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互いのナレッジを共有し、プロダクトの価値向上と顧客の成功を加速する──SPEEDA×MIMIR 組織融合の現在地

互いのナレッジを共有し、プロダクトの価値向上と顧客の成功を加速する──SPEEDA×MIMIR 組織融合の現在地

組織融合を見据えるSPEEDAとMIMIR。現在、先行してSPEEDAのカスタマーサクセスチームとMIMIRのインサイドセールス、フィールドセールスチームの融合が進んでいます。両者が融合することになった背景やメリット、受け入れ体制、メンバーのキャリア形成についてなど、SPEEDA CSチームリーダーの中尾太郎と、SPEEDA CSチーム On-boarding Unit 津田義龍に語ってもらいました。

目次

組織融合によって、双方のナレッジを価値訴求に活かす

まず、MIMIRのインサイドセールス(以下、IS)フィールドセールス(以下、FS)が、SPEEDAのカスタマーサクセス(以下、CS)に出向することになった背景について教えてください。

中尾 太郎(以下「中尾」):
2023年1月から、MIMIR IS、FSから6人がSPEEDA CSに出向してくれています。MIMIRの機能がSPEEDAに含まれることになり、MIMIR単体での新規契約を停止したのを受けてのことです。今後の両者の組織融合を見据えて、MIMIR ISとFSが先行してSPEEDA CSに出向することになりました。
 
津田 義龍(以下「津田」):
MIMIR ISとFSがSPEEDA CSに加わり、データ・コンテンツ・MIMIRのナレッジ機能を含めたSPEEDAの新プランをお客様に対して提供することで、組織の成長を目指す融合を体現していこうという思惑もありました。

MIMIRのIS、FSのメンバーにとってはいきなりのCS業務だったわけですが、実際に数ヶ月間業務に携わってみていかがですか?

津田:
MIMIRから出向した6人のメンバーは今回の動きをポジティブに捉えています。中尾さんをはじめとするSPEEDA CSのメンバーが個性豊かないい人ばかりで、気遣いやフォローをきめ細かくしてくれたからですね。入りやすい雰囲気を醸成してくれました。
 
SPEEDAには機能がたくさんあるので、それを覚えることや、お客様に対してどんなユースケースを提示すればSPEEDAの導入を促進できるかの理解は、今後の課題として感じているところです。
 
そこはみんな大変な思いをしていますが、一方で、僕たちが担うナレッジの提案は、これまでMIMIRでやってきたことを活かせていると感じます。

SPEEDA CS Team 津田義龍
SPEEDAのプロダクト理解はどのように進めているんでしょうか。

津田:
大きくふたつありますね。ひとつは、SPEEDA CSのオンボーディング資料。動画やユースケース資料などがまとまっているので、それに目を通しています。もうひとつが、打ち合わせへの同席です。SPEEDA CSのメンバーが実際にお客様と打ち合わせしている現場に同席しながら理解を深めています。
 
中尾:
オンボーディング資料は、もともと中途入社の方向けに使っていたものだったんですが、それをMIMIR ISとFSの6人向けにつくり変えました。

プロダクトについてキャッチアップするうえで、一番苦労している部分はどこですか?

津田:
ユースケースが非常に多岐に渡るので、お客様に対してSPEEDAのどの機能を提案するかを選択する際に苦労しています。
 
オンボーディング資料のひとつにユースケースについての資料もあるんですが、たとえば同じ経営企画部でも、お客様ごとに取り組みが異なります。誰にどの機能を提案するかの紐づけは、個人的にも課題を感じているところです。
 
中尾:
確かにお客様1社ごと、担当者1人ひとりでさまざまな違いがあるので、そこは商談に同席することでキャッチアップにつなげてもらうことが重要だと思っています。

津田:
僕は2023年2月に商談デビューしましたが、実際にどんなことをしているか、何に困っているかをお客様に直接ヒアリングさせていただくことでユースケースも溜まっていきますし、自分の経験値も上がります。
 
こうしたお客様との対面の機会を後押ししてくれているので、スムーズなキャッチアップにつながっているのかなと思いますね。

SPEEDA CS Team 中尾太郎
新プランにはチケット(※)がアドオンされていますが、中にはSPEEDAだけを使いたいというお客様もいると思います。そこはどのようにカスタマーサクセスを行っているんでしょうか。

中尾:
確かにそうしたお客様は少なくありません。ただ、チケットが「お役に立てないわけがない」と思ってます。自分自身、経営企画を経験した立場からすると、これまでのSPEEDAから得られない情報のニーズも絶対にあると感じています。
 
SPEEDAがこれまでお客様にお届けしてきた公開情報(データとコンテンツ)を引き続きご活用いただくことはもちろんとして、公開情報に留まらない「専門家の知見」は事業の実行フェーズになればなるほど、より活かせる機会が増えてきます。そうした、データ・コンテンツ・ナレッジを組み合わせた「All in One Research(※)」はどの事業会社さんにもハマると思っているので、まずは一度試してもらう。その後で「使ってみていかがでしたか?」というご提案をしていますね。

チケット:エキスパートへのインタビューをはじめとする各種サービスを使うタイミングで消化していただくもの。

All in One Research:調査分析業務で求められる「情報収集 → 仮説構築 → 仮説検証 → 戦略立案 → 実行」といったフェーズの全てにおいてSPEEDAを有効的にご活用いただける世界観。

SPEEDA CSとMIMIR IS/FSが融合したことでどんなメリットを感じていますか?

中尾:
新プランになって、SPEEDA CSメンバーは初めてチケットの活用支援をしているわけですが、MIMIR ISとFSのメンバーからはお客様への提案方法などをシェアしてもらっています。
 
特に、2022年10月以降SPEEDAに入社したメンバーには、新プランの3つの良さ──データ・コンテンツ・ナレッジが浸透しきっていなかったんですが、MIMIR ISとFSのメンバーが「このお客様先にはこんなエキスパートがいるから、これで提案しにいきましょう」といったアドバイスをしてくれるので、しっかり価値訴求できています。

津田:
今後MIMIRとSPEEDAが組織融合していくに当たって、第一歩となるのが僕ら6人の出向メンバーだと思っているんです。
 
ユーザベースやSPEEDAのカルチャーをキャッチアップして、MIMIRの良さも伝えて、それを仕組みに反映したり文化を醸成したりしていく。やりがいもあるし、楽しく取り組んでいます。
 
CSの業務にはものすごく汎用性があると思っていて。たとえばSPEEDAの新規営業やプロダクト開発を担当することになったとしても、CSでインプットしたことってどこでも使えるなと思うんです。
 
そういった点でキャリア形成にはすごくいい機会だと感じますね。

対談風景

ユースケースの共有や勉強会などキャッチアップの機会は豊富

業務や働き方についても具体的にお聞きしたいんですが、お客様に提案するユースケースは日々どのように共有しているんですか?

津田:
やり方は大きくふたつあって、ひとつは週に1回30分ほどユースケースの共有会を開いています。実際の提案資料を使いながら、直近のお客様にどんな提案をしたか、何が刺さったかを共有する会ですね。
 
もうひとつは、お客様と打ち合わせしたあとに、Slack上でどんなお客様だったか、何が刺さったかをタイムリーに共有し、意見交換しています。
 
中尾:
あとは専門家の知見を活用する際に案件支援に入ってくれるAdvisory Teamからも、チケットの活用提案について定期的に勉強会形式でインプットしてもらっていますね。一緒に商談に入ってもらって、新プランとしてのCSには何が求められているのかを体験する機会もつくり、それを自分たちにどう取り入れられるかを考えたりしています。

なるほど。中には福岡県など遠方に住んでいるメンバーもいるそうですが、チームビルディングで気をつけていることはありますか?

中尾:
四半期に1回合宿(長時間のオフサイトミーティング)をしています。2023年は1月初旬に1回目を行ったんですが、現在のメンバーで合宿をするのは初めてだったので、「明日から気軽に話しかけられる状態」をゴールに置いて相互理解に時間を費やしました。
 
津田:
そうですね。お互いに過去恥ずかしかったこととか、自慢できることをさらけ出そうというワークグループをして、盛り上がりましたね。

中尾さん、津田さんともに入社は2021年で、ちょうどコロナ禍でした。コミュニケーションを取るうえで難しかったことはありましたか?

津田:
僕自身、最初のハードルになったのはオープンコミュニケーション(ユーザベースのカルチャーのひとつ)でした。前職ではChatworkを使っていましたが、DMでやり取りすることが多かったんですよ。ユーザベースは100〜200人いるようなチャンネルに投稿しなければいけなくて。
 
それこそ隣にいたら「これってどうやるんですか?」と気軽に聞けることでも、いざSlackに投稿しようとすると言葉を考えるのに時間をかけてしまったりとか。でもオープンコミュニケーションだからこそ、メンションした人からだけでなく、みんながフォローしてくれるんです。最初はやりづらさを感じていました。結果的にそれはいいことだなと気づけたので、今はすっかり馴染んでいますけど(笑)。

津田義龍

メンバーの目線を揃え、お客様の成功を信じて伴走できるチームに

SPEEDA CSとMIMIR IS/FSがうまく融合しつつあるというお話でしたが、現在課題に感じていることはありますか?

中尾:
MIMIR IS/FSのみなさんはCSとして入社してくれたわけではないので、出向してくれた6人のメンバーが今後どんなキャリアを描いていくか、一緒に考えなければと思っています。
 
津田:
そうですね。私自身はCSに職種が変わっても、これまでの経験を活かすことができると明確になったのでポジティブに感じていますが、中には自分のやりたいことと、求められていることと乖離がある人もいるかもしれません。メンバーのキャリア形成は、一緒に考えていきたいですね。
 
中尾:
いい経験だと思ってもらえている一方で、今後業務により深く携わっていくにつれて、自分ができることと価値発揮できると思っていることのギャップを感じるようになるかもしれません。
 
MIMIR ISとFSのメンバーにとっては目標設定のゴールの立て方も大きく変わることになります。コンピテンシー(評価基準)もまったく異なるので、SPEEDA CSのコンピテンシーを新しくつくり変えました。目標設定でも目線が揃って、何を頑張ってもらうのかが見えるようになったと思っています。

中尾太郎
今後どんなチームを目指していますか?

中尾:
お客様に対して、SPEEEDAの価値をもっと具体的に届けられる状態にしていきたいと考えています。
 
現状は、SPEEDAのよさであるデータとコンテンツとナレッジが融合しきれないまま、お客様に伝わってしまっているシーンもゼロではありません。これらがすべて融合された形で、お客様に対して具体でユースケースをシェアできるよう、お客様との対話を深めていきたいですね。
 
津田:
データ・コンテンツ・ナレッジを兼ね備えたSPEEDAは、どのお客様にも必ず刺さる部分があるはずで、お客様の事業成長に近づく手段になると僕は信じています。「カスタマーサクセス」という言葉の通り、お客様の成功を信じて提案できる力を、チームとして底上げしていきたいですよね。

そんなSPEEDA CSにはどんな人がフィットすると思いますか?

中尾:
シンプルに、経済情報に興味がある人。そのうえで、「おせっかい」な人ですね。お客様が「やりたい」ということに対して応えるだけでは、カスタマーサクセスってただの機能説明屋さんになってしまうんですよね。それならSPEEDAでなくてもいいんです。
 
「こんな使い方もできますよ」「他社ではこんな事例がありますよ」「こんな情報もどうですか?」というふうに、いい意味でおせっかいな人のほうが、お客様にも我々にとっても良い伴走者になり得ると思っています。
 
津田:
そうですね。付け加えるとすれば、「柔軟性」と「前向きさ」という要素は大事かなと思います。
 
今回の組織融合もそうですし、今後カスタマーサクセスのあり方も変わっていく可能性があるので、それらをいかに前向きに捉えて、いかに柔軟に組織の戦略や自分のやりたいことに組み込んで進められるか。それができる人はこの組織にすごく向いているのではないかと思います。
 
よくある言葉ですけど、「変化を一緒に楽しめる人」。プロダクトが大きく変わっていくということは、カスタマーサクセスも大きく変わっていくことを意味しています。変化だらけの環境なので、それを楽しみつつ一緒に取り組んでもらえる人にぜひ仲間になっていただきたいですね。

対談風景

編集後記

取材前、中尾さん・津田さんに想定質問を送ったところ、「MIMIRのCSがSPEEDAのCSに融合するんじゃなくて、ISとFSがCSに融合するんです」と言われ、「え???」とだいぶ混乱しました。本文にもありますが、IS・FSからCSへのキャリアチェンジ、かなり大きなことですよね。でも6人全員がポジティブにとらえている、と聞いてホッ。

SPEEDAとMIMIRが組織融合していく第一歩となる今回のチーム融合(出向)。今後どんな風に融合が進んでいくのか、私も楽しみです!

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執筆:宮原 智子 / 撮影:渡邊 大智 / 編集:筒井 智子
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