「手触り感」を持って働きたい
川村 美乃(以下「川村」):
前職は新卒で入社したリクルートジョブズで、いわゆる営業企画のような仕事をしていました。営業戦略を立てたり、BtoBマーケティングの施策を考えて実行したり、業績をモニタリングしたり。もともとバリバリ働きたいと思ってリクルートを選んだので、その希望は叶ったんですが、見ている数字が大きすぎて手触り感がなかったというか。
川村:
裁量権が大きいがゆえに、ものの捉え方がマクロになり過ぎたのかもしれません。会社の業績として何千億円を追いかける中で、私という人間が会社や社会にどんな貢献ができているのか、分からなくなる瞬間があったんです。
巨大な会社なので当然ステークホルダーもたくさんいるわけですが、会社の中での立ち振舞だけどんどん上手くなっている自分が、少し嫌になってしまって。
川村:
安直かもしれないけど、ベンチャー企業にはもっと自由で正解のない世界があって、その最前線で働くほうが手触り感があるのかなと考えたんです。3年間リクルートで仕事をして、自分の中では一周走りきった感覚があり、同じタイミングで異動の内示が出たことで、転職を決意しました。
NewsPicksの存在はもともと知っていて、熱量の高いビジネスパーソンが集まる面白いビジネスだなとコーポレートサイトから直接応募しました。面接で最初に会った坂本(坂本大典/NewsPicks CEO)の印象が強烈だったのを覚えています(笑)。
西村 脩平(以下「西村」):
どんな印象だったんですか?
川村:
サイトに載っている写真は笑顔なのに、野生的な鋭い目つきの人が出てきたので、びっくりして震えました(笑)。
でも話しているうちにすごく熱い人だなと分かって。自分のやりたいことを初対面の私に思い切りぶつけてくる姿を見て、世の中に新しい価値を生み出す人の熱量はやっぱりすごいんだなと感動したんです。その後に西村くんや他のメンバーと面接しました。それが2018年の夏ですね。
西村:
当時はジョブオファー事業(求人募集の記事広告事業)を立ち上げて間もない頃で、僕が面接したときにジョブオファーの改善すべき点などを客観的に伝えてくれたんですよ。面接の場でヨイショしないというか、忖度しないところが良いなと感じたのを覚えています。
カオスの中でも渦中の友を助ける
川村:
みんなエネルギッシュだし、キャラクターとしても個性が強く、スキル面ではエッジがあって、最初は圧倒されました。
ただ、入社当時は今より組織化されていない部分が多く、とにかくカオスだった印象があります。それぞれのタレント性を活かし、個人商店を開くことで、良くも悪くも成り立っているような感じでした。
川村:
個人商店でありながら、でも不思議と団結力があるんですよ。みんなNewsPicksというメディアを良いものにしていきたい、その目線は合っているからだと思います。
例えば、誰かが仕事を抱えすぎてパンクしそうになったときは、ものすごいスピード感でみんながフォローに入ってくれます。ユーザベースグループが大切にしている「7つのルール」にある「渦中の友を助ける」文化は、非常に浸透していると感じます。
NewsPicksはまだまだベンチャーなので、普段からメンバーそれぞれが渦中なわけですが、本当に渦中のときは仲間がすぐに手を差し伸べてくれるんです。
西村:
エッジの立ったメンバーが多いという意味では、「7つのルール」の1つである「異能は才能」も重要です。
川村:
いろんな職種のメンバーがいるので、普段の仕事の中でもすごく意識しています。メンバーそれぞれが持っているタレント性や考え方は、今でこそ理解できるようになってきましたが、最初はなかなか汲み取れなくて大変でした。でも、強い組織を作るためには個々の違いをリスペクトしなければいけないものだと思いますし、みんなもそうしてくれます。
西村:
僕は前職と比べて、営業としてのスタートラインが全然違うと感じました。NewsPicksは今、営業案件の経路としてはほぼ100%、お問い合わせや社内メンバーの紹介などから、具体的な商談が始まっています。ありがたいですね。
前職は何とかアポイントを取って、商談ではまず話を聞かせてもらうところから案件がスタートします。でもNewsPicksでは、そもそもNewsPicksに興味のある方が、出稿を前向きに検討している状態で、お問い合わせをいただくことが多いんです。
川村:
新規クライアントを担当するポジションがありますが、いわゆる新規開拓営業とは異なりますよね。
西村:
ただし、クライアントの期待値が高いからといって、決して楽なわけではありません。一般的に営業には2種類あって、1つは売り切ったら終わるパターンで、もう1つは契約成立後もやり取りが続くパターンです。僕らは案件が取れた後も記事制作には関与しますし、納品まで介在する必要があります。
一般的な広告営業は、顧客接点の部分を担当します。でも僕らブランドデザインチームの営業は、企画を出す際も一緒にやるし、場合によってはコピーを考える部分にも自分から意見を出すこともあります。もちろん取材にも同席するので、企画やクリエイティブも学べる環境なんです。
川村:
最先端のサービスをいち早く知れたり、取材でインタビュイーから刺激をもらえたりすることも、この仕事ならではですよね。クライアントの伝えたいメッセージを、NewsPicksのクリエイティブで世の中に届けるプロセスをディレクションできることはとても面白く、転職時に考えた「手触り感」は日々感じられています。
オーダーメイドだからこその難しさとやりがい
川村:
もっとNewsPicksの認知度を上げていかなければと考えています。今はインバウンドで成り立っていますが、今後スケールしていくためには、認知度アップは必須です。仕事で出会った人や友人と接していて、まだ意外と知られていないんだなと感じるので。
西村:
上場したことでスタートアップの次の段階に入ったものの、まだまだ情報感度の高い人たちにしか知られていない感覚はすごくありますよね。
川村:
ユーザベースグループ全体のミッションである「経済情報で、世界を変える」をNewsPicksも目指していますが、そこに到達するにはかなりギャップがあると感じています。
質をキープしながら、世界を変えるような影響力を持つメディアにスケールさせるのはすごく難しい。質の部分は信頼できるクリエイティブのメンバーがいるけど、量の部分がまだまだだと思うんです。ユーザー数はもちろん、ブランドデザインチームにとしてはクライアント数や売上規模がまだ小さい。質のジレンマをブレイクスルーしてスケールさせるのがビジネスサイドの役割だと考えています。
西村:
僕たちがつくるブランド広告は、特定の顧客の課題を解決するために個別に作り上げているので、そのまま横展開できないんです。一般的な営業理論では、ソリューションを型化して効率化を図るのだと思いますが、オーダーメイドなので難しい。
川村:
そこが面白いポイントでもあるんですけどね。
いわゆる広告枠を売り切るのではなく、その枠の中で何をやるのか、顧客と密にコミュニケーションを取って考えることを大事にしています。さらに読者にとっても良い企画を届けなければなりません。
(ブランドデザインチームが制作する記事コンテンツはこちら : https://newspicks.com/user/9141)
西村:
営業だけでなく、全般的に人が足りないと感じています。
川村:
だから最近は、記事体のブランド広告を制作する以外の、人手に頼らない売上の立て方や新しい商品開発も考えています。難しいですが、挑戦しがいはありますね。
川村:
AEチームの中でも、今は少し特殊ですね。というのも、過去最大規模のプロジェクトを受注したので、その専任担当としてプロジェクトマネジメントをやっているんです。挑戦してみたかったグローバルの大型案件だったので、専任でしっかりトライしたいという私のwillを上司が尊重してくれました。
私だけでなく、ブランドデザインチームの営業は会社にとってインパクトの大きい数字を任されているので、事業成長に直接貢献している手触り感は申し分ないくらいあると思います。
西村:
半年ごとにやることがどんどん変わる環境で、そこがまだベンチャーっぽいところですね。逆に何の制約もないので、意志さえあれば何でもできてしまう。僕も学生向けに「HOPE」という事業をやりながら、リーダーとして売上数字も見ています。
坂本さん(坂本 大典/NewsPicks CEO)もよく言っていますが、NewsPicksという場をうまく「使える」人が活躍できるんだと思いますね。
川村:
実際かなりチャレンジングな目標が課せられるし、組織自体がまだまだ成長中でカオス。さらにメディアの広告事業という特殊性もあるので、大変と言ってしまえば大変です。それを楽しみつつ、NewsPicksという環境を利用して自分のやりたいことを実現しようと思う人にとっては、最高の環境だと思います。