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「事業の未来をつくる経理でありたい」──正確さとスピード感の両立を目指す、ユーザベースの経理チーム

「事業の未来をつくる経理でありたい」──正確さとスピード感の両立を目指す、ユーザベースの経理チーム

ユーザベースのコーポレート部門は「今と明日の経営を加速させる」をミッションに掲げ、SPEEDAやNewsPicksなどの成長を続ける事業を支えています。「正確さ」が重要なAccounting & Tax(経理)チームも、常に「スピード」を重視しています。
なぜ正確かつスピード感が必要なのか、ユーザベースならではのやりがいや難しさについて、同チームマネージャーの久保華子が語ります。

久保 華子

久保 華子HANAKO KUBOAccounting & Tax チームマネージャー

ソニーグループで経理キャリアをスタート。2000年より医療情報サービスを提供するエムスリー株式会社で、会社立上フェーズ...

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目次
Corporate 久保華子

スピーディに決算を締め、事業のスピードを落とさない

久保さんはチームリーダーになった直後、メンバーに向けて「所信表明」をしたそうですね。どんなチームにしたいと考えていますか?

久保 華子(以下「久保」):
ちょっと恥ずかしいですが「経営陣に安心感を与え、経営陣に攻めの会計処理を提案できる、強くて、安定感のある、スピーディーで、プロ意識の高いチームになりたい」とメンバーには伝えています。

ユーザベースの経理は、過去を正しく集計して締めるだけでなく、「事業の未来をつくるための経理」だと考えています。

「事業の未来をつくる」?

久保:
そもそも経理は「終わったことを締める」ものですよね。事業は締めた数字に基づいて、次の行動に移るわけです。

たとえば、締めた月の売上が10%未達だったとします。それが翌月15日にわかるのと、締まった翌日にわかるのとでは、施策を回せる期間が全然変わりますよね。

いかに早く次の行動に移せるかが大切で、その意味も込めて所信表明にも「スピーディ」という言葉を入れました。もちろん締まった数字が正確なのが大前提。間違った数字に基づいて判断してしまうと、打ち手の方向性まで間違った方向に行ってしまいますから。

私たち経理が締めた数字に基づいて、経営陣や事業側は「事業の未来をつくる」ための行動を起こすので、正しい数字をいかに早くレポートするかを常に意識しています。

そう考えるようになったキッカケがあったんですか?

久保:
前職の経験ですね。前職は締め日に売上や営業利益などの数字を、速報として経営会議の参加者にメールしていました。そうすると30分くらいで社長から返事が来るんですよ。

「これは何の数字?」って質問されると「しまった、レポートが足りなかったな」と思うし、経営メンバーからも「何で売上がこうなったの?」など次々にメール内でやり取りが始まるんです。それを見て「今月も無事に締まって良かったな」とやりがいを感じていたんですね。ユーザベースも、改善点はまだありますが、非常に似ていると思います。

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経営者と近い距離で、提案や意見が求められる環境

経営陣や事業サイドとの距離は近いですよね。

久保:
そうそう。距離が近いだけでなく、判断や意見を求められるケースも多いのが特徴だと思います。

たとえば、あるプロジェクトで経理に相談がきた場合、費用がこれだけかかりますよと伝え、やるかやらないかは相手に判断してもらうのが普通だと思うんですね。でもユーザベースの経理は「こういう契約内容にしてくれれば、損益はこういう風に見えますよ」と提案できます。

経営メンバーから「こういうことをやりたい」と直接言われるし、それに対して自分事として返せる環境ですね。各事業の管理部門メンバーだけでなく、さまざまな職種の担当者ともよく話します。社内を歩いていると、いろいろな人に呼び止められて「あの件なんだけど……」と相談されるので、なかなか席に戻れないメンバーもいます(笑)。

なるほど(笑)。Accounting & Taxって普段から受け身だけではなく、提案も含めて事業側とコミュニケーションされてる印象があります。

久保:
所信表明でも「攻めの会計処理を提案できるチームにしたい」って言っているくらいですから(笑)。会計処理にはいろいろなやり方があって、例えば企業を買収する際でも会計の方針をこちらから提案できる環境なんです。

そこまでやれると面白いですよね。

久保:
そうそう。

ベンチャーで働く一番の面白さは、経営者や事業部と非常に近い距離で働けることだと思うんですね。ベンチャーとはいえ、ユーザベースは上場もしているし、海外にグループ会社もあります。Quartzを含めると日本国籍以外のメンバーは全体の約4割、海外の売上比率は約3割(2019年度実績)を占めます。スキルやタイミングにもよりますが、グループ会社の決算を1人でやってみたい、海外法人の経理にチャレンジしてみたいなど、いろいろなチャンスもあるので、手前味噌ですが、すごく面白いフェーズなのかなと思っています。

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全員が改善意識を持ち、誰でも提案できる

そもそも久保さんは、なぜユーザベースに入ろうと思ったんですか?

久保:
先ほど述べた経営・事業との距離の近さや、大手企業にありがちな縦割り感がなく、経理の全フローに携われそうだなと思ったのが大きいですね。創業以来右肩上がりに成長を続けつつ、海外展開も含め、会社とともに自分自身も成長できそうだと思ったのも理由のひとつです。

実際に入ってみてどうですか?

久保:
正直に言うと、最初の印象は「カオス」でした。業務量に比較して人数が足りないこともあり、チームとしてもメンバーそれぞれのスキル的にも、ある意味成長できる余地がたくさんあると感じました。

例えば、私から見てフローがちょっと煩雑になっているなと感じたところは、手を挙げて指摘できます。社歴や役職に関わりなく、みんなが改善する意識を持っているし、提案すると全員耳を傾けてくれて、改善していけるんです。

大企業で経理システムを変えるとなると、承認にも時間がかかるし、大変ですよね。

久保:
それが全然ないのは良いところだと思います。

普段の業務では、各事業をメンバーそれぞれが担当していますが、チーム全体で管理はしていません。ユーザベース全体が信じて任せるカルチャーなので、ちゃんと結果を出していれば何も言われない。いわゆるマイクロマネジメント的なことは一切ないですね。

改善の提案は普段の会話でしているんですか?

久保:
雑談ベースでも定例ミーティングでもしますよ。あとは不定期にやっている合宿で、お互いの持っている課題感をすり合わせて、次にどうつなげていくかを話し合うこともあります。

前職にはなかったので、最初は「合宿」って何だろうと思いました(笑)。毎回テーマは異なりますが、少なくとも半年に1回、チーム全員でオフィスから離れた場所で、丸一日かけてディスカッションする機会を設けていて、それを合宿と呼んでいます。これまでの合宿では、お互いを知るためのワークをやったり、人事評価の基準になるコンピテンシークライテリアを見直したりしてきました。

いずれにせよ、日常的にみんな業務を改善する意識を持っているし、それを提案しやすい環境なので、入社したばかりの頃も発言のしにくさは一切感じませんでした。

Corporate 久保華子

1年で3年分の経験が積める

ユーザベースが大切にしている7つのバリュー(現「The 7 Values」)のひとつに「自由主義でいこう」があります。これは同時に「自由と責任はセット」という姿勢が求められますよね。経理チームも裁量が大きい分、責任感も問われると思います。

久保:
プロ意識の高さは当然求められます。私が考えるプロ意識とは「つくった数字に責任を負う」こと。「何で業務委託費がこんなに増えているのか?」と聞かれたら即答できるくらい、自分事として捉えてほしい。

今後おそらく近い将来に、IFRS(国際会計基準)の導入や、海外での上場なども検討することになると思うんですね。正直なところ、今はそんな余裕はないけれど、ユーザベースの未来を考えたらチャレンジすべきです。それを楽しんでやれるチームになりたいなと思っていて。

海外にもチャレンジできるわけですよね。キャリアパスについてはどうですか?

久保:
スキルとタイミング次第ではありますが、やろうと思えば何でもできます。何なら経理に限らず、ファイナンス(財務・経営企画)チームや事業部のFinancial Planning & Analysis(財務計画・財務分析)などに異動することもできますから。

ファイナンスチームとは日常的にやり取りがあるんですか?

久保:
CFOの元で、同じDivisionのメンバーですし、座席もすぐそば。2週間に1回は、定例ミーティングで情報共有もしています。仕事上でも当然連携しますし。経理の中でも、出納もあれば決算も締めるし、連結決算や開示資料の作成もあるし、1つのチームの中で全部やっているので、仕事の幅を広げたいと思えば、いくらでもできる環境です。

逆に大企業の中には、月次決算をやるチーム、連結決算をやるチーム、税務を担当するチームなど、業務が縦割りにパーツ化されているところも多いんですよ。

どんな人がユーザベースの経理に向いていると思いますか?

久保:
ユーザベースの場合、例えば月次決算の経験のみで、携わる領域を広げたいと考えている人でも、経理の基礎知識があって、当社のカルチャーにフィットしている人であれば大歓迎。どんどん仕事をお任せしていきたいですね。

今いる若手メンバーの1人は、最初はNewsPicksの費用を締めるところからスタートして、今はグループ会社の決算を1人で締めるところまで成長してくれました。基礎知識と意欲があれば、どんどん仕事の幅を広げていけます。

私が入社したばかりの頃、前CFOの村上が「ユーザベースの経理は、1年で3年分くらい成長できる」と言っていましたが、私も同感です。その分、忙しいですけどね(笑)。

撮影:山田 聖裕 / 編集:筒井 智子
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