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創業者 梅田優祐が語る、NewsPicks第2章

創業者 梅田優祐が語る、NewsPicks第2章

ユーザベースグループの株式会社ジャパンベンチャーリサーチは、7月に起業家とサポーターがつながるライブアプリ「ami」のα版をリリースしました。amiではさまざまな起業家の方に参加いただきながら、ライブのテスト配信を行っています。この記事ではamiの雰囲気を感じていただけるよう、ライブの様子を文字起こししてお伝えします。

梅田 優祐

梅田 優祐YUSUKE UMEDAUzabase Co-CEO & NewsPicks CEO

戦略系コンサルティングファームのコーポレイトディレクション(CDI)、UBS証券投資銀行本部の東京支店を経て、2008年に新野良介・稲垣裕介と共にユーザベースを創業。ニューズ...

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目次

NewsPicks第2章

amiファシリテーター(以下「ami」):
本日はNewsPicks創業者の梅田さんに来ていただいています! よろしくお願いします!

梅田:
よろしくお願いします。

ami:
先日、NewsPicks第2章という採用ページをリリースされました。事業として収益化もし、安定してきているフェーズだと思いますが、何をイメージして「第2章」と言ってるのでしょうか?

梅田:
NewsPicksって、2013年にスタートしてまだ5年しか経っていないんですね。売上は30億円、有料会員も7万人ぐらいと非常に順調だけど、世界を見たら、まだまだ小さい規模だと思っています。

メディアというのは、影響力がなければ意味のない事業です。NewsPicksがメディアとして目指しているミッションは、日々情報を届け、ビジネスパーソンの意思決定の土台になること。

前向きな、良い意思決定がされていくためには、影響力が大きくならないと意味がないですよね。影響力が小さいと世論が動かないので。

世論が動いてこそメディアの価値、存在意義があるという意味では、もっと規模を拡大しなければいけない。それを日本だけじゃなく、世界でナンバーワンにしなければいけないっていうのは、ユーザベースの創業以来、ずっと掲げているところです。

NewsPicksについては今までの5年間で、ようやくこれだ! っていうビジネスモデルをつくることができた。次はそれを一気に世界に広げていくという5年間だと考えています。その意味で、一緒に世界を狙いに行ける仲間を集めるために、第2章と謳っています。

「人」が圧倒的に足りていない

ami:
その第2章のスタートが、米メディア「Quartz」の買収にあたるのでしょうか?

梅田:
そうですね。Quartzの買収については世界展開に向けてのスタート地点だと思っていますが、その中で困ってるのは、NewsPicksはこれなら世界をとれるっていうビジネスモデルも明確で、クリアなビジョンもあるんだけど、ビジョンだけでは事業ってできなくて。

結局最後は何で決まるかと言ったら、実行力、エグゼキューションなんですよね。どういう人たちがどういう思いで事業を運営しているか、その日々の積み重ねでしかない。だから、結局「人」なんですよね。

ami:
「人」が大事。

梅田:
そう。「人」が圧倒的に足りてないのが、今最大のボトルネックだという危機感があります。

Quartzを買収したことで米国事業の人材リソースは一気に増えたけど、その米国と日本をつなげて、日本をもっと進化させていく、米国以外に広げてくっていうその部分の人材が圧倒的に足りてない状態ですね。

ami:
その「つなぐ」とか、「エグゼキューション」ができる人って、どういう要素をもっている人でしょう?

梅田:
とてもいい質問ですね。これは米国でやっていて実感したことですが、米国だからとか、この国とは違うからっていうので、ユーザベースの方針を変える必要は全くないなと。ユーザベースのやり方っていうのは全世界共通で、最先端をいってるというのはホントに自信をもった事なんですよね。

さっくん(※ami代表の佐久間 衡)も言ってるんだけど、すごく大切なのは、オープンに話せるか。これが第一。

二つ目は、自己認識力。自分のことをちゃんと客観的に見ることができて、ちゃんと自己成長のために自分の反省ができる、そのサイクルを回せる人。

三つ目は全員には必要ないんだけど、事業をつくっていくうえでどうしても必要になるのが、センス。「彼が考えることって論理的にどうして出てきたのか分かんないけど、なんかセンスがあるよね」っていう、そういうセンスのある人。

この三つが特に最近重要だなと思ってますね。

今のNewsPicksに足りていないもの

ami:
その佐久間さんからのコメントです。今のNewsPicks経営チームに足りてないものはなんでしょう?

梅田:
日本の経営チームですか? Quartzの経営チームですか?

ami:
日本のNewsPicksで。

梅田:
難しいと思うんだけど、経営メンバーもサッカーのフォーメーションみたいなもので。攻める人もいれば、ちゃんとミッドフィルダーも、ディフェンダーもいて、本当に強いチームはフォーメーションがきっちりしている。日本について今までは僕と佐々木(佐々木 紀彦/NewsPicks CCO)がツートップでガンガンゴールを決めていたけど、どちらかというとディフェンスが弱く、必ずしも理想のフォーメーションではなかった。

ami:
なるほど。フォワードよりディフェンダーの方が弱いと。

梅田:
ただフォワードももっと強くしないと。次は一気に拡大する5年間だから、フォワードはたくさん必要なわけ。全世界にフォワードを立てなきゃいけないのと同時にディフェンダーも必要だし、今後目指していくこと考えたら全部足らないな。

ami:
全部足らない(笑)

梅田:
全部足らないっていう状態かな。 

「センスのある人」を見抜くには?

ami:
センスのある人ってどうやって見抜くんですか?

梅田:
これはやっぱり、自分が感動するかどうかですね。それがすごく大切で、僕がQuartzをすごくいいなと思ったのは、センスがあるんですよ。プロダクトやデザインにセンスがあって、1ユーザーとして感動するんですよね。

この感動って論理的なものではやっぱりなくて、「何か」があるんですよね。そういう感動できるものを生み出せるかどうか、人間の右脳に働きかけるものを生み出せるかどうか、そういうところですよね。

ami:
お時間ももうすぐなので、最後にこの質問で。「センスって後天的に身に付くものでしょうか?」

梅田:
どうなんですかね。

ami:
(笑)。ご自身の経験から、後天的に身に付くものだと思いますか?

梅田:
そう思いますね。とにかく、感動する瞬間をつくるっていうことが大切かなと。センスって別に、絵とかファッションのセンスじゃなくて、「感動する」こと。感動するものをつくれるか、音楽でも絵でもそうだし、事業でも全く同じことだと思う。

そのために、まずは自分が感動することが大切ですよね。自分が感動しなければ、他人を感動させるものは絶対につくれないから。たくさん映画を観たり、絵を見たり、旅するとか、いろいろなサービス使ったりとか。

ami:
そういう感動する人に、NewsPicksに来てもらいたいっていうことですね。

梅田:
その中から、「こんなものを俺がつくりたい!」って人が出てくると思いますからね。

ami:
本日はお時間ありがとうございました。NewsPicks梅田さんでした。

本記事にはすでに退職したメンバーも含まれております(組織名・役職は当時)

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