自分で自分の働き方をつくる
丸山 由佳(以下「丸山」):
私が働く上で一番大切だと考えていることは、「自分の働き方を自分でつくる」。これに尽きますね。
ユーザベースの好きなところは、「何を一番大事にするか」「その為にどうやってお金を稼ぐか」「どうやって働くか」を全て自分でデザインできるところです。育児をしながら働く女性だからこそ尚更、自分で自分の人生をコントロールしてデザインした方がいいと思います。
大堀 秋沙(以下「大堀」):
たしかに、自分に合ったいろんな環境がありますよね。
電話口で子どもが「ママー!」と寄ってくるのがアイスブレイクにもなる
丸山 :
私の1日のスケジュールはだいたい、朝7時過ぎに起きて、8時半に子どもを保育園に連れていき、そこから働き始めます。
私は現在「entrepedia(現INITIAL)」というスタートアップデータベース事業の営業を担当しています。商談があれば訪問もしますし、オンラインでの商談も行います。
ユーザベースはフルフレックスで、かつリモートワークも可能ですので、自宅で家事をしながら、その合間にオンライン商談をすることもあります。その働き方自体も自分で決めていて、たとえば、今週はちょっと子どもの具合が悪そうだから、訪問ではなくオンライン商談を多めに設定してほしいと、チームメンバーに伝えることもあります。そうすれば保育園から急遽お迎え要請があったとしても、すぐ迎えに行くこともできます。
オフィスに出社するときも、16時半には退社して17時半に子どもを迎えに行っています。そこからは子どもを寝かしつけるまでは、子どもとの時間と決めています。お客さんから夜に電話かかってきたりしても、その時にもお客さんに「今隣に子どもがいるので、子どもの声が聞こえると思いますが、よろしくお願いします」と一言お伝えしてからお話します。それで、子どもが近くによってきて「ママー!」と騒いでいると、お客さんにも笑ってもらえて(笑)。

ユーザベースは子連れ出社もOK。たまにオフィス内に子どもがいることも(写真は丸山)
大堀:
それは和やかになりそうでいいですね(笑)。
私は「FORCAS」というB2Bマーケティングプラットフォーム事業で、インサイドセールスを担当しています。
働き方としては、普段は毎日8時半に出社しています。子どもを保育園へ送るのは夫がやってくれているので、早く出社して、帰るのは大体17時半です。そこから子どものお迎えに行って、帰宅後はほとんど仕事しないですね。子どもと一緒に22時くらいに寝ていて、健康的な生活です(笑)。
そのぶん、起きる時間は早いですね。5時とか6時とか。
仕事が ぴよぴよ🐤 いときは、朝の早い時間帯に仕事をすることはあります。最初は夜起きてやろうと思っていたんですけど、眠いし生産性が低いので、朝の時間帯に仕事をすることに決めました。
私はインサイドセールスとして働いているので、営業時間にコミットすれば良いというメリットがあります。前職で営業をやっていた時は、夜でも電話がかかってきて、仕事に追われることが結構あったんですが、今は自分が追うだけなので、自分が日中仕事をしているときだけコミットすれば良いということが、すごく働きやすいですね。
大堀 :
そうですね。私の場合は、職場にいるときだけ仕事をする働き方が合っていますし、メリハリがつくのでやりやすいですね。
大堀 :
やはり仕事に追われるのがなくなったことですね。
海外営業だったので、帰宅してからも夜に頻繁に電話していたんです。一応前職は就業時間が決まっており、その中で仕事をするようにはなっていましたが、取引先の企業と時差があったので、結局帰っても仕事しないといけなかったんですよね。電話がなると、子どもが「ママー、電話―」と言って、携帯電話をもってきてくれることもありました。仕事に追われることがなくなったのが、何よりも働きやすくなったことですね。
あと、出張がなくなったことも大きいです。海外出張すると、1週間ほど子どもを預けなければならなかったんですが、そんなに長期で子どもを預けて行くのはやはり難しいんですよね。そこまでして仕事を続けたいのかと思うと、そうでもないなと思っていました。
丸山:
同じ小さい子どもを持つ身として、すごくよくわかります……。

大堀のチームが主催するB2Bマーケティングセミナー
「時短だから」で評価が低くなる社会はおかしい
大堀 :
出産した途端に、仕事に対する見え方がかなり変わったということが大きいです。
たとえば前職では出産後は時短で働いていたんですけど、成果を出しても時短だからすごく評価は低くなってしまうとか。出産すると、不利益というか得をしないような制度があったことがつらかったですね。自分の働くスタイルに合わなくなってしまったということがありました。
丸山 :
むしろ短く働いていて生産性が高い人を称賛しないことは疑問ですよね。
大堀 :
実際、そう評価されることはないんですよね。なので、家庭と仕事の両立で悩まれているワーキングマザーの方って多いと思います。
大堀 :
大手だと転勤とか異動とかがやはり多いので、さっき丸山さんが話していたように、コントロールが効かないんですよね。 私1人だったらいいけど、家族がいるとそれってどうなんだろうって思って。
それに、全く違う環境に行ってみたいという気持ちもありました。あとは単純に自宅が近いというのもポイントとしてありましたね。やっぱり育児世代にとって、自宅が近いとかリモートで簡単に仕事ができるって結構大きいですよね。
丸山:
私にとって、生産性って何より重要なんですよね。だって同じ時間働くのであれば、生産性とやる気が高い方が自分にも会社にもプラスじゃないですか。
24時間仕事にコミットできる人と同じかそれ以上の成果を上げたいって思っていたら、生産性をいかに上げるかを考えるしかないんですよね。
大堀:
そうそう、時間の制約がありますよね。
「転職して仕事が楽しそうになったよね」
丸山:
私の場合は少し特殊で、夫がスタートアップ企業の経営をしているんです。なので、働くことに対しても理解というか、価値観が一緒なんですよね。
大堀:
それは良いですね。
丸山:
相手の理解がないと難しいですよね。正直なところ。
大堀:
そうですね。私の夫も理解してくれていますね。
私の夫も会社をやっているので、働くことに対して理解があるのだと思います。「転職してから仕事楽しそうだからいいね」って最近はよく言ってくれますね。

FORCAS 大堀秋沙
丸山:
また、女性が働く上で、両親の助けが必要という声もありますが、私の家庭の場合、実家の両親が仕事で多忙なので両親が育児を手伝ってくれることはほぼないです。両親の手伝いがないなかでも働くことができているのは、通勤しなくても働くことができるからですね。基本的には自宅で仕事をして、オフィスに出社するのは週2、3日のみです。
大堀:
それは大きいですよね。人生って体力勝負なところがあるので。
丸山:
そうですね。なので、自宅や近くのカフェなど、自分がリラックスできるところで仕事をするようにしています。家事もあるので、自宅にいれば洗濯や掃除も仕事の合間にもできますし。
子どもが病気になることもあるんですが、病児保育も実は一度も利用したことがありません。ユーザベースのスーパーフレックスとリモート勤務を活用して、自分のスケジュールをちゃんとコントロールできているからだと思います。
大堀:
たしかに。ユーザベースは仕事量や時間ではなく、成果で見ているから実現できますよね。
子どもが病気で世話をしているお母さんはよく、「早退してすみません」と言いながら帰るじゃないですか。そういうことがないのって働きやすいですね。
丸山 :
私は育児と仕事を両立するために、リモートワークができる環境はとても大切だと思っています。
一方でリモートの欠点もありますよね。それは直接的なコミュニケーション。チームで仕事するにあたって、同じ場所にいないと同じ温度で盛り上がれない。そういう空気感を共有できないということはあると思います。私の場合、それは寂しいので社内チャットツールを駆使して、参加している感を出すようにしています(笑)。
大堀 :
私は前職からリモートワークが可能で、リモートは集中して仕事できるので好きです。ただ、インサイドセールスの仕事は、ひとりでずっとコール業務するのでけっこう孤独というか、他のメンバーと一緒に仕事した方がモチベーションも上がるので、オフィスに出社するようにしています。
要はどこで働くかも含めて、自分に合った働き方をデザインできることが大切なんだと思います。
「ワーママ」だからといって遠慮してほしくない
大堀 :
まず、働く女性が多いことですね。活躍している女性が多い環境が、私にとっては今までと大きく違っています。
これまでは出産すると仕事が続けづらく、結局退職する人が多い環境だったので、以前は『女性の働き方』に関する本ばかり読んでたんですよ(笑)。
でも、転職して入社すると、なんでそんなことでこれまで悩んでたんだろうっていうくらい、みんな普通に活躍してるし、家庭と両立しながら働き続けている女性も多くいるんですよね。そういう環境がとても嬉しいです。
丸山 :
子どもがいる社員が多いのも良いですよね。
正直、育児がどういうものかは、子どもがいないとわからないことが多いと思うんですが、他の社員にもお子さんがいる家庭が多いので、すごく理解があると感じます。

entrepedia 丸山由佳(写真中央)
大堀 :
理解もそうですが、現場復帰して職場に戻ってきたら、上司が遠慮して仕事振ってくれなくなるということもありがちなんですけど、全然そんなことがないのも嬉しいですね。良い意味で(笑)。それはやる気がある女性にとってはすごく良いと思います。
丸山:
よく「制度を整えよう」っていう話がありますが、ユーザベースは特に制度というものはほとんどないんですよね。
別にリモートも制度としてあるんじゃなくてそれがカルチャー。それが空気なんですよね。
だから、無理やり働き方を変えようとしているわけではなく、社内にそういった文化が根付いているということが、とても大きいと思います。そういう点も私はこの会社の好きなところです。また、もし制度として整備が必要となった場合も、社員の声を聞いてくれるところも好きな点です。
たとえば、ベビーシッター補助金制度というものが新たにできたんですけど、それは私が提案して制度化してもらったんですよ。認可保育園に全て落ちて、無認可を受けてる時に無認可も落ちそうだなっていう時に、これは復帰するとしたらベビーシッターしかないけど、月に高額な費用を払えないなと。なので、その費用の一部を会社に補助してもらえないかをかけあったんですよね。すると、コーポレートの方が「ちょうどそういうこと考えてたから真剣に考えてみるね」と言ってくれて、形になったんですよ。
そのとき「自分で働く環境をつくれるんだ」って思ったんです。ユーザベースの成長のためにも、働くメンバー自身が自分たちで新しい働き方をつくっていくことができる。そのカルチャーが素敵だと思っています。
全力で子どもと遊んで、全力で仕事もする
丸山 :
今はスーパーウーマンみたいな人しか仕事を続けられない、と考えている方が多いように思います。「仕事をバリバリこなすスーパーウーマンにはできるけど、自分にはできない……」みたいな。
大堀 :
たしかに!「仕事を続けたい!」と強く思わないと、続けられなくなる気持ちもわかりますね。
丸山:
大変なことは間違いなく大変だと思います。ただ、大変だけど、その分楽しいんですよね。それをお伝えできればなと思います。
大堀:
大変だからこそ、自分が本当に楽しいって思える環境に移るべきですよね。
丸山:
大変さの質が違いますよね。
大堀 :
今いる環境が楽しければ、それは全然良いと思うんです。ただ、家庭の事情もあると思いますけど、同じく大変なのであれば、もっとやりたいことをやった方が良いんじゃないかと私は思います。
丸山 :
同感です。子どもと全力で遊んで、全速全力で仕事して、みたいな(笑)。
夫と過ごす時間も意識して全力で夫と過ごす。私は元々そこまで活発的な人間ではなかったんですが、子どものおかげで、輝く人生を送れているなと思います。家族と有意義な時間を過ごすためにも、私自身これからも仕事に邁進していきたいです。
大堀:
私にはプランが2つあります。ひとつは、これまで海外ビジネスをやっていましたので、子どもがもう少し大きくなったら、またグローバルビジネスに関わっていきたいです。もうひとつは、インサイドセールスという仕事をやりたいと思ったきっかけでもあるんですが、リモートでどこか地方に住んで、子育てしやすい環境で生活しながら働きたいですね。
丸山 :
私は子どもが産まれてから大きく思考が変わって、全ての人が子育てに関わる社会を作りたいと思っています。子どもを産む産まないは完全に個人の自由ですし、子どもが好きじゃないということも個人の自由だと思います。ただ、子どもが社会の宝であることは間違いないじゃないですか。
子育てを疎む社会ではなくて、みんなで未来を育てていこうという社会にしたいです。残念ながら、日本はいまだに子連れに対するバッシングも多いです。でも、今後はもっと理解がある社会にするために、そんなビジネスをつくりたいと考えています。
本記事にはすでに退職したメンバーも含まれております(組織名・役職は当時)