アメリカの大学に通っていた時にデザインに興味を持つようになって、大学3年生からグラフィックデザインを専攻し、卒業後日本に帰国する前に就職活動を始めました。
デザイナーの募集をWebで検索するとたくさんヒットするんですが、自分の中で「何を基準に会社を選ぶのか」が明確ではなかったせいか、どの企業もピンとこなかったんです。
「自分が大事にしたいことは何だろう」と考えると、過去のアルバイトやインターンのときに、「人に恵まれていた」ということに気がついたんです。「人を大事にする会社っていいな」と思い、「会社 人 恵まれる 探し方」のように検索してみました。
そこでヒットしたのが転職クチコミサイトのOpenWorkで公開されていた「2018年の性格の良い会社ランキング」。1位だったユーザベースのホームページを見て、「経済情報で、世界を変える」という旧ミッションやバリュー、「メンバーをハッピーにしたい」という姿勢にとても惹かれました。
ところが、募集要項を確認すると、当時は新卒のデザイナーは募集していなかったんです。ダメ元で問い合わせてみたところ、幸運なことに面接の機会をいただけることになって。
数日後、平野さん(平野 友規/現B2B SaaS事業CDO)と面接をして、「正社員ではなくインターンから始めてみないか?」という、ありがたい提案をいただきました。

インターンを始めた時に撮った「初心忘れるなよ.jpg」
2019年7月にインターンとして入社してからすぐに、経済情報プラットフォームであるSPEEDAの「SPEEDA トレンド」のプロジェクトにアサインされました。
SPEEDA トレンドは、AIや5Gなど、最新のビジネス情報についてまとめられたレポートなんです。その中で私はレポート内の図解制作を担当していました。
3ヶ月で約50本のレポートを図解入りでリリースするという鬼のようなプロジェクトでしたね(笑)。1本のレポートに10個ほど図解が入っていて、ひたすらそれをつくっていました。量が多かったので、本当に毎日必死で。でも、全力でやっていたらなんか楽しかったんですよね。
3ヶ月のインターン期間が終了し、平野さんから「ぜひ、正社員に」というお話をいただいて、2019年10月に晴れて正社員として入社となりました。指示を待つのではなく、自分で考えて行動したことを評価していただけたのではないかと思います。そこからSPEEDAトレンド以外の仕事も徐々に増えていきました。
あえてフォーカスするとすれば、NewsPicksに転籍したところでしょうか。
正社員になってからは、SPEEDAトレンドの図解制作が評価されて、新しい事業を創り出すための新規事業育成プログラムである「think beyond」に参加しました。
ここでは、検証中のサービスについて、打ち合わせで論議した内容を自分なりにまとめて、ビジュアルに落とし込んでいく業務を担当していました。これまでの仕事から範囲を広げて、編集の領域にも関わらせてもらえるようになったんです。

think beyondでの成果物
その後、スタートアップ情報のプラットフォームであるINITIALにレンタル移籍をして、3ヶ月ほどオリジナル記事の制作を担当しました。そのタイミングで、INITIALのコンテンツがNewsPicksに統合されることになったんです。「コンテンツデザインをもっと極めたい」と思っていたところ、「それなら、NewsPicksに移る選択肢もあるよ」というお話をいただきました。
これまでは図解から営業資料の制作まで、幅広くデザインしていました。でもNewsPicksはコンテンツデザインに特化しているので、コンテンツデザインに集中できる環境があります。5年後、10年後を考えたときに、NewsPicksに移った方が、自分が理想とするデザイナー像が描けたので転籍を決めました。
「デザイナーになりたい」と思って、就職活動をしていたらユーザベースという会社に出会って、SPEEDA、think beyond、INITIALでの経験を通して、コンテンツデザインというものがあることを知って。はじめから、「コンテンツデザイナーになりたい」と思っていたわけではなく、目の前のことを頑張っていたら、次の道が見えてきたんです。
コンテンツデザイナーの仕事は、記事のテーマや内容にあわせて、必要なビジュアルやバナーなどを準備して、わかりやすく魅力的なコンテンツに仕上げていくことです。依頼を受けたらまず自分なりにデザインをつくって、今はまだ一人前になれていないのでリーダーにデザインチェックをしてもらいます。
その後、記者や編集者に確認してもらい、必要であれば修正のやり取りを経て公開へと進みます。デザイナーへの依頼は公開日の前日に来ることが多いですが、公開日までに完了するようにしています。
NewsPicksの記事は公開日を延期することはできないので、時間との勝負です。一番大事なことは、伝えたいことがきちんと伝わるようにすること。長い時間があれば良いアウトプットが生まれるというわけではないので、限られた時間の中でベストを尽くすことを心がけています。
NewsPicksは取り扱うテーマやジャンルの幅が広いので、さまざまなデザインに挑戦できるところが面白いです。毎回違う記事をアサインされて、ベストな表現を考えています。その過程でコミュニケーションが発生するので「記者や編集者と一緒にコンテンツを届けている」という感覚がありますね。
アイデアが浮かばない時は苦しいこともありますが、終わりは必ずやって来る。本当に煮詰まったときは助けてくれるリーダーもいる。環境にはとても恵まれていると思っています。
元々NewsPicksのユーザーでもあったので、公開された記事に、自分の名前がクレジット掲載されているのを見た時はとても感動しましたね。
NewsPicksに転籍して約9ヶ月が経ちますが、今はまだすべてが勉強です。目の前の記事を1つひとつ丁寧につくっていくことを心がけています。
単発記事や連載企画など、フォーマットがある記事を中心に担当していますが、いずれは特集記事を担当できるようになりたいです。今は、とにかくコンテンツデザイナーとしての修行を積みたい。それを頑張っていれば、次の目標が見えてくるだろうと思っています。
私は、文章を読むのはあまり得意ではありません。そんな私でもNewsPicksの記事は読みやすいと感じます。読みやすいテーマが多いのも魅力の一つですね。経済の話って、どこか難しいイメージがあるじゃないですか。
でも、BTSやイカゲームの話があったり、自分の人生にとって大切なことを教えてくれる教養の記事があったりする。そういう話だったら、興味があれば読んでみたくなりますし、そこを入り口に、経済情報に触れられる面白さがありますね。
私は、仕事を楽しむことを大事にしています。自分が楽しくないと、デザインにも影響してしまうと思うんです。だから、楽しく仕事をして、記事を見たユーザーが面白さや楽しさを感じてくれる。こういうサイクルをつくっていきたいですね。
仕事を楽しむためには、「大事にしたいこと」を明確にする必要があります。その上で、自分が居心地よくいられる、自分が素でいられる企業を皆さんにも探してほしいです。将来の目標がはっきりと見えていなくても大丈夫。私も見えていませんでした。でも、目の前のことを頑張っていれば、きっと次の道が見えてきます。だから、少しでも興味があることがあったら、思い切って飛び込んでみてほしいです。