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「ニュースで話そう」があふれる学校生活へ──NewsPicks Educationで広がるつながりの輪

2022/09/26

「ニュースで話そう」があふれる学校生活へ──NewsPicks Educationで広がるつながりの輪

「ニュースに対する印象が、驚くほど悪い」これは2018年、NewsPicksが訪問した学校で、生徒の声を直接聞いて感じた課題です。

まずは生徒や先生にニュースをもっと身近に楽しんでほしい。「誰もが経済を身近に感じられる社会」をマテリアリティ(重要課題)のひとつに掲げるユーザベースグループのNewsPicksでは、2019年にアプリ内に安全性とセキュリティを担保した学校専用の空間を開設。

ここから「ニュースでつながり、学び合う」NewsPicks Educationの活動はスタートしました。学校内で、生徒や先生が日常的にニュースに触れ、共有する機会をつくり続けて4年目。学校や地域を越えて日々進化し続ける「ニュースを素材に対話する」取り組みをご紹介します。

蒲原 慎志

蒲原 慎志SHINJI KAMOHARANewsPicks Education 事業責任者

ユーザベースグループのBusiness Process Reengineering

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目次
NewsPicks Educationが誕生した流れ
NewsPicks Educationが誕生した流れ

ニュースによって輝く生徒

なぜNIE(学校などで新聞を教材として活用・議論する活動)でNewsPicksのアプリを使ってもらうところから活動を始めたのか。それは、事件や事故だったり難しいものだったり……、「ニュース」という言葉から生徒や先生が連想するイメージがとにかく悪かったからです。

そんな状態で生徒たちに「ニュースを読もう」と強制しても、むしろもっとニュースに対する印象が悪くなってしまう。そう考えて、まずアプリの中で好きなニュースを探してPick(保存)したり、自由にコメントをつけたり、遊びの感覚でさまざまなニュースに触れてもらいました。

ニュースに対して身構えずに、好きなように知る楽しさを感じた生徒たちは、日々アプリ内の学校専用空間でニュースを共有し、コメントも投稿するように。これによって、これまでの学校生活ではあまり接点がなかった先生や、ほとんど話したことがなかったクラスメイト同士に、ニュースを通したつながりが生まれていきました。

ある日の授業のこと。みんなの前で、ニュース記事について生き生きと発表したした生徒が、クラスメイトから大きな注目を集めました。その生徒は、勉強や運動でこれまで特に目立つ場面がなかったのですが、「ニュースを語る」ことで輝くことができたのです。ニュースが生徒を輝かせる可能性に気づかせてくれた瞬間でした。

蒲原01

学びを共に創るパートナーに

ニュースは、あくまで学びにおける素材です。その素材を使ってどのように学ぶか、どんな学びの機会を創ることができるかを、NewsPicks Educationは大切にしています。

2020年ごろからは、生徒の要望に応えたゲストの講演会や、文章の書き方やデザイン講座、プレゼンテーションを学ぶ講座などの多様な活動を行ってきました。これには、NewsPicksのメディアとしての人や情報のリソースを総動員しました。

NewsPicksのCDO九喜によるデザイン講座

NewsPicksのCDO九喜によるデザイン講座

生徒からの「デザインを学びたい」という声を受けて開催。デザインの歴史から、実際の資料作成でデザインを考える際のTipsまで、さまざまなことを講義。事前に生徒が作成した資料を添削するコーナーを設けるなど、実践的な内容に。

NewsPicks Educationによる講座「観方が変われば世界は変わる」

NewsPicks Educationによる講座「観方が変われば世界は変わる」

ニュースを素材に、モノの観方を学ぶ講座。ニュースに触れる楽しさに加えて、ニュースを考える思考法(システム思考)についても講義。「立場が違うだけで、ものの観方(みかた)見方が180度変わったことに驚いた」「今まで受けたことのない新鮮な授業だった」などといった感想が寄せられた。このような「ニュースを使って社会を感じる講座」を全国様々な学校で開催中。

感じるようにニュースを見る

これまでの活動を通じて私たちは、生徒たちがニュースの内容を理解し発表すること以上に、そのニュースに興味を持った理由にこそ、その人らしさが現れることを実感。また、その理由の背景にある価値観をクラスメイトが感じたときに、共感度合いが高まることを知りました。

そこで、生徒たちがコミュニケーションの範囲をもっと広くできること、ニュースの素材をより多くの生徒に届けられることを目的に、学校の枠を越えたプロジェクトを開始。その名も「越境ひろば」。全国の小中高生が学校・地域を越えて学び合える場です。

越境ひろばでは、まずはオンラインでニュースを素材に語り合い、お互いのことを知り合う機会をつくるところから始めました。地域、校種、学校、学年を越えて対話する機会が生徒たちはにとっては新鮮なようで、楽しんでくれていました。

越境ひろばでの活動
蒲原02

つながりを感じられる場所に

「ニュースでつながり、学び合う」──これはNewsPicks Educationが大切にしているコンセプトです。

ニュースについて深く考え、自分の感情や価値観に気づく。それに加えて、ニュースについて誰かと対話することにより、他者の感情や価値観にも触れる。そのようなニュースを素材にした対話で、私たちは互いの考えを持ち寄りながら、より広い視野で社会と関わることができるのです。

だからこそ、NewsPicks Educationは地域や組織を「越境」させ、ニュースを通じてつながることのできる人・世界をこれからも広げていきます。

蒲原03

編集後記

以前NewsPicksの記者が生徒や先生を対象に、オンラインであるニュースについての講義をしていた時のこと。印象的だったのは、講義の時間をオーバーするほどのたくさんの意見や質問が、生徒や先生からチャットにたくさん寄せられていたことでした。

1つのニュースに対して改めていろんな見解があることに気づかされ、肩肘張らずにどんなコメントも言い合える空間があるっていいなと感じたひとコマでした。

NewsPicks Educaitonが全国の学生に「学校や組織、地域を越境して学びの場」をつくり続けたその先に、どんな大人が生まれていくのか。それを想像するだけでも期待は大きく、好奇心のある生徒たちの世界をどんどん広げていくこの活動を、今後も楽しみに応援したいと思います。

執筆・編集:杉尾 美幸 / 編集:筒井 智子 / デザイン:片山 亜弥・杉野 亮
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