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未経験だからこそ辿り着いた、「普通じゃない総務」チームの挑戦

未経験だからこそ辿り着いた、「普通じゃない総務」チームの挑戦

出社義務も勤務時間の概念もない、自由主義のユーザベース。自由すぎるメンバーの働き方を支えるのが、総務チームあらため「Waku Workチーム」(通称「ワクワクさん」)です。

今回はWaku Workチームの星野と重松に、「ワクワクさん」のチームミッションと、チーム名を変更した背景について聞きました。

星野 藍子

星野 藍子AIKO HOSHINOユーザベース Waku Workチーム

2014年、ユーザベース入社。未経験の総務・庶務からスタートし、今年7月の本社移転プロジェクトも担当。最近では、もっと社員がワクワクして働ける仕組み・環境づくりがしたい、そし...

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重松 花

重松 花HANA SHIGEMATSUユーザベース Waku Workチーム

スタイリスト事務所やアパレルメーカーを経て、2015年にユーザベースに入社。 NewsPicksのコーポレート機能の立ち上げに関わった後、現在はユーザベースのWaku Wor...

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目次

ユーザベース流総務、「Waku Workチーム」の仕事

Waku Workチームの2018年のObjective(OKRの目標)は「社内コミュニケーションの活性化」と「人×テクノロジー=ストレスフリー」。

このミッションに決めたのは、直近の社内コミュニケーションに危機感があったからだといいます。

星野 藍子(以下「星野」): 新しいメンバーがどんどん増えていく中、新しいオフィスに移転したこともあって、別の部署との交流が少なくなってきたと感じていました。 私たちはこれまで入社手続きをしてきたので、顔と名前は一致できているつもりでしたが、私たちですら分からなくなってきていて。
重松 花(以下「重松」): これまではユーザベースらしいカルチャーを自然に肌で感じながら働いていましたが、人が増えたことでそれが薄まっているように感じたんです。そこで企画したのが月1回のUB Day。そこで部署を超えた社内コミュニケーションを活性化し、ユーザベースのカルチャーを伝えていけたらと考えています。

UB Dayとは、従業員の交流を目的としたイベントで、家族の参加もOK。小さいお子さんのいるメンバーも増え、子どもたちにお父さん・お母さんが働いている職場を知ってほしいと考え、開催しています。

直近は夏祭り、オフィスで運動会、新米を食べる会、クリスマス会などを実施しました。

UB Dayの様子

UB Dayの様子

いわゆる「総務」の枠にとらわれず、柔軟かつ積極的に取り組むWaku Workチーム。そんな働き方になった理由はどこにあるのか尋ねたところ「総務とはこうあるべき、を知らないからですかね……」という答えが返ってきました。

星野「2人とも総務の経験がないから、総務経験者なら普通のことも、私たちは疑問に思うことが多くて。枠にとらわれない上司(コーポレート統括 執行役員の松井)のもとで働けたのも大きいですね。好きなこと・できることをどんどんやったらいいよと言われて、いろんなことにチャレンジさせてもらっています」

重松「いわゆる総務の仕事より、業務改善や新しいシステムを入れることで、みんなが働きやすい環境をつくるのが好きなんです。

そんなことを話していたときに、松井から『それが得意で好きなら、そっちに振り切ってみたら?』と言われて、チーム名も振り切っちゃいました(笑)」

星野: 2人とも総務の経験がないから、総務経験者なら普通のことも、私たちは疑問に思うことが多くて。枠にとらわれない上司(コーポレート統括 執行役員 松井しのぶ)のもとで働けたのも大きいですね。好きなこと・できることをどんどんやったらいいよと言われて、いろんなことにチャレンジさせてもらっています。
重松: いわゆる総務の仕事より、業務改善や新しいシステムを入れることで、みんなが働きやすい環境をつくるのが好きなんです。 そんなことを話していたときに、松井さんから「それが得意で好きなら、そっちに振り切ってみたら?」と言われて、チーム名も振り切っちゃいました(笑)。
わくわく星野

総務未経験だからこそできたこと

2017年、ユーザベースのコーポレートチームは「OKR(Objectives and Key Results/目標設定・管理方法の1つ)を導入しました。

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総務にもOKRを取り入れることになったものの、日々の業務は定量で測れることが少なく、1日の70~80%がルーティン。残り2割で何を実現したいかを、OKRで追求することにしました。

実現可能なことと、ワクワクすることのバランスは意識したと重松は語ります。

重松: 最初にはじめたのが、「プロジェクト ウユニ(ウユニ湖のようにオフィスを綺麗に)」と、「プロジェクト カリブ(総務メンバーが地球の裏側に行ってしまっても業務が回るぐらい業務を標準化する)」の2つ。やることは大掃除だったり内線電話システムの導入だったりするので、名前だけでも楽しそうなものにしました(笑)。 総務の仕事は、みんなに協力してもらわないとできないことがたくさんあります。頭ごなしに「大掃除して!」と言うのではなく、ワクワクする名前をつけて私たちが率先して楽しくやっていれば、協力してもらいやすくなるのではと思ったんです。

プロジェクト カリブの大きな成果が、代表電話を廃止して、IP電話を使って各チームに振り分けたこと。それまでは総務以外のコーポレートメンバーも含めて当番制で、朝・昼・夜・年末年始の電話番をしていました。当番制であることが、総務が休みを取りづらい要因にもなっていました。

わくわく 重松
星野: 代表電話にかかってくる大半は営業電話でした。受ける私たちも大変ですが、それを回された人も時間を取られて大変ですよね。それがなくなったことは、メンバーにとっても良かったことだと思います。

 会社には代表電話があって当たり前──そう考えるのが、「普通の総務」かもしれません。彼女たちは総務職の経験がなかったからこそ、思い切った施策を思いつき、実行することができたのです。

辛い時期を経て、「Waku Workチーム」が誕生

日々笑顔でメンバーを支えてくれるWaku Workチームですが、数年前までは「苦しくて辛かった」と振り返ります。

いわゆるルーチンタスクが日々の業務の半分を占め、それに加えて会社の規程や権限一覧の整理などもありました。専門知識を必要とするものなので、勉強をしながら進めようにもインプットの時間すら取れず、なかなか楽しく進めるという状態ではなかったといいます。

星野: とにかく目の前のタスクをこなすので精一杯。モチベーションも上がらず、毎日辛くて。余裕がないと新しいことをしようと思えないし、楽しいことを考えられなくなっていました。当時は本当にしんどかったですね。
重松: 自分たちは全然そう思っていなかったんですが、周りから「ピリピリしている」「仲悪いの?」と言われて、ハッとして……。やっぱり毎日楽しく仕事したいと思って、チームで話し合ったんです。

OKRの導入とあわせて、専門性の高い業務は得意なメンバーに担当を変えたり、稟議フローを徹底的にシンプルに変えたりするなど、業務改善が進みました。その結果、メンバーがどうしたら楽しんでくれるか、気持ちよく働けるかに注力できるようになったといいます。
 
星野は以前から「総務」という名前にかたいイメージがあり、あまりしっくり来ていなかったそう。2018年上期の振り返りのタイミングで「結局私たちは何がしたいのか?」をディスカッションしたところ、全員が「もっとワクワク働きたい」という結果に。

そこで生まれたのが「Waku Workチーム」という名称です。

インタビュー風景

インタビュー風景

重松: これが組織図や名刺に載るので、最初は恥ずかしくて(笑)。でもキャッチーだし、すぐに覚えてもらえるのも私たちらしくていいかなと思うようになりました。

「名前を変えたことで、より吹っ切れた気がする」と2人は笑います。

ユーザーの理想から始める。Waku Workチームのユーザーは社員のみんな

今後、よりワクワク働くために2人が考えているものに1つに「リモート勤務可能な総務」があります。すでに当番制ではリモート勤務できるようになりましたが、システム導入などの整備を進め、より業務を改善していきたいと考えています。

重松: Objectに掲げた「人×テクノロジー」で今後進めていきたいのは、問い合わせに答えるbotの整備やマニュアルを一元化するシステムの導入です。 今はメンバーから日々さまざまな問い合わせがありますが、これは、何を見れば解決できるか把握できていないことが原因です。 これをテクノロジーで解決できれば、メンバーのストレスも減るし、私たちの時間も空きます。その空いた時間で、もっとみんながコミュニケーションできるように考えたり、もっと別のことに時間を使えるようになると思うんです。
星野: ユーザベースが大切にしている7つのルール(現「The 7 Values」)の1つに「ユーザーの理想から始める」というものがあります。私たちWaku Workチームにとってのユーザーは、社員のみんなです。 だから社内向けのルールを整備するときも、メンバーにとって本当に分かりやすいか? は常に意識しています。それが「ユーザーの理想」ですから。
インタビュー風景

本記事にはすでに退職したメンバーも含まれております(組織名・役職は当時)

執筆:筒井 智子 / 撮影・編集:山田 聖裕
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