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子育ても仕事も諦めない、入社1年目の時間術──How’s Uzabase? ワーキングペアレント編(2/2)

子育ても仕事も諦めない、入社1年目の時間術──How’s Uzabase? ワーキングペアレント編(2/2)

メンバーが入社前後に感じたことからユーザベースの実態に迫る「How’s Uzabase?」シリーズ。ワーキングペアレントに焦点を当てたインタビューを、前後半に分けてお届けしています。

2021年1月入社の猪谷 祐貴(AlphaDrive所属・2児の父)と4月入社の後藤 優里絵(MIMIR所属・3児の母)は、転職・キャリアチェンジともに初挑戦。

後半で聞いたのは、転職してから1年の過ごし方。子育てをしながら新しい挑戦を始めた2人は、一体どんな体験をしたのでしょうか。

目次
猪谷プロフィール
後藤プロフィール

新しい環境とどのように向き合った?

猪谷さんが実際に1年働いてみて実感したことや、印象深かったエピソードを教えてください。

猪谷 祐貴(以下「猪谷」):
僕の場合、これまでのキャリアで「マルチタスクをしたことがなかった」ということに気づいたんです。AlphaDriveでの働き方に慣れるまでは大変だったけど、その分いろいろな示唆を得られました。

というのも、前職時代はずっとシングルタスクだったんですよ。研究所なら研究テーマが決まっているし、新規事業のプレイヤーの時はそのプロジェクトだけをやればいい。事務局でも、事務局業務だけをやっていました。

それがAlphaDriveに入ってからは、複数のクライアントを同時並行で支援するスタイル。今までは「一球入魂」でやっていたところ、マルチタスクに変わったんです。仕事のバランスを見極めるのが最初は難しかったし、「自分はあんまり得意じゃないな」と気づきましたね。

この1年で、困難な局面にぶつかった経験はありますか?

猪谷:
しんどかったのは、入社して9ヶ月が経った2021年9月から12月ごろですね。

入社してから半年ぐらいは、本当に文字通りの見習いでした。それが7月ぐらいからは独り立ちの期間に入って、自分で営業して案件を取り、イチから伴走するようになりました。すると受注できたタイミングが9月・10月ですべて重なり、プロジェクト4件を同時進行することになったんです。

すべてのクライアントさまが同じような日程で進行するなかで、やり切れるようにスケジューリングして……プロジェクトが開始してからは、4社同時対応がしんどいと感じる場面も多かったですね。

それはどうやって克服したんですか?

猪谷:
「量に埋もれる」ことで少しずつ慣れました。最初はすごく非効率ですし、うまくいかないのは当たり前。「最初はうまくいかなくても、いずれできるようになるだろう」という変な期待を持っていましたね。もちろん、自分で「失敗だ」と気づいたことには、きちんと反省もしながら業務を進めていました。

あと、致命的なことはやらかさないように心掛けながら模索しました。とりあえずギリギリまでやってみて、ひどく怒られることになったら、まぁしょうがないという(笑)。結果的に大きな失敗はなかったので良かったです。

後藤さんの思い出深いエピソードも教えてください。

後藤 優里絵(以下「後藤」):
私は大変だった時期が2回ありました。1回目は入社してすぐ、2回目は2022年の年明けからの3ヶ月ですね。

1回目のタイミングで大変だったのは、「数字が生まれない恐怖」との向き合い方。前職で取り組んでいた研究開発やマーケティングは、何かをつくったり、分析したものを展開していく仕事でした。一方、今の業務はエキスパートの紹介を通じて数字をつくっていく仕事。数字にコミットする立場になったことで、初めての感情と向き合うことになりました。

私が担当するリサーチ業務は、お客さまにフィットしたエキスパートを紹介し、インタビューやサーベイといった「成約」を創出することがゴールです。研修が終わった後は実案件に対応していったのですが、私の場合は全然成約が決まらなかったんです。入社同期のメンバーや、周囲の方と比べても遅くて……。

初めて自分自身が数字にコミットしなければならない立場になってから、結果が出るまでの数ヶ月は、数字を出せないことがすごく怖かったです。あまり表情や態度に出さないように心がけていたんですが、おそらく焦りがにじみ出ていたと思います。

2回目はどんな状況でしたか?

後藤:
初めて経験するMIMIRの繁忙期と、新型コロナの感染拡大が同時に来ました。ちょうど休園・休校が重なって、1月と2月は子供3人が常に家にいる状況だったんです。家で仕事をしながら子どもの面倒を見るのは、予想以上の大変さでしたね。

3月になると休園・休校は終わったのですが、今度は繁忙期のピークが来ました。この時ばかりは「本当にヤバい」としか言い表せない状況になったんです(苦笑)。それまでと比べ物にならない業務量で、何をどうやって生活していたか覚えていないくらい。ただ、3月の波をみんなで乗り切った結果、「リサーチ担当の採用を強化しよう」という意思決定がされたので、それはよかったです。

子育てと仕事、学びを両立する方法

ご家族との時間のバランスや、仕事とプライベートの折り合いはどのようにとっていますか?

猪谷:
私の場合は入社してすぐ、24時間を「家族の時間・自分1人の時間・仕事の時間」の3つに分けて予定を組むことにしました。自由な働き方をするなかで家族の時間を捻出しようとすると、昼間は仕事量をセーブして、夜にガーッと働いた方がいいと思っていたんです。頭の中を整理する過程で、こういう考え方に至りましたね。

自分にとって一番大事なのは家族なので、まずは一緒に過ごす時間を優先的に確保しました。残りは1人になる時間と仕事の時間になるわけですが、その2つは言ってしまえば自己実現に関する時間。だから仕事が楽しかったらひとりになる時間を0にすればいいし、仕事がしんどくなったら自分ひとりの時間を増やせばいいと考えるようになりました。

この1年、ひとりの時間はどれくらい取れましたか?

仕事に恵まれていたので、あまり取れないまま走り抜けてきましたね。では、自分のための学習時間は足りないか? と言われたら、そうでもない。というのも、業務を通じて学ぶことが多いんですよね。

社内メンバーとお客様に接するとき、それぞれのシーンで学びだらけです。仕事自体で学びが本当に多いので、学習時間不足は感じていません。最初の1年間は業務から実践的に学べましたし、今は時間を見つけて仕事以外のことに取り組む余裕も出てきました。

今振り返ると、忙しすぎて心に余裕がない時期もありましたが、「どんなに大変でも家族との時間だけは守ろう」と頑張っていましたね。

その時期は家族も協力してくれました。妻が土曜日の朝に「少し昼寝する?」と気遣ってくれたり。そうやって体力を回復させながら大変な時期を乗り越え、今があります。

猪谷ファミリー

猪谷ファミリー

後藤さんはいかがですか?

後藤:
さっき猪谷さんが言っていた軸でいくと、私自身は最初から2つ──仕事の時間と家族の時間に分けています。ある一定は自分の時間をつくりたいとは思ったんですが、子どもが寝た後しかチャンスがない、というのが実際のところ。そこまで体力が持つかどうかもわからないし、私にとってマストの時間ではなかったので外しました。

さらにこの2つの時間をどのように過ごすか。それこそ、昼に家族の時間を持ってくるのか? 夕方以降にするのか? という調整が柔軟にできるのは、MIMIRに入ってよかったことのひとつですね。

たとえば、子どもの保育園が休園になったとき。お子さんがいる家庭はどこもこんな状況だったとは思うのですが──昼の時間は子どもが家にいて、かつ元気で、でも外には出せないという、三重苦のような状況になってしまいました。それでも夜更かしをさせるのはよろしくないので、なるべく昼間に楽しいことや体力を消耗することをしなきゃいけない状況だったんです。

MIMIRなら、日中の時間帯にやらなければならないお客さまや社内との約束はこなしつつ、「今日中に期限を迎えるけど、今はやらなくていいこと」を夜に回すことができます。前職は夜間の稼働を良しとしない環境だったことを思うと、イレギュラーな調整も個人の判断でできることはありがたかったですね。

後藤ファミリー

後藤ファミリー

後藤:
「新しい学び」という観点で言うと、MIMIRの業務は日々の案件対応自体が常に学びです。同じ自動車業界へのリクエストでも、「自動車の今後の成長について」という抽象的なものから、聞いたこともないような素材の活用方法に関するニッチなものまで、幅広いニーズがあります。こうしたリクエストにマッチするエキスパートを探しにいくこと自体が、もはや学びなんですよ。

ある程度経験を積むと「このキーワードで調べたらヒットする」とか、「この会社が対応しているはずだ」と、ある程度勘所がつかめるタイミングが来ます。そうなったら、少し隣の業界に足を伸ばすことができるんです。

私の場合は自動車業界から始めて、産業機械やロボット、さらにはエネルギーといった領域まで担当するようになりました。自分の得意な領域を広げることによって、常に学びのチャンスがあるんですよね。仕事をしながら学べるので、改めて時間を取らなくても、業務以外の学びが常にできる環境です。

2年目の目標

「2年目の目標」を教えてください。

猪谷:
前提として、AlphaDriveはユーザベースグループに所属しています。大企業に対する新規事業支援において、「ユーザベースのアセットが使い放題」という大きな強みを活かす動きをしていきたいです。

たとえばクライアントから専門領域の人に話を聞きたいと言われたらMIMIRのエキスパートリサーチを使うし、市場を調べたいとなればSPEEDAを紹介できる。グループのアセットを、もっと滑らかにつなぐ役割を担えるようになりたいんですよね。そのためにも、今年はユーザベースが提供するプロダクト群について、もっと理解を深めたいと思っています。

ワーク・ライフ・バランスにおける目標は、徐々に「1人になる時間」を増やすこと。仕事での学びが多いとはいえ、客観的に見るとそれはOJTのようなものです。個人の強みを見つけるために何に取り組むべきかを考え、実行する時間が必要になってくると思います。そのために、スケジュール調整をうまくできるようになりたいですね。

後藤:
目標の1つめは、自分の専門領域をどう拡張していくかを見定めることです。自動車業界に10年弱身を置いていたこともあって、1年目は「まずこの領域をしっかりやり切ろう」という想いでした。2年目に差しかかって、もう少し領域を広げるのか、それとも専門性を深めるのか、試行錯誤中です。

どちらの道を進むにせよ、周囲のメンバーが困ったときに「後藤さんに聞けばなんとかなる」「あの人に聞けば大丈夫」というような立ち位置をきちんと確立できるくらい、いろんなことを勉強していきたいと思っています。

もうひとつの目標は、チームメンバーが増えていくことを見越して、みんなが仕事をしやすい環境をつくっていくこと。

リサーチ業務に新しく入ってくるメンバーのなかには、「ママ」というバックグラウンドを持っている方が比較的多いです。彼女たちが仕事もプライベートも諦めないで満足に過ごせる環境をつくったり、自分が実践したりすることで、みんなの働きやすさを切り拓く役割を担いたいと思っています。

私の性格的にも「どちらかを犠牲にする」ということはできません。仕事と家族はどちらも諦めないし、この方針は誰にも譲らない。そういう人生の過ごし方を、MIMIRで実践し続けたいと思います。

編集後記

子育ても仕事も前向きに捉え、イキイキと新しいチャレンジを続ける2人の話には勇気をもらいました。特に「家族との時間は絶対に諦めない」という姿勢は、家族と仕事の両方を愛するからこそ生まれる発想ですよね。

今回紹介した2人のように、時に迷いながらも「より良い生き方」を探求し続けるメンバーばかりが所属するユーザベース。会社とメンバーが一体となって、気持ちよく・楽しく働ける方法を日々模索しています。今回ご紹介したリアルなエピソードが、あなたの人生におけるインスピレーションにつながっていたら嬉しいです。

執筆:髙田 綾佳 / 編集:近藤 里衣 / デザイン:片山 亜弥
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