言いそうだ」という他人の視点ではなく、「自分は、心の底からどうありたいのか」。誰かからの評価というノイズを取り除いた時に、自分の中から湧き出てくる感情を大切にしてほしいなと思います。

僕がユーザベースに入ったのも、最終的にはこの「本心」に従った結果でした。ありのままの自分を評価してくれた環境を選んだからこそ、今の働きやすさや成長があると感じています。

もちろん、多少厳しい環境でも競争社会で強くなりたい、というのも素晴らしい選択です。大切なのは、それが誰かの価値観ではなく、自分自身の本心であるかどうか。時に振り回されることがあっても、一度立ち止まって「自分は本当はどう思っているんだろう?」と考える時間を持つことが、後悔しないキャリア選択につながるんじゃないかなと思います。

Speeda 小林正弥

編集後記

新卒シリーズでは、最後にユーザベースで成し遂げたいWillをスケッチブックに書いてもらいました。事前にメモってきた、とスマホを見ながら書いてくれた小林のWillは、入社当時と変わっていないそう。

インタビュー中「みんな、ポジティブすぎないか?」と話してくれましたが、彼自身もすごくポジティブ。インタビューしながら私も元気をもらったし、初心に戻る気持ちで背筋が伸びました。今後のさらなる活躍が今から楽しみです!

デザイン:金子 華子/撮影・編集:筒井 智子
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