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メンバーみんなが「挑戦し続ける」組織をつくることが、僕自身の最大の挑戦(代表取締役Co-CEO 稲垣裕介)

メンバーみんなが「挑戦し続ける」組織をつくることが、僕自身の最大の挑戦(代表取締役Co-CEO 稲垣裕介)

こんにちは、ブランディングチームの筒井です!
ユーザベースグループで働くメンバーを紹介する社員紹介インタビュー、第30弾は満を持して、代表取締役Co-CEOの稲垣裕介の登場です。

最初にお伝えしておくと、今回の記事はこのインタビューシリーズの中で最長です……! 質問項目は他のメンバーと同じなんですが、稲垣の熱い想いが溢れており、「コレはカットしないほうがいいな」と思ったのです。
では、さっそくどうぞ!

稲垣 裕介

稲垣 裕介YUSUKE INAGAKIユーザベース代表取締役 Co-CEO / CTO

愛知県出身。アビームコンサルティング株式会社を経て、ユーザベースを創業。高性能マイクでないと拾えない声質。人と酒が大好...

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目次

なぜユーザベースを創業しようと思ったんですか?

まずユーザベースを創業する前の話をすると、新卒はアビームコンサルティングにエンジニアとして入社しました。エンジニアになろうと思った理由は気づいたら自然とそうなっていて……家に父親のワープロやPC98があってガチャガチャ遊んでいたし、ゲームするのも好きだったんですよ。小学校の卒業文集にも「将来ファイナルファンタジー10をつくりたい」とか書いていて。

それがだんだん進化してプログラミングを学びたいと思い、理系に進みました。大学受験の時に高校の担任に「何学部に行けばゲームのプログラミングができますか?」って聞いたんだけど、「工学部なんてどこも一緒だ」って言われて鵜呑みにして(笑)。それで選んだのが電気電子システム工学科。

でも、光の解析とかやる学科だったんですよ。衛星から衛星に光を照射すると、大気中の成分によって見える色が変わる。その色によって、大気中にどんな成分があるかわかる、みたいな。

プログラミングがやりたかった僕には興味が全然持てなくて……ずっと暗室にこもって、誰とも話さず光の解析をするような環境で、きつかった。これは違うなって。何でもっと学部のことを調べなかったのか、死ぬほど後悔しました(笑)。

そこからもう一度いろいろ調べてみて、エンジニアという職種だ! と気づいてエンジニアになりたいと思ったんです。でも僕はエンジニアのみにどっぷりというより、経営にも興味があって。

小さい頃、無謀にも将来はノーベル賞を取りたいって夢を持っていて、でも大学で暗室にこもって「これは違う」と思ってしまった。それならビジネスの道に行こう、それなら社長になりたいって思ったんですよ。自分が何か他の人とは違う、スペシャルな存在になりたいという思いがあったのかな。

それで経営×ITの仕事って何だろうと考えて、ITコンサルを選んだんです。いま思えばすごく安易なんですけど。当時の理系の就活はいかに推薦をもらうかがポイント。

研究をちゃんとやって、大学院に行くか推薦をもらって就職するか。でも僕がやっていたのは全く興味が持てなかった光の解析。だから推薦では行きたいところがなくて、気づいたら就活シーズンに突入してしまって……。
そんなとき、高校の同級生だった梅田(梅田 優祐/ユーザベース共同創業者)から「就活ちゃんとやらないとヤバいぞ」って連絡が来たんです。そのやり取りの中で、梅田から「就活しながら起業家選手権に出ないか?」って誘われて、出てみることにしました。

でもアイデアが全然思いつかなくて……思いついたものは、すでに別の人がやっていたんです。実際に先行してやっている人に問い合わせてみたんですが、ただの学生がやっているとわかった途端、門前払い。こういう壁を突破していくのって、難しいんだなと凹みました。

梅田は問い合わせた会社の人から「大学辞めて、うちの会社に来いよ」って誘われたらしく、一緒に行かないかって僕を誘ってきたんです。梅田は学生の頃からけっこう無茶をやるというか、意思決定が早く、まずやってみようとする性格でした。僕は対比してとても慎重な性格だったと思います。

梅田のスピード感は良さであるものの「さすがにここで大学辞めて行くのは違うと思う」と止めました。もしこのとき梅田を止めていなかったら、ユーザベースは存在していなかったかもしれません(笑)。

起業家選手権は、結局いいアイデアが思いつかず、出るのを辞めました。何もできず、とにかく悔しくて……。その反動で「悔しいから経済の最先端、ニューヨークに行こう」って、梅田と2人、格安チケットを取って2泊3日で行ったんですよ。確か往復3.5万円くらいだったかな。

2人ともお金がなかったので、ホテルではシングルベットに2人でコート着て寝て(笑)、証券取引所を眺めて、自由の女神までのフェリーを往復しながら「いつかここで仕事できたらいいよね」って話したのを覚えています。

ニューヨークでの稲垣(左)と梅田(右)

ニューヨークでの稲垣(左)と梅田(右)

お互いに力不足なことはわかったので、まずは就職して、いつか起業したいねって言っていましたね。あいつは社長をやりたいと言っていて、僕はエンジニアから始めたかったので、「お前がつくりたいものができたら、CTOとしてつくってやるよ。お前がCEOで俺がCTOだな」なんて話たりして。これが梅田との学生最後の記憶です。

「社長になりたい」という思いはずっとあって、最初はITコンサル、次は戦略コンサルで働いて、30代くらいで起業したいと考えていました。コンサル=経営だと思い込んでいて、当時はそれが起業する最短の道だと思っていたんですね。

アビームに入った当初のコンサル研修では、経営どころか会計も財務も何なのか全くわからないまま研修を受けていました。でも、プログラミング研修はすごく楽しかったんですよ。

当時のアビームの同期たちはコンサル職志望の人が多くて、プログラミングを率先してやりたがる人は少なかった。僕みたいにエンジニアをやりたい人は稀で、僕は楽しくて仕方なくてのめり込んで、同期の中で最初に課題のプログラムをつくれたんです。

初めて勉強が面白い、プログラミングは面白いと思えた。しかも周りに教えると感謝され、信頼してもらえるし、給料までもらえる。「何だこの良いサイクルは!」って思ったんですね。そういう感覚は初めてでした。

アビームは当然メインがコンサルティングファームなので、全体で見てもコンサル職志望の人の方が圧倒的に多く、エンジニア職をやりたい人が多くないので、エンジニアは重宝されました。

いろいろな人に目をかけてもらえて、入社4年目には10人くらいのチームをまとめつつ、予算も持たせてもらっていました。仕事にのめり込んでいたし、すごく楽しかったですね。

梅田とは年1回くらい近況を報告し合うくらいだったんですが、ある日、梅田がSPEEDAの原案について連絡してきたんです。「こんなことをやりたいんだけど、できる?」って。「できるんじゃない?」と最初は聞かれるがままに話していたら、途中で「一緒にやらないか?」と誘われて。

学生最後にニューヨークで「お前がつくりたいものができたら、CTOとしてつくってやるよ」と話したことが蘇ってきました。ただ、アビームでの仕事は楽しかったし、目をかけてくれた人たちにも恩返ししたいと思っていたので、かなり迷いましたね。

直感的には梅田と一緒にやるべきだと思ったんですよ。高校時代からの付き合いだし、彼にいつもきっかけをもらった恩義があったので。ここでやらなかったら、二度と一緒にはできない。でも当時の上司にも恩があったので、それをどうしようか3ヶ月くらい悩みました。

いざ一緒にやろうと返事を送るタイミングで、梅田から「意思決定が遅い!」って連絡が来たときは「この野郎……」と思いながらも笑いましたね(笑)。それが2007年の年末です。年が明けてすぐ、起業準備を進めつつ、アビームでお世話になった方々へ頭を下げに行きました。

現在の仕事内容と、仕事でワクワクしていることを教えてください。

2021年から経営体制が大きく変わったので、今は全役員とひたすら1on1を重ねています。組織をより強化していくので、各事業のHRBPメンバーとも面談しています。よりガバナンスを強化することと、新経営体制を理解してもらうために、社外取締役の皆さんともお会いしている段階ですね。

社外取締役のみなさんと話しているのは、適切なサクセッションプランニングについて。梅田の退任が急だったこともあり、今は僕や佐久間さん(佐久間 衡/現ユーザベース Co-CEO)以外の経営メンバーのことがわからない状態なんですね。

サクセッションプランニングは、僕が辞めるための後任という意味では全くなく、経営として後継者になりえる人も含めた、人材の層が厚い状態をつくっていく必要があると考えているから。これができることで、さらにユーザベースの組織力向上につながるはずです。

この試みの一環で、新しい経営メンバーと社外取締役のみなさんのコミュニケーションの形も、設計していくつもりです。経営メンバーの理解を深めてもらうことで、もし何かあったときに解像度高くガバナンスを効かせられる状態にしたい。

あとは理想的な経営体制を設計し、それに必要な人材の採用も必要です。また、今のメンバーたちが頑張っていけば、しっかりその対価が得られるような報酬やインセンティブの設計も実施していきます。

もう1つは今年のメイントピックとして「One Uzabase」を掲げて、これまで個別に立ち上がってきた事業の連携を強化していきます。全体の課題感を把握し、どのようにグループ間のシナジーをつくっていくのかを考えている段階です。

組織サイドの強化としては、採用、在職中、退職というフェーズに対する施策が必要な中で、今は特にサクセッションプランニングにも絡めて、採用に注力しています。

さらにユーザベースのコーポレートとして、グループ間のシナジーを設計していくうえで、どんなシステムをつくっていく必要があるのかも整理しているところです。僕自身がエンジニア思考ということもあるけど、技術でみんなの働き方を楽にしたいし、ユーザベースの文化を象徴するような誇れるシステムにしたい。

ここを整理して、プロジェクト化し、やり切ることがOne Uzabaseを実現するベースになるはずです。

ワクワクしていることは2つあるかな。

1つは個人的には久しぶりにエンジニアチームにガッツリ入って、一緒に採用イベントをやったり、施策を設計したりしていくこと。ユーザベースのエンジニアチームは本当に優秀な人たちが多く、僕がエンジニアの視点から見て尊敬している人たちがいっぱいいます。

そんな人たちと一緒に議論していると、いろいろなアイディアが飛び交うし、エンジニア的なユーモアもある面白い意見も出てきて、すごくアドレナリンが出るんですよ。無心になれるというか、単純に最高に楽しい。もちろんエンジニア以外のメンバーと話すのも大好きだけど、エンジニアみんなで議論している時、自分は根がエンジニアなんだなって思っています。

エンジニア組織の開発合宿風景(打ち上げ)

エンジニア組織の開発合宿風景(打ち上げ)

もう1つは、個がより輝ける組織にすること。僕は創業者3名の中で、最も1人のメンバーの可能性を諦めない強度があると言ってもらっていました。僕自身の感情としても、人の成長や才能が花開く瞬間を間近で見ることができるのは、すごく楽しい。みんなの個性が最大化されることに自分の時間を使いたいんです。

2021年から共同代表として一緒に経営する佐久間さんも、組織に対する思いが強い。彼はOKRなど仕組化することがとてもうまいので、僕との組み合わせで最高の組織が作れるんじゃないかとワクワクしています。

佐久間さんのように今後も経営陣の交代によって、より大きな責任を背負って引き上がっていく人たちが出てきます。交代前の経営メンバーがいなくても会社を回せるようになる――とても大きな挑戦だし、これこそが成長の源泉だと思うんです。

その状態がつくれるかどうかは、ワクワクするけど、ヒリヒリもする。でも1人ではできなかったとしても、チームだからできる。僕たちの経営力の強さは、チーム経営であること。これまでとは形が変わるけど、新たな経営メンバーと共に、メンバーそれぞれの個が輝く組織をつくるのは、一番の挑戦だしワクワクですね。

仕事で忘れられないエピソードはありますか?

今でも覚えている嬉しかったエピソードは、創業当時にあるPEファンドの契約が取れたときです。当時プロフェッショナルファーム中心に営業活動を開始した中で、そのPEファンドの契約が取れたら「あの会社が使っているなら」と一気にファンドのお客様が広がるんじゃないかと考えていました。

SPEEDAをリリースしたばかりの頃は、機能もデータ量も今の10分の1もなかった。梅田や新野さん(共同創業者)がお客様に提案に行っては、「こんな機能やデータがあるといいな」という声を聴いてきて、僕やエンジニアチームが必死に作る。お客様のニーズに追いつくために、みんなで力を合わせて開発をしていました。

当時は偶然にも、SPEEDAの競合になるようなスタートアップが一気に何社か出てきていた時期。「小さな戦国時代」って言っていたんですけど(笑)、いろいろな会社とコンペになることがとても多かったですね。

そのPEファンドも、8社くらい競合先があったと思います。コンペが進む中で、最終選定の2社に残ったんですが、先方から「開示資料の全文検索」と「財務スクリーニング」の機能がほしいと言われたんです。

開示資料の検索はすべての開示資料を取得し、全文検索するインデックス化の実装が必要だし、財務スクリーニングは全企業の財務データ──1億レコード以上をデータとして抽出し、フィルタリングを高速で処理できる仕組みを実装する必要がありました。

特に財務スクリーニングは梅田や新野さんの前職の原体験から、他社製品で同様の機能を持っているサービスもあるけど、レスポンスが返ってくるのに5分以上かかるような状態だったと聞きました。

それで僕らは「15秒以内」、選択条件が複雑になっても「最長1分」でレスポンスが返ってくるようにしようと、僕と竹内さん(竹内 秀行/現 株式会社イエソド 代表取締役)がつくることに。開示資料の全文検索はもう1人のエンジニアが担当してくれました。

最終コンペまでの2週間くらいで仕上げなければならなくて、ものすごく大変でした。ひたすらつくって、梅田と新野さんが使ってみて、修正があると全部のデータを再読み込みするから、作業できるようになるまで5〜6時間かかって……ほぼずっと徹夜みたいな状態で何とかリリースにこぎつけました。

最終コンペが終わって数日、別の会社との商談の帰り道に梅田の携帯が鳴って、先方から「SPEEDAに決めました」って連絡が入ったんです。思わず梅田と2人でガッツポーズしました。梅田とガッツポーズしたのは、このときが最初で最後だったかもしれません(笑)。

The 7 Valuesの中で、一番好きなバリューは何ですか?

一番重要なのは7番目「異能は才能」なんだけど、好きって言われると「迷ったら挑戦する道を選ぶ」かな。ユーザベースの存在意義の1つが「挑戦」だと思っているんです。

目先の安定を選ぶなら、ユーザベースに入社したり投資したりしてくれる人はいない。挑戦したい、応援したいと思っているからこそ、ユーザベースを選んでくれているはず。挑戦があるから、喜びやヒリヒリ&ワクワクを共にできる。「挑戦」は僕らを象徴するワードですね。

個人で考えても、「異能は才能」は「チームの感情」を使うイメージ。それも大事なんだけど、「挑戦」って「自分の感情」を一番使う感じがするんですよね。自分自身が感情を使って楽しんでいないのに、チームのみんなを楽しませられない。

僕自身も、経営を担う自分が挑戦していないと、全社員のみんなを挑戦させてあげられないんじゃないかと思うんです。みんなの感情を大事にしたいからこそ、まず自分を主語に自分の感情を大事にしたい。この最大化が理想のチームなので、みんなにもまず自分を主語に、自分の挑戦を大切にしてほしいんですよね。

The 7 Values:迷ったら挑戦する道を選ぶ

今後挑戦したいことは?

さっきも話に出た「迷ったら挑戦する道を選ぶ」をもとに、ユーザベースのメンバーみんなが挑戦している状態をつくることが一番チャレンジングだし、僕自身のハピネスにもつながっています。

ユーザベースに入社してくれる人はもちろん、出資してくれる方やサプライヤー様など、ユーザベースに関わるステークホルダーの皆様が、一緒に挑戦できている状態が理想なのかもしれません。

入社してくれる人であれば年収、出資者であれば投資リターンとして、単に安定してお金を稼ぎたいのであれば、もっと大企業を選ぶと思うんですよ。それでも僕らを選んでくれるのは、普通のことをやっているわけではなく、リスクがありつつも、そこに意義や夢があって、リターンも見込めるからのはず。ワクワクとヒリヒリですよね。

そういう会社を永続させるには、常にユーザベース全体の「挑戦の総量」を最大化させることが大事です。自発的に挑戦できる仕組みと文化を、いかにつくれるか。それが最もサステナブルに、ユーザベースらしい状態を永続させることにつながるはずです。僕たちは永遠の挑戦者でありたい。

会社の規模が大きくなって組織の仕組みを作ろうとしたときに、スケールするために単純にルールを作って統率を取ろうとすると、どんどんその枠組みから出ないようなタイプの人たちが集まり、平準化の道をたどることになる。

でも僕らは「挑戦し続けること」を前提にするからこそ、既存の枠組みを超えていく人たちを集めていくし、超えていけるような仕組みを作る必要がある。一人ひとりの個性を最大化が最も重要なテーマなんです。

僕らがやりたい組織化は「挑戦の総量」、つまり一人ひとりの個性の最大化になるので、平準化とは真逆なんですね。人数が増えるにつれて、もちろん仕組みもつくる。でもそれは平準化ではなく、あくまで個性を最大化するため。

ユーザベースは「経済情報で、世界を変える」というミッションをもとに、今後もサービスラインナップを増やし、海外への挑戦も続けていきます。それに伴って組織も大きくなっていくけど、常に僕たちの組織は平準化ではなく、個性の最大化の道を選びたい。

強度高くチーム経営をしていくためには、お互いの個性を活かし合うことが大切です。目指しているのは、会社全体でチーム経営をしているような状態。単純に平準化するなら1人のトップダウンでもいい。でもそれでは、僕たちが目指すミッションへの到達はイメージできません。

さまざまな能力のメンバーの力を結集させて、これまでにないサービスを生み出し、さまざまな国へ進出を続けて、ミッション到達を目指していく。僕たちはそれぞれの領域で背中を預けて、一人ひとりが一番意思のある領域で挑戦を続けられるような「チーム経営」がベストであると信じています。

もちろん、ただ自由なだけでは協力し合うことは難しい。だからユーザベースという土台があることはとても重要です。土台であるユーザベースでは、ある一定の求心力というか「ここだけは共通の価値観を持ちたい!」という原則が共有されている。でも、そこさえ共有できていれば同じ方向を向けるし、どんどん個性を出して挑戦できるイメージです。

逆に土台の求心力が強すぎてしまうと、すべての意思決定が僕や佐久間さんに集まることになります。そうなるとルールが生まれて、意思決定を委ねるような文化となり、挑戦も生まれにくくなってしまう。

それでは「挑戦の総量」は最大化されないし、その時の経営者の成長のみが、会社としての成長のキャップとなり、新たな経営者は生まれないと思うんです。

直近でも新野さんや梅田が辞任しても一切会社が揺らがなかったのは、彼らに依存することなく、僕や佐久間さんを筆頭に、各事業のCEOが自分たちの意思で挑戦し続けていたからです。

一人ひとりが挑戦できる会社であることが、僕らの成長の源泉。でも何のレールもなく、すべてを任せるのは現実的ではありませんよね。だから僕らは「原則経営」と「チーム経営」を重要な要素と考えているんです。

そのためには、お互いの信頼とガバナンスの仕組みがあることはポイントですね。信頼し合うことと、ガバナンスを機能させることは両立できる。周りを信頼して適切なガバナンスを得られるからこそ、思いっきり挑戦できる。「チーム経営」にはガバナンスの意味合いも込めています。

こういった仕組みをもっともっと洗練させていくことで、ユーザベースはもっともっと「挑戦の総量」を増やしていける。僕にとってはユーザベースのみんなが「挑戦し続ける状態」をつくること自体が大きな挑戦です。

僕自身がその挑戦をしっかりと形にして、ユーザベース全体がさらに挑戦していけるようになることで、さらにワクワク・ヒリヒリできる会社へ成長してきます。これからさらに成長していく、新体制のユーザベースを楽しみにしていてほしいです。

執筆・編集:筒井 智子
Uzabase Connect