なぜユーザベースグループに転職しようと思ったんですか?
前職のビービットも大好きだったんですが、入社して10年が経ち、そろそろ次のチャレンジをしてみたいと転職を決めました。転職先を探す軸は、性善説的な経営をしていて、かつ事業としてもちゃんと成長している会社。
一生成長し続けたい、時代の先端にいたいと思っており、そのうえで「性善説の経営と言い切れる会社はありますか?」と転職エージェントに聞いて紹介されたのが、ユーザベースだったんです。
何社か紹介され、かつ元同僚からも声をかけてもらって、数社の選考を受けました。最終的にユーザベース決めたのは、「人」です。選考フェーズで出会った人全員が優秀で熱意のある人たちだったんですよ。面接で質問すると、すぐに答えが返ってくる──転職者は抽象的な質問をしがちですが、それでもちゃんと答えてくれたんですね。
すぐ答えられるのは、頭の回転が早く、かつ普段からちゃんと考えているからだと思うんですよ。会った人全員が、「西脇くんが良いと思うか分からないけど、僕はこう思う」って自分の意見をすぐ返してくれて。
面接では最初に佐久間さん(佐久間 衡/現 B2B SaaS Company代表)に会って、田口さん(田口 槙吾/現FORCAS 執行役員CCO)、瀬木さん(瀬木 桃子/現FORCAS カスタマーサクセス)と会いました。佐久間さんとの面接で、無表情に「なんかもっと面白い質問ないの?」と言われて、絶対に落ちたな……と思ったんですが(笑)、縁あって入社できました。
現在の仕事内容と、仕事でワクワクしていることを教えてください。
今年1月にSPEEDA、FORCAS、INITIALが統合したB2B SaaS Companyができて、今はそのMarketing & Brandingチームのリーダーをやっています。でも実はこれまで組織図上で異動しまくっているんですよ。内定が出たのはカスタマーサクセスチームだけど、入社前にセールスに異動することになって(笑)、インサイドセールス(IS)をやっていた時期もあります。
入社時に自分の弱みやコンプレックスを聞かれ、いろいろやったことはあるけれど、全部70点くらいだと答えたんですね。Webコンサルをやってきたけど、マーケティングをちゃんとやったことがあるわけではない。営業は周りに得意な人があまりいなかったので、たまたま成果が残せただけだし、ISの立ち上げも手探り。しかも何かの職種に強いwillがあるわけでもない……。
そう言ったら、田口さんが「すっごくいいじゃん! 何でもできるってことでしょ!?」って言ってくれたんですよ。目からウロコでした(笑)。
今は仕事内容や体制が常に変わり続けていて、毎日がチャレンジングな環境にいることにワクワクしています。すでに300人以上集客している、かつ1週間後に迫った大型イベントがあったんですが、新型コロナの影響でオフラインでの開催が難しい事態になったとき、1週間でオンラインに切り替えてやり切ったんですね。
その1ヶ月後には2000人を集めて、オンライン展示会を初めて開催。さらに翌週には緊急事態宣言が出て、オフィスに集まってセミナーを配信するのも難しくなったので、「H2H(Home to Home)セミナー」をスタート。H2Hセミナーはこれまで50〜60回開催し、述べ100人くらいの方に出演いただいています。
施策が成功しても、そこで止まらないどころか、翌週には全然別のことを進めているような状態なんです。常に変化しているので大変なことも多いですが、「西脇が何とかしてくれるでしょ」と思われるのは嬉しいですね。
人の強みを見抜いて、それを活かせる仕事に抜擢するリーダーに憧れますが、僕はあまり得意ではなくて……実態としては、ジェネラリストである自分がみんなの弱みを補うことで、メンバーそれぞれが自分の強みに集中できるようにしています。
何かにつまづいているなら助けたいし、もっと刺激がほしいなら仕事をどんどん任せる──だから才能があるけど凸凹が激しいメンバーほど好物ですね(笑)。今のチームは社員7人とインターンで構成されているんですが、毎回1on1が楽しみで仕方なくて。言葉にすると照れますが、一緒に働くメンバーが大好きなんです。
ユーザーの皆さんと、直接的な関係を築けているのも嬉しいですね。一般的には営業やCSが窓口になっていますが、僕らマーケティング担当が直接ユーザーとやり取りしているんですよ。例えば「来週こういうセミナーをやりたいんですが、空いていますか?」ってセミナー登壇の打診できる。これは営業やCSのメンバーから信頼されている証だと思います。
僕はセールスやCSもやっていたので、もともとユーザーとの接点はありましたが、SPEEDAのマーケティングは、組織統合した当初、まだユーザーさんとの直接の接点は少なかったんですね。そこから信頼を得て、直接やり取りできるようになって。
マーケティング担当が直接お客様とつながって、セミナーや事例紹介に出ていただけるようになった――誰のために仕事をしているのか? が明確に分かる、実際にお客様の顔が見えるのは、すごく良い働き方だと考えています。
仕事で忘れられないエピソードはありますか?
たくさんありますが、オープンコミュニケーションを感じた田口さんとのエピソードかな。僕は2018年8月にセールスで入社したんですが、初受注は10月でだいぶ苦戦したんですね。
SlackのFORCAS全体チャンネルで、田口さんから毎週「先週、何で有効商談数が未達なんですか?」って投稿がバンバン来て、受注できていない負い目もあって萎縮してしまって……。
前職では「褒めるのは大勢の前、ダメ出しは個別に」と教えられてきたので、かなりビビっていました。でも、このままじゃダメだと思って、意を決して「Slackの返事が遅れたのは、田口さんが怖すぎるからです」って送ったんですよ。そうしたら、即「ごめん! 俺、よく怖いって言われるんだけど、全然怒っていないから! 1on1組んで!」って返事がきて。
直接話してみると、田口さんは怒っているわけではなく「未達の理由が知りたい。必要ならサポートしたい」と思っていただけだったことが分かって。叱責と感じたのは、僕に受注できていない負い目があったからなんですね。この感覚を理解してからはスムーズに受注できるようになったんですが、慣れるまで3ヶ月くらいかかりました。
振り返ってみて、すごく良かったなと思うのは「ぶっちゃけ怖いです」って言ったら、すぐに話す場を作ってくれたこと。その1on1で「実は他のメンバーからも言われていて、悩んでいるんだよね。西脇くんだったら、こういうときにどう返事するの?」って逆に相談されて。
この1on1以降、田口さんのことが怖くなくなったし、コトに向かってオープンに会話するメリットを感じ始めました。スタートアップには慣れているつもりでしたが、オープンコミュニケーションが浸透しているユーザベースは圧倒的に意思決定のスピードが早いと感じます。
The 7 Valuesの中で、一番好きなバリューは何ですか?
全部好きなんですが、やっぱり「自由主義で行こう」かな。コミットが高く、根が善な人しかいないからこそ成り立つバリューだと思うので。僕の入社理由が、まさにこれなんです。
働き方が本当に自由で、新型コロナが流行る前からも「今日はリモート(勤務)です」「はーい」みたいな、何時に何をしていようと自由なんですよ。これって、僕が言う「熱意」に近いのかもしれませんが、勤怠を登録する際、1人でも嘘をつく人がいたら崩壊してしまうはず。そういう人は本当にいないんです。
入社したばかりの頃、子どもが熱を出したとき、奥さんが迎えに行けないことがあって「早く帰ります。ごめんなさい!」ってSlackに投稿したら、佐久間さんから「こういうとき、わざわざ謝らなくていいよ」ってサラッと言ってくれて。しかも女性陣からは「神」ってスタンプがたくさん付いて……トップ自らがそう言ってくれたのも含め、すごく嬉しい驚きでした。

今後挑戦したいことは?
今がすごく楽しいので、正直ないんですよね(笑)。強いて言えば、変化し続ける新しい組織づくりは面白そうだなと思っています。1月にマーケティングを統合して、プロダクトが複数ある状態なんですが、スキルセットとしてはオンライン・オフラインマーケで分けたほうが良くて。どっちを軸にするかで、組織の在り方は変わると思うんですよ。それをどう作っていくか。
あとは先ほども話した通り、メンバーみんなが、それぞれの才能を発揮できる状態を作り続けたいですね。多様なメンバーがいる中で、僕の存在によって補完関係が作れればいいなって。
特に何がしたいわけではなく、入社動機だった「一生成長し続けたい」×「熱意のある優秀な人と仕事がしたい」が満たされた状態を、さらに磨き込んでいきたいと考えています。僕らのチームに与えられた目標はかなり高いので、変わり続けない限り達成できないんです。だからこそ、チャレンジしがいがあると思っています。
本記事に登場するメンバーの中には、すでに退職・退任しているメンバーも含まれます(役職・所属組織名は当時)