「日本企業」に入社した理由
Alex:
正直に言うと、日本企業には入るつもりはありませんでした(笑)。
シンガポールの大学在学中、友だちと卒業後の進路について話していて、その時は香港か東京で働きたいと答えたんです。だけど友だちに「東京?お前は本当に日本の会社で働きたいのか?」と言われて。調べていくうちに朝7時から夜12時まで働くような、仕事漬けの毎日を送っているイメージを日本企業に対して持ったため、選択肢から外していました。
そんな中、就職活動中に人材エージェント経由で、ユーザベースを紹介されたんです。日本の会社だと書いてないし、おもしろい会社だよと言われ、勧められるままに面接を受けました。面接担当者の自己紹介で「MIYAMOTOです」というのを聞いて初めて、「あ、日本の会社だ」って気づいたんです(笑)。
ただ、面接を受けてみると話すメンバーそれぞれが面白いし、ユーザベースの働く環境は他社と比べてとても温かかったんですね。会社のフェーズとしても、挑戦のしがいもありそうだったので、入社を決めました。

Amani:
私もユーザベースの面接をうける前は、ルールに厳しく、堅苦しい印象を日本企業に対して持っていました。
ただ、私の場合は第1子を生んだ時に、在宅で仕事すると決めていたんです。リモートワークOKの会社を探していた際に出会ったのが、ユーザベースでした。
当時SPEEDAの事業責任者であった佐久間さん(佐久間衡/現FORCAS、Japan Venture Research 代表取締役)が最終面接で話してくれたことも印象的でした。
面接の最後に質問はないかと聞かれたので、「会社として自分に期待していることは何か」ということを聞きました。
その時の佐久間さんの答えは、
「私たちが大切にしているバリューを深く理解し、自分の言葉で話せるぐらい、自分の中に落とし込んでいってほしい」
というものでした。
これまでイギリスやスリランカで働いてきましたが、求められることの大半は経験やスキルに関すること。このような返答を聞いたことはありませんでした。
彼の言葉を聞いた時、ユーザベースというファミリーの一員になったような気持ちになりました。自分がミスをした時や厳しい状況に陥ったりしても、きっと誰かが助けてくれる、受け入れてくれるだろうと感じられたのが、ユーザベースで働くことを通して抱いた日本への印象です。

Shirley:
ユーザベースに入る前はデロイトで働いており、仕事自体には満足していました。でも監査法人のようにリスクを事前に防ぐ仕事から、一歩出て何か新しいことに挑戦したいと思うようになり、そのタイミングでユーザベースに出会ったんです。
面接の場でユーザベースの上海オフィスが今まで作り上げてきたもの、そしてこれから成し遂げたいことを熱く語られました(笑)。アナリストとしては未経験でしたが、中国という大きな市場や業界について学び、分析できる素晴らしい機会になると思い、入社を決意しました。
従業員を信じてくれる環境で挑戦を続けたい
Alex:
SPEEDAの海外展開は、現在もまだ挑戦中のフェーズだと思っています。SPEEDAがこれからどうなってくのかを見届けたい。今後さらにグローバルに展開していく中で、立ち上げ段階から関わり、作り上げていけることに喜びを感じています。
大変なことはこれからもあるでしょうが、ここで投げ出すつもりはありません。昔から大切に育ててきたSPEEDAを、さらに大切に育てていきたい。その思いが強いです。
Amani:
ユーザベースに入る前は、2004年にアナリストとしてMoody’s Analyticsに入社しました。当時は、従業員数はまだ20名ほどしかいませんでしたが、2009年に退職した頃には約500名まで増えていました。
Amani:
本当にそう。会社の成長を見られて、ほんの一部分でもその成長に寄与できたのは嬉しかった。ユーザベースも2014年にジョインした時、従業員は今の半分もいませんでした。ユーザベースが2013年に海外展開を開始し、その初期から携われたのは本当に喜ばしいことだと思っています。
これまで転職を考えなかったもう1つの大きな理由は、やはり自由な働き方ですね。私はスリランカオフィス所属ですが、ドバイからリモートで働いています。が、なかなかこういう機会を与えてくれる会社はありません。特にアナリストという仕事ではリモート勤務は厳しいと考えていました。
さらに在宅での仕事は、一般的には給与が低い傾向にあるように思います。そんな中で、会社が従業員を信じ、大事にしてくれ、通常と変わらぬ給与でリモート勤務OKなど自由に働ける機会を与えてくれるのは、私にとって何よりもありがたいことなんです。
Shirley:
上海オフィスはメンバー同士が助け合いながら、非常に良い関係性を築けているので、とても働きやすいですね。働く環境が良いからこそ、メンバー全員1つの目標に向かっていけるのだと思っています。
それぞれのメンバーが毎年大きく成長していく姿をみるのは、一緒に働くなかでマネジメントをしている私にとっても励みにもなります。自分もここで成長しながら、どうしたらSPEEDA事業を中国のお客様にもっと使っていただけるのか、今後も試行錯誤を続けていきたいと思っています。

課題はコミュニケーションの壁
Amani:
社内コミュニケーションはSlackを使っていてみんなレスポンスが速いので、コミュニケーションがスムーズで、とても楽です。
ただ一点だけあるとすれば、さまざまな会議への招待を忘れられがちという点ですね。
スリランカメンバーと一緒に働いているのですが、会議の内容がローカルに関わる内容だと、私には関係のないことだと自動的に思われ、カレンダーの招待が忘れられがちなんです。
でも最善なのは、参加したいかどうかを自分で判断し、選べるようになることだと思っています。これは私がリモートを選択していることの裏返しでもあるので、仲間にもっと協力依頼していく必要がありますね。
Alex:
現在所属しているコンテンツパートナーチームは、SPEEDAのコンテンツを拡充するのがミッション。営業やカスタマーサクセスチーム、コーポレートチームなど、複数のチームと協力しながら働かなければなりません。
そのためコミュニケーションを密に取っていくことが非常に重要なのですが、言語の壁もあり、多くのアイデアがコミュニケーションの間で伝たちされずに落ちていくことに課題を感じています。
例えば、東京で話したことを英語に翻訳して伝える時に、日本語独自の表現やニュアンスなど、英語に訳すときに翻訳されずに伝わらないメッセージが多々あります。
また、東京側ではこちらが混乱しないよう、複雑な話をなるべくシンプルに伝えるように配慮している部分もあると思います。しかしスピード感のあるやり取りの中で、話の背景などわからないことがある際、一度話を止めて前の話題に戻って質問をすることが非常に難しいと感じています。

Amani:
これは難しい課題ですよね。どうやったら解決できると思いますか?
Alex:
正直、答えはまだ見出せていません。同時通訳者を入れるにしても、コストがかかることですし。ただ1つ言えるのは、やはり対面で話すことの大切さです。
相手が何を言おうとしているのかを理解しようとすることで、それぞれ何が理解できていないのかを感じ取ることもできるし、どのように仕事を進めるのが良いかなどを理解できますよね。シンプルで当たり前の話かもしれませんが、とても効果的だと考えています。
あとは、オフィス間留学もありかなと考えています。他のオフィスから帰ってきたメンバーが、それぞれのオフィスのやり方や、そこで働くメンバーの人となりを伝えることで、コミュニケーションがよりスムーズになるかもしれません。
これは今後グローバル企業として成長していく中で、解決しなければならないことなので、いろいろと試行錯誤を続けてみようと思っています。
アジア市場をリードできる存在に
Alex:
入社してからの4年間、七転び八起きを繰り返しながらSPEEDAの海外展開を進めてきました。だからこそ、グローバルビジネスとしてさらに成長していく姿を見たいです。
SPEEDAを取り巻く環境も少しずつ成長するのと同時に、変化もしてきています。直近4~5年でもたくさんのスタートアップと新しいビジネスもどんどん生まれています。競争はこれからも続くでしょう。
僕自身、アジアは非常にチャレンジングな市場だと思っています。
言語も違うし、文化も千差万別、仕事の進め方もばらばらです。アジアに進出する企業それぞれが、この独特な市場で生き抜くための答えを見つけようとしていますが、まだ絶対的な解はありません。私たちがその答えを最初に見つけられるかもしれない。だからこそ、果敢に挑戦しながら生き抜いていく。常に挑戦と生き残りのバランスを維持しながら進んでいくことが大事だと考えています。
非常に厳しい世界ではありますが、アジアでのリーディングカンパニーとなれるように一歩ずつ成長を重ねていきたいと考えています。
Shirley:
上海オフィスでは、メンバーの1人が間もなく出産予定で、6か月ほど育休に入るんです。新しいメンバーも入ってくるので、私自身はマネージメントに挑戦していき、チーム一丸となれるようにチームビルディングを頑張っていきたいと思っています。
Amani:
私は個人的な目標と、会社全体に対する目標があります。
今年の個人的な目標は、スリランカメンバー数名をマネージメントすることです。リモートでのマネージメントとなるので、手探りではありますが頑張っていきたいと思います。
会社目線での目標は、担当しているメディア市場をアナリストとして極めていくことです。前職ではアメリカのメディア市場を担当していましたが、SPEEDAのアナリストチームとしては、メディアセクターを専門とするアナリストは私が初となるので、専門性を極めていけることにワクワクしています。
SPEEDA Asiaのアナリストチームでは各アナリストの専門性をより高めていくことで、お客様により一層深く、専門的な見解や分析を提供していけると考えています。

本記事にはすでに退職したメンバーも含まれております(組織名・役職は当時)



