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イベント後の居酒屋トークを届けたい──イベント屋が動画メディアを始めた理由

2019/01/28

イベント後の居酒屋トークを届けたい──イベント屋が動画メディアを始めた理由

ユーザベースグループのFORCASでは、「未来のマーケティングを創造し、世界の進化を加速する」をビジョンに、B2Bマーケティングプラットフォーム「FORCAS」を提供しています。2018年はサービスの進化に加えて、「マーケミニッツ!」という動画メディアもスタート。なぜ今動画をスタートしたのか、FORCASマーケティングチームの酒居潤平と岩井俊樹に話を聞きました。

酒居 潤平

酒居 潤平JUMPEI SAKAIFORCAS マーケティングチーム マネージャー / マーケ・ミニッツ!編集長

メガバンク、ネット通販&Webコンサル、Sansanを経て現職。SaaS、イベント・コンテンツ企画、動画好き。...

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岩井 俊樹

岩井 俊樹TOSHIKI IWAIFORCAS マーケティングチーム

大学時代はヨット部に在籍し、引退後、ユーザベースにインターンとして入社。主にFORCASのイベント運営やマーケミニッツの制作を担当している。趣味は最近買ったカメラ。

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目次

「イベント屋」が動画メディアをはじめたきっかけ

今日はよろしくお願いします。「マーケミニッツ!」は昨年スタートして現在12本公開、再生数も順調に伸びていると聞いています。そもそも2人はセミナーなどのオフラインマーケティングがメインのチームだと思いますが、なぜ動画メディアを始めたのでしょうか?

酒居 潤平(以下「酒居」)
僕たちは、FORCASの見込み顧客を集客することがミッションで、昨年は特にオフラインマーケティングに力を入れ、セミナーやイベントを頻繁に開催してきました。そんな中で、あるときふと気づいたんです。「イベントやるのもおもしろいけど、実はイベント後の打ち上げトークの方がめっちゃおもしろいやん」って。赤裸々で、裏表ないものをそのまま伝えられるコンテンツをつくりたいと思ったのが最初のきっかけです。

その流れでそのままスタートしたんですか?

酒居:
実際にスタートするまでには、もちろん時間がかかりました。マーケティングのチームなので、「なぜやるのか?」が当然必要です。

その際、今、動画をやる意義についてひたすら考えました。FORCASは未来のマーケティングを創ることをビジョンに掲げて、「プロダクト」の成長とB2Bマーケターの「コミュニティ」づくりを重視してきましたが、3つ目の軸として、いつか「メディア」が必要だと考えていたんです。未来のマーケティングを創るためには、情報と人のハブになるような媒体を自分たちで持つことが重要です。それが動画メディアだと考えました。

また、僕たちはセミナーやイベントを開催していますが、参加者との関係性をどんどん強めたいという想いがありました。セミナーやイベントを単発で開催しても、点でしかつながれません。その頻度を高め、接点を増やすことで「点から線」へつながりを強めてきたんですが、メディアでさらに第3の接点をつくれば、「線から面」へ拡大しお客さんとつながることができる。未来のお客さんと強固につながるためには、絶対に必要だという結論に至りました。

FORCAS 酒居

NewsPicksの動画制作チームに助けられた

動画をスタートしてから、手応えはありましたか?

岩井 俊樹(以下「岩井」):
まだまだ理想のカタチには遠いですが、僕たちが作りたいものを作れてきていると感じてます。2019年はもっと追求したいですね。

酒居:
社内外から反応があるのは嬉しいですね。セミナー・イベントで初めてお会いした人から「マーケミニッツ見てます!」と言っていただくことが増えました。

どのような体制で動画をつくっているのでしょうか?

岩井:
僕と酒居さんの2人体制でやっています。僕自身、動画や機材のことがもともと好きだったので、できるイメージはあって。でもプロの現場を経験したことがないので、最初は外の制作会社さんにお願いしましたが、僕たちがつくりたいものをつくるには、いつかは絶対内製化する必要があるだろうなと思って、とにかく勉強ました。

酒居:
同じユーザベースグループのNewsPicks Studiosの存在は大きいですね。プロが身近にいる環境は本当に嬉しい。機材から台本、編集に至るまで色々と学ばせていただき、イベントと番組制作は全く別物なんだと気づかされました。

僕は明石ガクトさんのファンで、『動画2.0』も拝読しました。著書の中で、明石さんは「動画とは、情報の凝縮がある映像コンテンツ」だとおっしゃっていて、マーケミニッツ!を制作する中で、まさにその通りだなと実感しました。

一方で、情報を極度に凝縮しすぎてしまうと、僕たちのつくりたいものと違ってくるというようにも感じました。なので今、編集でコンテンツを凝縮する際には、あえて「間」や「余白」を入れるようにしています。

これはターゲットとしている視聴者の動画を観るハードルを考慮していることもあるんですが、僕たちがやりたいのは、最初の原体験である「居酒屋トーク」だということが大きいんです。何も語らない「間」や、ただ笑っているだけの「余白」にも、言葉では伝えられない「その人らしさ」があるんじゃないかと考えています。

FORCAS 岩井

インターンに任せる文化

酒居:
ちなみに岩井は現在インターンなんですが、僕、岩井のことをインターンだと思ってやっていなくて(笑)。

(一同笑)

岩井:
「インターン感がない」「子持ちだと思ってた」ってお客さんからもびっくりされますよね(笑)。

酒居:
マーケミニッツ! を外注すると、通常だったら5〜6人のチームが派遣されてきますが、今は内製化して岩井と僕の2人で回しているんですね。もちろん人手がかかるところは他のチームメンバーにも手伝ってもらいますが、企画段階から制作まで協力してくれているのは、岩井1人です。

「いつかは内製化できるといいね」と言っていたけど、こんなに早く実現できるとは思っていなかった。これは彼の功績です。

岩井:
ユーザベースにはインターン合同説明会で初めて出会ったのですが、まさかここまで任せられるとは思っていませんでした(笑)。でも会社のお金がかかっているからこそ、絶対にしくじれない。そういう責任感が自分を成長させてくれたなって思います。

高校時代から動画が好きで、大学に入ってからもプライベートでもつくっていたので、本当に好きなことをやらせてもらっている感覚です。酒居さんから「こういうコンテンツにしたいんだけど」って、思いついたらすぐに相談していただけるのはやりがいがあるし、本当に嬉しいですね。

酒居:
たとえば「動画作るぞ!」ってなったときに、機材に詳しい、カメラやってましたっていう人は他にもいると思うんです。でも「こういうところ、こうしたらいいんじゃないですか」と提案してくれる人は本当に少ない。

オープンに会話して、ゴールから逆算して積み上げていけるメンバーは貴重です。そういうことができれば、社員やインターン生という立場は関係ないと思います。

対談風景

FORCASマーケティングの挑戦

2019年、マーケミニッツ! はどう進化していくのでしょうか?

岩井:
僕自身、今年は就活があるのでいったん抜けてしまうんですが、もっと進化させないといけないと思っています。実際の制作は酒居さんや後任のインターンに任せますが、就活の合間を縫って、できる限りのことは協力していきたいなと。

酒居:
今年はインタラクティブ性を上げていきたいですね。人の熱量を高めるために、インタラクティブ性は重要です。例えば事前に次の出演者を公開して、質問を募集するといったやり方も検討しています。

さらにマーケティングチームとしては、マーケミニッツ! に出演してくださったマルケトの福田康隆さんもおっしゃっていたんですが、マーケティングには地上戦と空中戦のサンドイッチ的な発想が必要です。今年は空中戦の観点をさらに伸ばしていきたいと考えています。

また、僕たちはABM(Account Based Marketing)という新しいマーケティングを広げていくのがミッションの一つなので、僕たち自身もABMを実践しつつ、新しいチャレンジをしていきたいと考えています。マーケミニッツ! は、そのコミュニティのハブとして、2019年はもっと拡張させていきたいですね。

本記事にはすでに退職したメンバーも含まれております(組織名・役職は当時)

執筆:筒井 智子 / 編集:山田 聖裕
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