プロジェクト発足の背景

新型コロナによって、働き方とコミュニケーションの変化が起きる中、2つの課題が浮き彫りになってきました。1つはリモートワークになったことによるコミュニケーションの課題。もう1つがリモートワークの裏にあるハードワークの課題です。
コミュニケーションの課題としては、オフラインであればカジュアルに話して解決できたような問題が、対面で話せないことでなかなか解決できないようなケースが出てきています。
ハードワークの課題は、みんな一丸となってコロナ下で頑張っているものの、この落ち着かない状況はしばらく続きそうです。今は「しっかり休んでね」と言っても、仕事が終わっていない、周りが大変なのに1人で休めない、みたいになってしまっていることも……。
この状況下でも生産性の高い状態をつくりたい。そのためには、できる限り労働集約性を排除し、クリエイティブな仕事に集中できる状態をつくる必要があります。そうすることでメリハリがついて、ちゃんと健全に休みを取れるようになるはずです。
この2つの課題を解決することが、このプロジェクトの目的です。コロナ下のコミュニケーションと、生産性を向上させるという2つに徹底フォーカスしていきます。

生産性を高め、売上高人件費率を下げていくことでスケーラブルな組織をつくっていく──そのためにSaaSツールを活用していますが、ユーザベースグループ全体で何と約400個ものSaaSツールを使っています。
稲垣さんも「何を使っているのか、僕は正直全部は把握しきれていないんだよね……」と言っていました。それぞれのツールをちゃんと活かす形で定着しているかというと、そうではない部分もあります。バラバラに使うことによって、結果的にかえって非効率になってしまっている懸念もあるので、ココをしっかり改善して幸せに働くことができる環境をつくっていきます。

NewsPicksの課題と3つのアプローチ

NewsPicksでも、大きく2つの課題が浮き彫りになっていました。
1つは、期初計画以上にアップサイドをつくれているものの、みんなの業務量が増え、労働時間やサーベイの結果を見ても、労働環境に対してネガティブな傾向が見え始めている点。
もう1つは、コロナ下におけるリモートワークの中で、コミュニケーションギャップが生まれ、課題があることは認識しつつも常に忙しいため、どうやって解決・改善すればいいかわからないという声が上っている点です。
ツール導入や人材採用、リソースのアロケーションなどによって、一人ひとりが才能を発揮し、安心して最高のパフォーマンスを追求できる環境づくりを優先して行っていきたい。
そんな思いで、2Q(2021年4〜6月)は以下3つのアプローチをしてきました。

プロジェクトオーナーの中里さん(中里 基/NewsPicks Corporate Divisionリーダー)は、2020年6月入社。まさにコロナ下で入社したメンバーです。中里さんはこれらのアプローチをしていく中で、1人ひとりのコンディションを解決しても、また別の人で同じような問題が出てくるし、1回解決しても3〜4ヶ月後に同じ問題が起きるリスクがあることを痛感したと言います。
個別対応の積み上げでは救いきれない。ダイナミックな施策・仕組みに着手していかないと、意味がないのではと感じるようになり、稲垣さんとの1on1の中で共通の問題意識があることを改めて確認。そうして横断プロジェクトとして「Work with a smile」は生まれました。
Work with a smile プロジェクトの概要

上記が「Work with a smile」の全体像です。
プロジェクトの目的である「皆が幸せに働けるように生産性を上げていく」ために、これまで個別に動いていた類似の取り組みを束ね、実行に移していきます。

まず1つ目は、D&Iです。
このプロジェクトは、ユーザベースグループ全体のOKRにも掲げている内容で、すでにコミットメントを策定しています。ここからさらに課題抽出や発信の強化、体制づくりを行っていきます。

2つ目が組織サーベイ。
このサーベイでは、普遍的に組織の健康状態が見れるような設問を置きます。そのうえで、あまり普遍的すぎると固定化してしまうため、都度変化する状況に対してタイムリーな設問を設定します。
また、ユーザベースではオープンコミュニケーションを大切にしていますが、現実問題としてオープンに書けない、実名では相談しにくいこともあるはずです。これはオープンコミュニケーションとは別次元の話になるので、そういった悩みや本音をしっかり聞けるような場も準備する予定です。

3つ目は成長支援プロジェクト。
オンボーディング研修などの仕組みはすでにあるので、それとは別でプロジェクト型の成長支援プログラムを検討しています。ドキュメンテーションやロジカルシンキングなど、ビジネスパーソンとしての「型」のような基本動作を底上げしていくのが目的です。
コンセプトは「非日常感」。NewSchoolのフォーマットを活用したり、NewsPicks GINZAを利用したりと、「厳しく・楽しく」学んでいける場を考えています。
このプロジェクトでは、いろいろな座組みにチャレンジしていきます。

4つ目は、わくわく健康プロジェクト。
これはWaku Workチーム(いわゆる総務)と労務メンバーが中心となり、全社約100名のヒアリング結果を分析し、アクションに移していきます。
最後はツール生産性。ユーザベースグループ内で使われているSaaSツールの会社の方をゲストにお呼びして、Howというより、使い勝手が向上するようなTipsを含め、メンバーとのディスカッションが中心になるよう設計中です。
盛りだくさんな「Work with a smile」、私もプロジェクトメンバーの1人なので、今後も5つの施策・プロジェクトの進捗を随時発信していこうと思います。
ユーザベースグループはコロナ以前からフルリモート・フルフレックスOKの会社ですが、それでもコロナ下になって働き方は大きく変わったように思います。とにかく1日あたりの会議数がめちゃくちゃ増えました……!
そしてコロナ下、つまりリモートワーク前提の中で入社したメンバーが、チーム以外のメンバーとのつながりをつくるのは大変そうだなとも感じています。私が所属するCommunications Teamとしても、インナーブランディングは重要だと考えているので、ユーザベースメンバーの皆さん、「Work with a smile」についての感想や意見、「こんなことに困っている」などがあれば、いつでもご連絡ください!