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INITIALを通じて、熱量が高い出会いの場をつくる──INITIAL Field Sales 坂本龍史

INITIALを通じて、熱量が高い出会いの場をつくる──INITIAL Field Sales 坂本龍史

「INITIALといえば坂本」と言われるようになりたい──そう語るのは、INITIAL事業のField Sales Teamの坂本龍史です。ユーザベースに入社してまだ約1年半ながら、ステークホルダーを招いての交流会の企画・運営を行うなど、着実に存在感を増しています。彼がユーザベースで描く未来は、一体どんなものなのでしょうか。

坂本 龍史

坂本 龍史RYUJI SAKAMOTOINITIAL事業 Field Sales Team

1994年3月15日生まれ、千葉出身。
新卒でJAバンクに入社。信用事業、共済事業に従事。その後不動産業界に転身し、BtoB営業、BtoC営業を経験。前職は、ブティック...

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目次

大怪我やパニック障害を経験した激動の20代前半

キャリアの変遷図:坂本龍史
はじめに、ユーザベースに入社するまでの経緯を教えてください。

僕は今29歳なんですが、ユーザベースは5社目になります。新卒で就職したのはJAバンクで、僕は野球で入ったんです。いわゆる実業団ですね。小学校2年生からずっと野球一筋だったんですが、社会人1年目に自打球が目に直撃して失明しかけてしまって。それをきっかけに野球もJAバンクも辞めました。

退職後は、知り合いが社長をしている会社で2ヶ月ほどアルバイトをしていました。「次は不動産の仕事がしたいな」と思っていたら、社長が不動産会社を紹介してくれたんです。その不動産会社で社会人経験を積んで、その後ベンチャー系の不動産会社に転職しました。これが3社目です。でも、この会社が本当に大変だったんです。

何があったんですか?

20代で3社目になるので、自分としてはかなり覚悟を決めて転職したんですよ。それなのに入社して半月で「会社が潰れるかもしれない」と言われてしまって。当時いた不動産会社はB2Bの営業だったので接待も必要だったのですが、経営難でキャッシュがないから経費も出ない。仕方なく借金をして自腹で接待をしつつ、ほとんど休むことなく働いていたら、突然倒れてしまって……。

病院に行ったら「パニック障害」と診断されてしまいました。それでも薬を飲みながら会社に通っていたんですが、通勤するのも大変でした。一駅ごとに降りないと苦しくなってしまうので、かなりつらかったです。

そんな時に大学時代の野球部の後輩が、彼が就職したブティック系のコンサルティング会社にリファラルで僕を呼んでくれたんです。この会社が4社目で、ここからやっと真っ当な社会人生活が始まったように感じています。大変ではありましたが、若いうちにパニック障害になったりどん底を経験したりできたのはよかったと、今では前向きに捉えています。

INITIAL坂本龍史
ユーザベースに転職したのはなぜですか?

きっかけは、転職サイトでのスカウトでした。以前からユーザベースのことは知っていたので、最初は興味本位だったんですが、カジュアル面談で千葉さん(千葉 信明/INITIAL事業CEO)と話したらとても面白くて。人としての相性が良かったんでしょうね。千葉さんも同じように感じてくれたようで「もう1回カジュアル面談しませんか?」と言ってくれました。

正直なところ、僕は当初、全然ユーザベースに行く気はなかったんですが(笑)、千葉さんとはもっと話したかった。そうして2度目の面談をしたら、プロダクトとしてのINITIALへの理解も深まったし、INITIALが掲げているビジョンにもすごく共感できました。

それに、INITIALはまだ初期のフェーズで、これからルールなどをつくっていく段階なのも良かったですね。いい意味でこれから組織がどんどん変化していく状況にあるところにも、スタートアップ的な面白さを感じました。僕は、3社目と4社目でベンチャー企業の経験をしたこともあり、スタートアップはすごく面白いと感じています。

スタートアップのどのようなところに魅力を感じているんですか?

まず、上層部に言葉が届きやすくて、自分のしたいことができる自由度があるところですね。単純に成長した時の喜びが大きいのもいい。

あと、僕が言うのもおこがましいんですが、僕はスタートアップ業界を盛り上げていくことで、日本の経済成長の力になりたいと思っているんです。

今の日本は暗いニュースが多いですよね。GDPは横ばいで給料も上がらない。少子高齢化で年金の支払いばかりが増えていく……。そういう状態がとても嫌で。INITIALを通じて、スタートアップからGAFAのような企業が生まれるお手伝いをすることで、日本の経済成長に貢献できればと思うようになりました。

「INITIAL」なら、スタートアップのデータを提供することを通じて、この業界を盛り上げることができる──そう考えてユーザベースに転職することに決めました。他社も検討しましたが、INITIALを通じて、さまざまな業界の最先端領域に携われるのはすごく面白いだろうなと思ったんです。

テーマ別のオフ会で出会いの場をつくる

現在の仕事内容を教えてください。

現在は、INITIAL事業のField Sales Teamで、新規顧客様へのINITIAL導入の提案を行っています。

仕事でワクワクすることはたくさんあるんですが、やはり1番はINITIALというプロダクトだからこそ出会える人たちと、接点をつくれることだと思います。事業会社の新規事業担当や経営企画の方々、VC/CVCの方々、金融機関や自治体の方々。熱量が高く、最新のトレンドや新しい事業を考えている方が多いので、話をしているだけでも面白いんです。「INITIALを通じていいスタートアップと出会えました」と言ってくださることもあるので、そういった方々とお話しできるのは嬉しいしワクワクしますね。

INITIAL坂本龍史

最近はユーザー向け交流プロジェクトの「INITIAL Circle」の企画運営にも携わっています。また、私が別で企画した、「テーマ別オフ会」という交流プロジェクトにも力を入れています。これは毎月に1回、テーマ(業界)を決めて、その業界の中で新規事業やスタートアップ関連のお仕事をしている方々をお呼びしたカジュアルな交流会で、これも非常にワクワクします。

どんなところにワクワクしているんですか?

出会いの場をつくったことに感謝してもらえるところですね。たとえば、ある業界の事業会社さん同士だと、互いが競合にもなり得るじゃないですか。だから、同じ業界だけの交流会ってたぶんそんなに無いと思うんですよ。

でも、INITIALは中立の立場だから、みんなに声をかけることができる。同業でも「一緒に取り組めることがありそう」と盛り上がったり、「いい話ができました。ありがとうございます」とお礼を言われたりすると、開催する意義を感じられてうれしいですね。

後輩のために本気で泣いてくれるリーダーが心の支えに

仕事で忘れられないエピソードについて教えてください。

Field Sales Teamで飲み会をしている時に、みんなの前で号泣したことですね(笑)。入社後9ヶ月ごろだったんですが、なかなか成果が出ない時期があって。当時僕はいじられ役だったので、チームの飲み会で数字のことをいじられたんです。いつもだったら軽く流せるんですが、僕もお酒が入っていたから感情的になって、みんなの前で泣いちゃったんですよ(笑)。

たぶんみんなビックリしたと思うんですが、当時のリーダーが「ちょっと外に出ようか」と連れ出してくれて。そこで、「数字のこと、みんなの前で言うのは本当にやめてください! 僕がどんな思いでユーザベースに来ていると思っているんですか!」と泣きながら訴えたら、リーダーも「その想いに気づけなくてゴメン」と泣いてくれて。ふたりで銀座のど真ん中で号泣しました(笑)。

そんなふうに本気でぶつかり合うこともなかなかないですし、後輩のために泣いてくれるリーダーもすごいなと思って。あの出来事は忘れられません。

しかも次の出勤時には、リーダーがチームのみんなを集めて話をする場を設けてくれて、みんなも「その気持ちに気づけなくてごめん」と言ってくれました。だから気まずくなることもなかったし、僕が言ったことも間違ってなかったと思えた。このことで、より一層みんなと心を開いて話ができて、より距離が近づけたと感じているので、この出来事はたぶん一生覚えているだろうと思います。

対談風景
待って、私も泣きそうです。

このリーダーとの思い出は、もうひとつあります。僕がキャリアや将来の目標などを見失いかけたことがあって、その様子に気がついたリーダーが、会食があったのにその後にわざわざ電話をくれたんですよ。「どうした? 今日元気なかったよね」って。しかも「遅い時間なので明日話します」と言う僕に構わず、「今から行くから」と言って僕の家の近くまで来てくれたんですよ。

そこから居酒屋で、夜中までふたりで飲みながら語り合いました。そのおかげで目標を再確認できて、踏ん張れたように感じています。このことも、たぶんずっと忘れないでしょうね。そのリーダーは、今はユーザベースを卒業してしまったんですが、今もたまに連絡を取っています。

彼が退職してしまったことは寂しいし、もちろんずっと一緒に働きたかった。でも彼が辞めたことで、「彼の代わりになれるような人間になりたい」と考えるようになりました。

本当にすごい人だったんですよ。辞めてしまったことはINITIAL全体にとっても痛手になるくらい、人脈も力もある人だったからこそ、「僕が頑張らないと」「カバーできるのは僕しかいないな」と思うようになりました。結果的に行動も責任感も変わりましたし、そのリーダーが退職されてからずっとトップの成績を収められていると思っています。

自分がつらい経験をしたからこそ、仲間に手を差し伸べたい

一番好きなバリューは何ですか?

渦中の友を助ける」です。やっぱり自分がつらい経験をしてきたので、同じような思いをしている人がいたら助けたいと思うようになりました。

僕が入社当時に思い悩んでいたように、きっと僕以外にも同じように悩む経験をする人が出てくる。そのときには、当時のリーダーが僕を助けてくれたみたいに、早めにキャッチしてあげたいんです。

ユーザベースは、つらい状況にある時こそ仲間に手を差し伸べて、チーム全員で目標に向かって頑張るカルチャーを持っている。僕自身もそれを体感しているので、より強く「渦中の友を助ける」の大切さを感じますね。

あと、以前の僕は自分がフィーチャーされる方が好きだったんですが、最近は人が楽しんでくれたり、僕を介してつながりができたり、新しい事業が生まれたりすることがうれしいと思うようになったんです。誰かのために自分ができることがあるなら、率先してやりたいですね。

The 7 Values:渦中の友を助ける

「INITIALに坂本あり」と言われる存在感を発揮したい

今後のビジョンや挑戦したいことはありますか?

「INITIALには坂本がいる」と思ってもらえるくらい、この業界の方々に僕のことを知ってもらいたいですね。営業としても強みになると思いますから。

そうなるためには、どうすればいいと思いますか?

今、僕が企画している交流会は「この業界の人たちを集めたいから」とカスタマーサクセスやインサイドセールスのメンバーにも依頼して、人数を集めて開催、という形で進めています。誰に頼まなくても、僕が声をかければその業界の人が20〜30人くらいポンと集まるようになるのが、ファーストステップかな、と。

INITIALというコミュニティが、そして僕自身が「この人に声をかけたら面白い人が集まってくるぞ」と期待されるような存在になりたいですね。困った時に、パッと「この人に相談しよう!」って思い出してもらえるようになれたらと思っています。

坂本さんがそういう存在になることが、INITIALの事業成長にもつながりそうですね。

そうですね。そういう存在になることで、得られる成果はふたつあると思っていて。ひとつは自分の人生の幅が広がること。もうひとつは、売上に直結してくることだと思っています。

INITIALにはいくつか競合があるんですが、こういった活動を続けることで何かあったときに、他社ではなく僕に相談してくれるようになると思うんですよ。というか、そうでありたい。「坂本さんがいるからINITIALを契約しようと思って」と言っていただける方や企業さんが1社でも2社でも増えたら最高ですね。

また、テーマ別オフ会のような新しい取り組みにどんどん挑戦して、スタートアップ業界においてINITIALが必要不可欠なものになるようにしていきたいです。そして、「スタートアップをより身近に、挑戦者であふれる世界をつくる」というINITIALのビジョンを実現するためにも、INITIALメンバーである僕自身が挑戦者であり続けたいですね。

INITIAL坂本龍史

編集後記

以前インタビューした嶋田に続き、2人目の自薦で決まったインタビュー。INITIAL、自らUzabase Journalに「出たい!」と言ってくれる人が多くて嬉しいです(笑)。

仕事で忘れられないエピソードは、今回は久しぶりにインタビュー中に泣きそうになりました。思わず号泣してしまうくらい仕事に真っ直ぐ向き合うエピソードを聞いて、背筋が伸びる思いです。

坂本さんが担当している「INITIAL Circle」は毎回大盛況で、回を重ねるたびに人数が増えている気がします(イベントスペース、いつも酸素が薄く感じるくらい笑)。今度はコミュニティについて取材したいです!

執筆:神代 裕子 / 撮影:倉本 あかり / デザイン:片山 亜弥 / 編集:筒井 智子
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