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人間の浮き沈みそのものを、丸ごと受け入れられる組織へ──NewsPicks Corporate Division Culture & Talent Team

人間の浮き沈みそのものを、丸ごと受け入れられる組織へ──NewsPicks Corporate Division Culture & Talent Team

ユーザベースのチーム紹介シリーズ、今回はNewsPicksの採用や組織課題の解決に日々奮闘しているNewsPicks Culture &Talent Teamを紹介します。

社員が毎日気持ちよく働く上で、社内の人間関係や就労環境、労働時間などの把握・管理は欠かせません。事業の成長とともに、さまざまに形を変えてきたCulture &Talent Teamの組織の変遷、普段の仕事やチームでのコミュニケーションなどを聞きました!

目次

メンバー紹介・キャリア

・中里基:NewsPicks 執行役員 CHRO / Corporate Division リーダー
コンサル→政府系再生ファンド → IT → 現職
企業再生で福島に滞在中に東日本大震災を経験したことが原体験。その後福島に拠点を移し、地域交通の企業再生経営に従事。グロービス経営大学院専任教授/グロービス・パートナー・ファカルティ。

・直原大:NewsPicks Culture & Talent Team HRBP
新卒で人材系企業に入社。人材紹介事業部に所属し、入社から2年間は関西で製造業を中心とした中途採用支援に従事。その後東京・企画部へ異動。事業部長直轄のもと事業企画(サービス開発、全社会議体の企画運営 等)に従事し、2021年8月より現職。

・新井麻衣子:NewsPicks/AlphaDrive Recruiting Unitリーダー
展示会主催企業 → 外資系戦略コンサルティングファーム → 人材紹介企業 → 独立系戦略コンサルティングファーム → 2019年ニューズピックスに入社(2021年〜ユーザベースに転籍)

Culture & Talent Teamってどんな仕事?

NewsPicksにCulture & Talent Teamができた背景は?

新井 麻衣子(以下「新井」):
Culture & Talent Teamは、2019年にできました。ちょうどNewsPicksの規模が大きくなってきた頃です。採用系の業務と組織課題に向き合うカルチャー系の業務、このふたつを担っています。

このチームが担う業務は、NewsPicksとユーザベースの成長に応じて変わってきています。企業の立ち上げフェーズにおいては、採用が最も重要です。

でもそこから組織が進化すると、だんだん人事制度設計やメンバー同士の人間関係などの課題が出てきて、特定の事業に特化した組織課題を解決するポジションが必要になってきます。そのような経緯でNewsPicksに採用に加えて、カルチャー系の業務も担当するCulture & Talent Teamがつくられました。

その後、2021年に採用機能だけを親会社であるユーザベースに移管することになりました。会社が成長して組織が大きくなったから、採用はユーザベースグループとしてNewsPicks以外の他の事業も含めて、横断的に対応した方が効率的だったんです。NewsPicksの採用を担当していた私も、そのタイミングでユーザベースに転籍しています。

そのような理由でユーザベースが採用系の業務を担い、NewsPicksのCulture & Talent Teamはカルチャー系の業務を担う棲み分けになっていました。しかし、今ちょうどこのふたつの業務をもう一度NewsPicksで担う動きになっています。

Culture & Talent TeamがNewsPicksの採用とカルチャーの業務を担当する体制に戻るんですか?

新井:
完全に戻るわけじゃなく、別の形に着地するというイメージを持ってもらうといいと思います。Culture & Talent TeamでNewsPicksの採用とカルチャーの仕事をしつつも、ユーザベースグループ全体の視点を持ちながら進めていくことになります。

中里 基(以下、中里):
採用とカルチャーの機能を、NewsPicks単体で個別に考えるのか、それともユーザベースとして全体最適の視点で見るのかをこの数年で模索した感じですね。

NewsPicksとして個別に考えた方が、スピード感を持ってものごとを進められます。一方で、ユーザベースとして動く良さは、グループ内の多様なナレッジを共有しやすくものごとをスケールさせやすいところですね。固有な事情を踏まえた個別最適でスピードをとるか、共通事情を活用できる全体最適でスケールを取るか。機能やタイミングでそのあり方は変わっていくものだと思います。

普段の業務は?

中里:
私は普段、人事組織周りの仕事を4割、経営企画の仕事を4割、残りの2割は横断的なプロジェクトで、コーポレート以外のことも担当しています。たとえば、経営企画の仕事というのは、戦略や数値をモニタリングし、ある種規律を持ってみんなを巻き込んでいく仕事です。ある意味ではトップダウンとも言えます。

それに比べて組織やカルチャー系の業務はその逆です。組織風土やメンバー同士の関わりといった抽象的なものを汲み取って言語化し、その中で見つけた課題と向き合いサポートしていく仕事です。

トップダウン寄りで方針が必要な経営企画と、ある意味ボトムアップともいえるサポーティブなカルチャー系業務の両方を、解像度高く繋げることが経営にプラスをもたらすと信じています。

人事や組織をテーマにした問題の解決を、経営のリアルと結びつけて考える。私自身が両方に携わっている意味もそこにあります。全社目線で経営企画を担う一方で、1on1や、チームメンバーとの交流を通して現場目線にぐっと入り込み、組織課題と向き合うこと、この両立を意識してやっています。

直原 大(以下「直原」):
私は2021年8月に入社したので、もうすぐ1年が経ちます。普段の業務は、カルチャー系の業務が多くて全体の6割ほど、残りの4割が採用系の業務です

カルチャー系の仕事は、たとえば全社会議の企画・運営や新入社員向けのオンボーディングプログラムの運用、組織改変や人事異動の周知や評価会議などです。

組織の課題を知るために、定期的にリーダーの人たちと組織や人間関係での課題がないかをヒアリングしたり、社員の意識調査の結果を取得して、チームの皆さんと協力して課題のサマリーをつくったりもしますね。

採用系の業務は、ジョブディスクリプション(職務記述書)の作成や人材紹介エージェントとのコミュニケーションパイプの構築、採用候補者の方とのカジュアルな面談などを担当しています。

チームには、社員以外にも人事コンサルの会社から出向で来ているメンバーがいます。あとはインターンのメンバーもいますね。普段は週に1回チームで1時間のミーティングがあり、その際に各自が抱えているタスクとその進捗度合いを確認します。毎回メンバーからのフィードバックをもらいながら進めていく感じです。

チームのコミュニケーション

中里:
少数ながら、多様性のあるチーム構成は常に意識しています。たとえば、メンバーに必ずひとり、出向者として社外のフレッシュな目線を持ったメンバーに入ってもらっています。そのメンバーは、アドバイザーでもコンサルでもなく、他のメンバーと同じように私のレポートラインに入っています。それも当事者感が出過ぎないように1年単位のローテーションでパイプラインをつくっています。

コンサルティングファームから客観性を持ったメンバーが来てレポートラインに入り、でも共同体化しないように期限を切ってローテーションするという体制はユニークだと思います。

それから、新井さんとの連携も重要ですね。新井さんは今ユーザベースの採用チームとの兼務でNewsPicksのCulture & Talent Teamに所属しているので、ユーザベースとNewsPicksの橋渡し的な役割もしてくれています。

あと、私もCulture & Talent Teamだけでなく、別のチームもいくつか管掌しています。Culture & Talent Teamは直原さんが専業でいてくれて、そこを取り巻くみんなが、業務を横断していろんなアングルから力を結集してチームをつくりあげていますね。

新井:
チームを兼務する上で大事にしているのは、採用においてユーザベースとしての全体感をつかみつつも「NewsPicksとしてどうしたいのか」や「どうすることがNewsPicksにとって最適なのか」ということを忘れないことです。そこを忘れないためにも、所属はユーザベースであっても「私はNewsPicksの人なんです」という自覚は失わないように心がけています。

チームで挑戦するイシュー

中里:
私は「人間の浮き沈みそのものを、丸ごと受け入れる組織」をつくりたいと思っています。というのも、人間は毎日フルパワーで働けないですよね。元気な時も落ち込んでいる時もあるし、家庭環境によっても変わります。そんなの自分もしょっちゅうです。きっと誰にでもあるもの。

そういう浮き沈みがあるのに、常に同じコンディションでバリューフィットし毎日フルパワーで働き続けるなんてことができるんでしょうか。少なくとも自分は無理です。私たちは、コインを入れ続ければ常に安定してジュースが出てくる自動販売機ではないので。自分たちは人間であることを前提において、浮き沈みの矯正ではなくてそのまま丸ごと取り込める組織。そんな組織を目指していきたいなと思っています。

直原:
コロナ下で特に顕在化している課題にも、社員の心理的な不安定さがありますよね。でもそれが原因で組織のパーパスに向かっていけなくなってしまうのは、非常に機会損失です。私たちCulture&Talent Teamのテーマは、1人ひとりが タレントを発揮し続けられる土壌を会社につくることです。

直原さんは、先日「アサーティブコミュニケーション」のセミナー運営をされていましたよね?

直原 :
はい、アサーティブコミュニケーションとは「相手を尊重しながら適切な方法で自己表現を行う」というコミュニケーション方法です。セミナーを通して、社員の中にも「自分の意見を相手にうまく伝えることができない」という悩みを抱えた人が多いことがわかりましたし、参加社員からも「課題解決の一つの手法として、アサーティブコミュニケーションを知れたことは本当にありがたい」という声を頂きました。

少し青臭いのですが、私は「明るく疲れる人であふれる社会をつくりたい」と思ってNewsPicksに転職を決めました。「明るく疲れる人」というのは、自分がやりたいことに向き合えていて、それが組織や会社の成長に貢献できている実感もある人です。

部活動で活躍して「いい汗をかいた!」と感じている状態と似ていると思っていて─そういう人たちが増えてほしいと常に思っているんです。だから、このチームで「個人の才能と組織の成長を結びつける仕事」にど真ん中でチャレンジできていることが、私のやりがいでもありますし、このチームの魅力だと感じているところです。すごく難しくて毎日頭を抱えてはいますが(笑)。

どんなところに一番頭を抱えていますか?

直原:
Culture & Talent Teamが管轄するNewsPicksの事業部の範囲が広いことです。多種多様な事業部の人事・組織課題を把握するにあたって、その解像度を上げたいと思うのですが、まず前提となるビジネスモデルの理解にすごく時間がかかってしまうんです。だから事業部の人と同じ解像度・目線で対話をするということがすごく難しいです。

恥ずかしい話なのですが、議論についていくことで精一杯なときもあります。でもこれからどんどん学んで、耳の痛いことでも言えるような、NewsPicksの事業部の人と組織のパートナーになっていきたいと思っています。

新しい仲間へのメッセージ

直原:
入社前にコアとしての仕事内容の理解は想定していましたが、いざやってみるとコアな業務に付随するHRオペレーション業務も発生します。それらもしっかり回さないといけない中で、「やらなければいけないこと」や「やった方が良さそうだと思うこと」がたくさん転がっている環境です。

経験になるという意味では全てをこなしたいですが、当然全てはできません。その取捨選択も自分でしながら歩いていかないといけないんです。それが難しいところではありますが、私も周りからフィードバックを受けながら進んでいます。

新井:
「取捨選択をしないといけない」とコメントがありましたが、私はその仕事の範囲が限定されないところを魅力に感じています。そもそもNewsPicks含むユーザベースグループには、自分の役割を自分で決めていい文化があります。
私のメイン業務は採用なのですが、採用から逸脱した組織の課題に口を出しても、誰も違和感を持たずに聞いてくれます。自分で描きたいキャリアさえ持っていれば、思い通りの経験を培っていけるところが私にとっては最大の魅力です。

中里:
私は正直に言うと、志望動機なんてフィクションだと思うんです。なぜならその会社で働いたことがないのに、志望動機を書くわけじゃないですか。フィクションでしかないですよね。働いてみて分かることの方がよほど多いし、もっというと自分の適性だって多くの場合、思い込みか自己暗示だと思います。だから、とにかく体験主義で私たちに会いに来てほしいです。

条件を決めて会社を探しても、その条件に合う会社っていくらでもあると思うんです。条件や基準を志望動機にした瞬間に、「この基準に沿ってもっと良い会社があれば、そっちにいきます」と言っているのと一緒ですよね。

そうであれば、会社を選ぶ理由は究極的に言うと、もっとずっと主観的なもので「好きだから好き」でいいと思います。だって外からわかることなんでたかが知れていて、実際やってみないとわからないのだから。「NewsPicksになぜ行きたいのですか?」という問いに対して「NewsPicksに行きたいから、行きたいと思いました」「とにかくNewsPicksそのものに惹かれているんです」の方がよっぽど信頼できます。

ただ、そうはいっても体験主義とか、好きだから好きとかでふわっとし過ぎても、あまり参考にならないので、入社後活躍できている人の共通な要素を言語化しておきます。3つ挙げると「あいまい耐性の強さ」「ボールを自分で持ち過ぎない」「仕事に線を引かない」このあたりかと思います。

たとえば、仕事していくと曖昧な状態は山ほどあるし、あるいは日々状況が変わるなんてしょっちゅうです。その瞬間ごとに自走できること。曖昧なことに耐性があることが大事です。これがひとつ目。

2点目は、放っておくとどんどんリクエストやタスクが積み上がっていくわけですが、できるだけ自分のところでためない、ボールはどんどん打ち返せること。

最後の3点目は、自分の業務に線を引かない。線を引いている時点で、自分にリミッターを決めちゃっていると思うんですよね。どんどん越境して自分のリミッターを外しにいってほしいなと。そんな仲間をお待ちしています!

チームざっくり年表

2019年:NewsPicksの組織拡大に伴い、チーム立ち上げ。テーマは大きく、採用と組織課題の解決のふたつ。

2020年:組織課題解決の手法として、仕組みやシステマチックな動きも徐々に。OKR、1on1、フィードバックサイクルなど本格導入。各チームのミッションづくりなど横断的な取り組みも実施

2022年:NewsPicksのコーポレートとして組織再編を実施。併せてユーザベースグループ横断となっていた採用機能をNewsPicksに統合することで、より事業・組織・人が接続したチャレンジを模索中

執筆:杉尾 美幸 / 編集:近藤 里衣 / デザイン:杉野 亮
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