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お客様の課題とWILLにとことん向き合い協業を科学する──UNIDGE オープンイノベーションリード

2023/12/21

お客様の課題とWILLにとことん向き合い協業を科学する──UNIDGE オープンイノベーションリード

ユーザベースの新規事業育成プログラム「think beyond 2020」 で準グランプリを獲得し、2022年1月にAlphaDriveの子会社として法人化した「UNIDGE(ユニッジ)」。企業のオープンイノベーション支援とスタートアップ支援を主軸に事業を展開しています。
プロジェクトマネージャーとして案件の獲得からクライアントへのサービス提供まで一気通貫で行うメンバーの近藤駿人に、チームの業務や強み、今後の挑戦について聞きました。

近藤 駿人

近藤 駿人Hayato Kondoプロジェクトマネージャー

大学卒業後、繊維専門商社の豊島株式会社に入社。IT部門でアパレル製品のサプライチェーンの効率化や社内の業務改善支援に従...

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目次

オープンイノベーション支援に、協業の選択肢を

はじめにUNIDGEの事業内容から教えてください。

近藤 駿人(以下「近藤」):
私たちUNIDGEは、協業による新規事業開発や生産性向上、販路拡大など、いわゆるオープンイノベーションを目指す企業様に対し、制度設計や協業先マッチングなどによる伴走支援を行っています。

近年多くの企業がオープンイノベーションに取り組んでいるのですが、その多くがあまりうまくいっていない現状があります。

理由としては、そもそもオープンイノベーションに取り組む以前に、その会社自体に新規事業を目指せる仕組みや組織風土が醸成されてないことが挙げられます。そのため、まずはそのあたりの制度設計をお手伝いするところから、私たちのサービスは始まります。

その後は「こんな事業をやりたい」という企業の方々のアイデアを一緒に磨き上げ、事業案をつくっていきます。この段階で出てくる「その企業のアセットやノウハウだけではやりたい事業が実現できない」という課題に対して、協業先の探索・マッチングを行うのがUNIDGEの特徴です。

協業先が決まってからも、メンタリングを継続しながら事業化されるところまで伴走します。以上が大まかな業務の流れです。

近藤さんはどんなところに魅力を感じてUNIDGEに入社したんですか?

近藤:
前職ではCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)という、大企業がスタートアップに出資をして、それこそオープンイノベーション的な形で新しい事業をつくっていくのを支援する仕事をしていたんです。

これが先ほども言ったように全然うまくいかなくて。CVCで起こりがちなことかもしれませんが、出資だけしてその後はスタートアップにお任せ状態になることも多かったんですね。

スタートアップと関わって事業をつくっていくことで僕自身すごく成長できたし、スタートアップ側も出資を受けて新たなチャレンジに繋がっていたので、CVCという取り組み自体は素晴らしいと思っていました。だから余計にビジネスとしてうまくいっていないことに対して、とても悔しい気持ちがあって。

そんな時にUNIDGEからスカウトメールをもらったんです。正直それまでUNIDGEの存在は知らなかったんですけど、麻生さん(麻生 要一/UNIDGE 代表取締役)の本を読んで「こんなに素晴らしいオープンイノベーション支援の方法があったのか!」と感動して、やってみようと思いました。

そんな経緯で入ったUNIDGEで、やりがいを感じるのはどんなときですか?

近藤:
やはり一番は、担当した案件がちゃんと事業化されたときですね。この仕事をしていると、支援中の段階から企業の方に「助かりました」とか「すごく勉強になりました」とか言っていただくことも多い。でも僕としては、新規事業を生み出すところまでいかないと、価値を発揮したことにならないと考えています。

だから無事に事業化できて、起案者や事務局の方々が喜んでいる姿を見ることが、何よりも嬉しいです。

あとは、大きい組織になればなるほど業務って細分化されていくと思うんですが、当社では案件の獲得からクライアントへのサービス提供まで一気通貫でひとりが行っています。案件担当者として、最初から最後まで主体的に関われるという意味でもやりがいはありますね。もちろん大変さもありますが(笑)。

入社して1年2ヶ月、様々な経験を積んで自身にはどんな成長がありましたか?

近藤:
今話したように営業からデリバリー(プロジェクト遂行)まで全てを担うので、ビジネスパーソンとしての総合力は上がったと思います。

たとえば営業力は確実に身に付いたし、新規事業開発の力も付きました。他にもデザインとかプロジェクトマネジメント能力とか、幅広い業務を担当することで多くのスキルが身に付いたと思います。

前職では経営企画のような部署にいたんですけど、僕が担っていたのはビジネスフロー上の一部の業務だけでした。その経験もすごくためになったと思ってるんですけど、今はより会社全体の仕組みや機能みたいなことを理解しながら、事業全体を学べている感覚があります。

特に印象に残っている案件はありますか?

近藤:
自分自身で提案した案件で、蒲田西口商店街の活性化プロジェクト「サンイノベーション蒲田」です。東京都が「未来を創る商店街支援事業」というものを行っていて、そこの支援先に選ばれた商店街のひとつが蒲田西口商店街です。

商店街に入っている個店の事業開発や課題解決へのチャレンジに必要な、資源・技術・ノウハウなどを持ったスタートアップをマッチングさせることで、商店街の枠を超えた新たなビジネス展開を生み出し、商店街全体の活性化を目指しています。

今年4月からプロジェクトを開始し、テーマを考えたり協業先を募集するLP(ランディングページ)をつくったりしてきました。現時点で40件以上のスタートアップが応募してくれています。まだ協業先決定前ですが、すでに面白いことが起こりそうな予感がしていて、すごくワクワクしています。

顧客ファーストなメンバーたち

UNIDGEにはどんなメンバーがいますか?

近藤:
性格的にも出身業界的にもいろんな人がいるんですが、共通しているのは目の前のお客様にまっすぐ向き合う人たちということですね。目線が社内ではなくお客様に向いているというか、仮に社内でコンフリクションが起きたとしても、「お客様のことを一番理解しているのは自分だから」と言えるメンバーばかりです。

お客様とはどれくらいの頻度でコミュニケーションを取っていますか?

近藤:
私の場合、担当しているお客様が5社ほどあります。顧客企業内の事務局の方や起案者の方とは、お互いの進捗確認やメンタリングなどのため、ほぼ毎日何かしらの会話をしていますね。やり取りはほぼオンラインです。

社内で他チームの方とのコミュニケーションも多いですか?

近藤:
クリエイティブチームのメンバーとはよく話しますね。それこそLPをつくるときなどは、どんなテーマにしようとか、どういう見せ方にしようとか、デザインを決めるための会話が増えます。あと契約書の作成も行うので、法務とも話すし結構いろんな部署の方と関わっています。

多方面にコミュニケーションを取る上で心がけていることはありますか?

近藤:
リモートワークに加えみんな忙しいので、気をつけていないと淡白なコミュニケーションになりがちなんですよね。それが誤解に繋がることもあると思うので、時間がなくても自分の気持ちや意思決定の背景などをしっかり伝えられるようには心がけています。

事業を成功させる支援を続ける

チームとして目指していることはありますか?

近藤:
やっぱりマッチングだけで終わらないということですね。会社として「協業を科学する」と掲げてるように、出会うところで終わりではなく事業化・収益化するところまでしっかりと支援するのがUNIDGEの目的であり、存在意義だと思っています。

どうすれば事業がちゃんと回っていくのかを検証し、それを再現性あるものにしていくというのが、唯一最大の目標です。

僕個人としては、とにかく事業化の実績を積み上げていくことを目指しています。まだまだ支援している案件数も少ないと思っています。これから自分が支援した案件がしっかり事業化されて、お客様も協業先も「挑戦してよかった」と思っていただける事例をたくさんつくっていきたいです。

オープンイノベーションの提案ってすごく難しそうなんですが、何か心がけていることはありますか?

近藤:
繰り返しになるかもしれないですが、お客様にしっかり向き合うスタンスを常に忘れないことですね。この仕事には決まった型が無いという話をしましたが、とは言え慣れてくると「このケースならこれくらいのプログラムでいいか」みたいなものが見えてきて、忙しいときはついついそういう提案をしがちなんですよ。

そんなときでもしっかりお客様の話を聞いて、何が課題なのかを踏まえたうえで、そのお客様に寄り添った提案をすることが最も重要だと思います。

近藤さんはUNIDGEが採用した最初のメンバーなんですよね。これからどんな仲間を増やしたいですか?

近藤:
「スタートアップとの関係性づくり」の部分で活躍していただけるメンバーが増えると嬉しいですね。

今スタートアップとは、INITIALというユーザベースグループのアセットを活用し、接点自体は多いです。でも、出会うことができた1つひとつのスタートアップと強い繋がりがあるかというと、実はまだまだで。実際に事業を協業するためには、スタートアップとの強い繋がりが重要になってくるので、ここはぜひ強化したいと思っています。

UNIDGEだからこそ経験できるキャリアというのはどんなものでしょうか。

近藤:
ユーザベースって、グループ全体のアセットだけで何でもできてしまうくらいの組織だと思うんです。たとえば僕たちも協業先を探すのにINITIALやSPEEDAを活用していますし、NewsPicksのイベントにも出展させてもらっています。

そういう恩恵を得つつ、働き方としては僕たちもスタートアップのように全ての業務に一貫して携わることができるので、大企業とスタートアップからいいとこ取りしたキャリアを経験できるのではないでしょうか。

UNIDGE自体まだできたばかりで整備されていない点も多く、大変なこともありますが、それ以上に創業期ならではのわくわくや面白さが盛りだくさんです。新しいメンバーをこれからたくさん迎えて、一緒にUNIDGEを大きくしていけると嬉しいなと思っています。

編集後記

2022年の9月に、UNIDGEのメンバーとして初採用された「第一号社員」の近藤さん。1人でプロジェクトの案件獲得からサービス提供まで、力強く推し進めている話を聞いて「入社してまだ1年ちょっとなのに!」と驚きました業務を語っているとき「ほんと大変なんですけどね(笑)」と時々言いながらも、日々の充実からなのか、どこか楽しそうな姿が印象的なインタビューでした!(杉尾)

執筆:見広 健太郎 / 撮影:井上 秀平 / 編集:杉尾 美幸・筒井 智子
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