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モチベーションクラウドの成長は、ファクトをもとに意思決定できたから

モチベーションクラウドの成長は、ファクトをもとに意思決定できたから

ユーザベースの創業事業である、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」。スタートから10年を超えて、ユーザー層がますます広がっています。本記事では、SPEEDAが実際どのように利用されているのか、リンクアンドモチベーションの大澤様に伺いました。聞き手はSPEEDAフィールドセールスの海野悠樹が務めます。

大澤 陽樹

大澤 陽樹HARUKI OHSAWA株式会社リンクアンドモチベーション 組織開発デザイン室 マネジャー / オープンワーク 執行役員

東京大学大学院卒業後、株式会社リンクアンドモチベーション入社。 中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティング事業の...

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海野 悠樹

海野 悠樹YUKI UNNOSPEEDA事業 フィールドセールスチーム マネージャー

株式会社マイナビにて法人営業を担当し、全国新規契約第1位・全社表彰 金賞などを受賞。その後ITベンチャーの株式会社リブ...

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目次

サブスクリプションモデルをどう成長させていくか

海野 悠樹(以下「海野」):
今日はよろしくお願いします。今日はSPEEDAのフィールドセールス担当が普段コミュニケーションさせていただいている、経営企画・事業開発に携わられている方のリアルな姿を読者の皆さんにお伝えできればと考えています。

大澤 陽樹氏(以下「大澤」):
よろしくお願いします。リンクアンドモチベーションは現在、グループ全体で14社に広がっています。そのうち、企業向けにコンサルティングやクラウドサービスやアウトソースサービスを提供している6社の経営企画を担当しているのが、私が所属している組織開発デザイン室です。グループ6社の事業計画策定や業績管理、新規事業の立ち上げ、組織開発が主なミッションとなります。

海野:
大澤さんの部署が現在認識されている経営課題とは、どのようなものなのでしょうか?

大澤:
リンクアンドモチベーションは、もともと経営コンサルティングをメイン事業として2000年に創業した会社です。実効性と再現性を強みに多くの企業様に導入いただいてきましたが、より多くの企業の変革を実現するには、コンサルタントの数がボトルネックになってきます。そこでコンサルタントがいなくても、その会社の現場の方々が自分たちで組織開発をできるようにしたいという想いで、クラウド事業のモチベーションクラウドを2016年にリリースしました。既存のコンサルティング事業とあわせて、サブスクリプションモデルのクラウド事業をどう成長させていくかが、直近の私たちの課題です。

最近では、国内最大級の社員クチコミが集まる、転職・就職のための情報プラットフォームOpenWork(旧:Vorkers)」を運営するオープンワーク社にも出資させていただきました。私はそこの執行役員も兼務しています。

海野:
モチベーションクラウドはユーザベースグループでも導入させていただいていて、実はIRでも全社のスコアを開示しています。チームごとにエンゲージメント(組織と個人の相互理解・相思相愛度合い)の状態が数値化されるので、どこを改善すれば良いかが明確になって動きやすくなった感覚があります。

対談風景

先行投資の意思決定を、ファクトで補強する

大澤:
おかげさまでモチベーションクラウドは現在、約860社にご導入いただいている、日本最大級の組織改善クラウドサービスに成長しました。しかし、すべてが順調だったわけではなく、スタート当初はたくさんの議論がありました。マーケティングコストや開発費を経営計画にどう織り込むかも問題の1つでした。私たちの会社はコンサルティング事業からスタートしているので、そこに十分な知見や経験があるわけではなかったんです。

ただ、グローバルに成長しているクラウド型のサービスを見てみると、必ずと言っていいほど、一定のマーケティングコストや開発費をかけていることがわかります。ベンチマークする会社を決めて、その会社のコスト構造を分析したり、株価の推移との連動性を徹底的に分析しました。このリサーチの際、SPEEDAを使うとスピーディに結果が出てくるので、非常にお世話になりました。

その結果、長期のトップラインや業界シェアを取っていくためには、マーケティングや開発にも先行投資する必要があると社内に理解してもらうことができました。モチベーションクラウドがここまで成長できた理由の1つは、SPEEDAを活用して、成長に必要な投資ができたことだと、お世辞抜きに思っています。

海野:
ありがとうございます。私たちが接しているお客様の中にも、大澤さんがおっしゃったようにビジネスモデルを転換する際、コストと成長のジレンマに悩まれている方が多い印象です。その部分をデータで示すことで、事業の意思決定と成長を迅速化できたというのは個人的にも嬉しいですね。

大澤:
こういった「経営企画としての意見をファクトで補強する」シーンは他にもあります。

たとえば事業計画策定の際に、弊社のグループ会社から「昨年比105%で成長する」という経営計画が上がってきたとします。でもデータを調べてみると、その業界や同規模の企業は平均で120%成長していることがわかる。105%というのはこれまでの延長線上で出てきた数字であり、リンクアンドモチベーショングループとしては業界平均を超えるべきなので、「120%を目標に考え直してほしい」というコミュニケーションができます。

このようなデータのリサーチは、膨大な資料にあたってそれをExcelに入力して、というような作業に以前はものすごく時間がかかっていましたが、SPEEDAを導入してからは本当にスピードが上がって、本質的にやるべきことに時間を使えるようになりました。

事業計画を受け取ってまとめるだけでは私たちの介在価値はないので、情報を集める部分はSPEEDAで時間を短縮し、より新しい視点、より良い視点をファクトと一緒に提示することを意識しています。

リンクアンドモチベーション 大澤氏

経営企画だけにとどまらないユースケースをつくっていく

データ収集以外で、SPEEDAがお役に立てていることはあるのでしょうか?

大澤:
ユーザー会には何度か参加させてもらっています。経営企画のネットワークって、意外に世の中にないので。

海野:
そうですね。ユーザー会以外にも、経営企画や営業企画など、お客様の属性に合わせていろいろな集まりを企画しています。経営企画や新規事業の部門の方々って、なかなか他の企業の同職種の人と接点を持つのが難しいので、そこをつなぐのもセールスの役割だと考えています。

大澤:
そこはマーケティングチームが担当ではないんですね。

海野:
もちろんマーケティングチームが主軸で考えることも多いのですが、一緒にやるという感じですね。チームとしてはマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスと分業になっていて効果的なのですが、分業制にとらわれたくないと考えていて。自分たちでも積極的に企画するようにしています。

大澤:
いいですね。リンクアンドモチベーションでも実は、SPEEDAは最初コンサルティング部門での導入から始まって、今は私たちの経営企画部門、そしてインサイドセールスでも活用しているんです。コンサルティングやインサイドセールスは、お客様の事業の状況を知るのが第一歩なので、それを知るのにSPEEDAの簡易レポートがサイズ的にちょうどいいんですよね。

海野:
大澤さんはいつもこういう感じで、社内外にSPEEDAを広めてくださっていて(笑)。

私たちフィールドセールスの役目は、単純に売るだけではなくてお客様の幅を広げていくことだと思っています。大澤さんの経営企画における使い方を広めたり、いただいた知見をもとに新しいユーザー会を企画したりしながら、セールスだけにとどまらないチームをつくっていきたいと思います。今日はお時間いただきありがとうございました!

SPEEDA 海野
撮影:山田 聖裕 / 編集:筒井 智子
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